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上杉謙信×綾御前

「姉上。邪を討ち祓い、日本(ひのもと)に正しきを顕しました」
「越後の龍」「軍神」とあだ名される上杉謙信が、なんと一人の女性の前にひざまずいていた。ほかでもない謙信の実姉、その名を綾御前という。
 魔王・織田信長との決戦。その戦勝報告を謙信から受け、綾は整った顔に穏やかな笑みを浮かべた。その笑顔を見た者は、彼女のためなら命をも惜しまないという。
「我が弟、謙信。あなたならきっと、できると信じていました」
 綾はその手に、なみなみと酒のつがれた大杯を持っていた。文字通り勝利の美酒を、謙信に手渡す。どう見ても身体に悪そうな量を、謙信は一息に飲み干した。彼の口元にも、めったに見せない笑みが浮かんでいた。傍から見ると笑っていることにすら気づかないが、綾には分かる。
「姉上からいただく一杯は、格別」
「ああ謙信……可愛いことを言ってくれますね……」
 綾も酒に、あるいはこの雰囲気に酔っているのだろうか。しゃがんで、謙信の手を取る。弟は何も言わず、姉を抱きしめる。それだけでもう、二人の雰囲気は姉弟のものではなくなっていた。

 宿敵・武田信玄と同じく、謙信も領内の温泉にいくつもの隠し湯を持っている。二人はその一つで、骨休めしていた。綾もただ弟の帰りを待つだけでなく、いくつかの戦には共に出ている。女の身には相当こたえただろう。
 二人はすでに生まれたままの姿となり、身を寄せ合って露天風呂に浸かっていた。筋骨隆々の謙信は、男として理想の肉体美を備えていた。一方の綾は、乳も尻も大きすぎず小さすぎず、戦国美女の模範というべきしなやかな肢体をさらしている。品良く切りそろえた黒髪に、粉雪が舞い落ちる。
 それにしても、謙信の酒好きは常人の真似できるところではない。杯をあおっては、綾の唇を奪い、流し込む。
「んぐっ、ん……謙信から、口移しでもらう酒は極上の味わいです……」
 綾も酒にはかなり強いらしい。積極的に飲み干し、あまつさえ謙信のへの字の唇を吸い、舌まで挿し入れていた。
 毘沙門天を信仰し、女を遠ざけて生きてきた謙信の、ただ一人の例外が綾だった。謙信の初体験の相手はもちろん綾。そして綾が処女を捧げた相手も謙信だった。姉弟であるうえに、今や綾は長尾政景の正室。この関係は、もちろん周囲には絶対の秘密である。寡黙な謙信が軽々しく口にするはずもなかったが。

「んああっ……もっと私に触れて、私を感じるのです……」
 越後の新雪を思わせる、真っ白な肌。しかし触れてみると温かく、乳房は弾力豊かで指をすぐに押し返す。繰り返し揉みしだいていると、桜色の頂点がムクムクと屹立を始める。上杉家の女神のような彼女も、一人の女なのだ。謙信の前では。
「はぁあ、もう、のぼせてしまいそう……あっ……」
 愉悦の吐息を漏らす綾の瞳が、驚きに見開かれた。
 謙信が綾の目の前で立ち上がっていた。股間の逸物が、眼前に突きつけられている。立派な体格に見合った業物で、角度は直角どころか冬空を向いて反り返っている。綾はあらゆる意味で凡庸な夫のそれと比べずにはいられなかった。
「ああ、いつ見ても立派な……さすが我が弟……」
 あまりに危険なことを口走りつつ、間近で眺め、白魚のごとき細指でさする。上杉の女神の愛撫。並の男なら、その瞬間に射精してしまうだろう。カリ首を、裏筋を、そしてふぐりをさんざんくすぐって、綾は秘められた欲情を満たす。鈴口から先走りが垂れるのを見ると、もう抑えられない。
「んぐっ」
「む……姉上……」
 肉刀を、呑んだ。さすがの謙信も、わずかに顔をしかめる。もちろん、苦痛ではなく快美のため。
 頬をすぼめて男根を吸いあげ、口腔内では舌先がなまめかしく躍る。喉深くまで突かれ、えずきそうになりながら、綾は決して吐き出さない。この逸物は、世界で綾のためだけに使われるのだから。
「んふーう……ふふ、んふ……さあ、放ちなさい謙信。私に、熱情のほとばしりを浴びせて……ちゅっ、ちゅぱっ、ちゅばっ」
 亀頭に接吻の雨を降らせ、いっそう激しく吸い上げて、綾はしきりに謙信に放精を促す。正直なところ、謙信も限界に来ていた。毘沙門天の加護と引き換えに封じている男の本能が、この美しい姉の前では奔放に発動する。
「姉上……!」
 素早く腰を引き、謙信は自らの手で竿をしごく。ふっ、と臍下丹田の力を抜く。次の瞬間、睾丸の中にたぎるものを抑えることはできなくなっていた。
 ビュルルルッ! ビュクッ、ドプドプッ!!
「あっ! ああっ!」
 液というより塊に近い白濁が、立て続けに綾にぶちまけられる。当然、綾の濡れた黒髪にも、ほんのり染まった双乳にも、一切の容赦なく降り注ぐ。だが彼女はそれを嫌がるどころか、目を細めて受けていた。やがて長い放出が終わり、綾は胸元に付着したそれを指先ですくう。指を閉じたり開いたりして粘度を堪能してから、おもむろに口に含んだ。
「ふふ……この苦さ、心地よい苦味というべきでしょうか……」
 上杉の女神はもはやお上品でなどいられない。

 勃起は全く衰えを知らぬまま、謙信は綾を洗い場に組み伏せる。体重をかけないようにすることも忘れない。
「はぅ……ん。その調子です、謙信。また、うまくなりましたね」
 か細い首や、はかなげな胸乳に舌を這わせるたび、綾は謙信にすがりついて鳴く。一番感じるところを避け、じらすやり方も姉が弟に教えたものだった。思わず、他の女で練習しているのかと疑念が湧いてくる。だが、謙信に限ってそんなことはない。
 謙信の無骨な手は、綾のなだらかな下半身へと伸びていく。股間の茂みは薄い。そして、手入れが行き届いている。花弁のはみ出しも少なく、色は美しい。その上端、過敏な突起をまさぐる。
「あ! いぃ! お豆謙信に嬲られて、すごく……感じますよっ……あふっ!! アッ! アーッ!!」
 綾は目尻に涙を貯め、腰を浮かせてカクカクと振った。このまま気を失ってもおかしくないほど気持ちいい。でも、それではもったいない。先ほどから彼女に、軍神の肉刀が押し当てられている。ひとつになりたいという想いは、同じだった。

「さあ、謙信。いつものように、私に法悦を与えるのです」
 洗い場にあぐらをかいた謙信の上に、綾は唇を舐めながら座っていく。垂直にそびえる肉刀に、濡れそぼつ花弁が押し当てられ――
「んっんんん――!!」
 一気に沈んだ。石のごとき先端が、筋走る幹が、女体の一番奥を激しく擦りながら上昇していく。
「はぁあぁあ……いっぱい、いっぱいよぉ……子袋まで、貫かれてしまいそう……」
 綾のほっそりとした女体と、謙信の彫像のごとき肢体が対面座位で絡み合う。再び唇を重ねながら、綾はゆるりと腰を上下させ、弟の逸物を堪能する。結合部からグチャグチャとにじみ出てくる熱い混合液が、洗い場に流れ落ちていく。軍神と女神が、ひとつに溶け合っている何よりの証だった。
「も、もっと……」
 かすれた声だけで、謙信は姉の求めていることを察した。姉を抱きしめ、繋がったまま、立ち上がる。かなりの筋力が必要だが、彼には苦もないことだった。
「んおぁあぁっ!! ふ、深いぃっ! これ、これがいいのぉっ!!」
 さらに深い挿入感と、何より強い男に貫かれているという被征服感が、綾の膣内をキュンキュンと収縮させる。滑らかな尻肉がパンパンパンパンと軽快な音を立て、その間から、姉以外に使われることのない剛直が何度も何度も出入りする。
 徐々に綾の視線が上のほうへ、ここではないどこかへと向かっていく。強靭な理性が、霞のように薄れてきた。謙信は自らの腕力だけで綾を上下させる。深く、浅く。蜜壷が、軍神に支配される。今や綾の快感すべては、謙信に委ねられていた。
「ひぐっ! あは……あん……うふ、ふ……」
 艶っぽい口の端は半開きになって涎が垂れ、いつもの理知的な彼女とはまるで別人のようだった。
「あぁ逝くぅ、謙信のお珍宝で逝かされるうぅっ」
 あけすけな言葉を口にしながら、綾の脳天まで甘美な電撃が突き抜ける。膣壁の締め付けは最高潮に達し、さすがの謙信もいよいよ限界が来た。それでも顔色ひとつ変えないのはさすがというほかない。
 もう一度、腰を強く打ち付ける。それと同時に精神の緊張を解き、自然の摂理に任せる。陰嚢から湧き上がる白熱の溶岩が、綾の子袋へと噴き上がった。何度も、何度も。
「あぁんっ、精……謙信の精、とても濃くて熱いのおぉ……駄目、孕んじゃうっ、こんなに注がれたら、んぁ、はひいいいっ!!」
 自分の言葉がとどめとなり、綾は裸身をガクガクと震わせた。もはや、自分で自分を制御できていない。
 そんな姉を見るにつけ、謙信の胸の内では男女としての情熱が燃え盛る。このときだけは、彼もまた軍神から一人の男になっていた。
「姉上との交わりは……愉悦」
 舞い散る雪の中、二人は余韻を共有するように口づけを繰り返していた。

「あう……うぅん……」
 謙信は綾を洗い場にうつぶせに寝かせて二枚貝を開き、丁寧に清めてやっている。その間も彼女は、謙信の指に敏感に反応していた。
「我らの情交を、毘沙門天も知っておられよう」
 謙信は言いたいのだろう。後悔はしないが、罪は罪だと。
 それでも、綾の心は小揺るぎもしない。彼女の愛は、しなやかに常識を乗り越えていくのだから。
「ふふ、うろたえ者。この乱世、肉親同士で殺し合う罪に比べれば……愛しあうことがどうして罪になりましょう」
 そして、謙信の指を上の方の蕾へと導く。また違った快楽への入り口を、ゆっくりとなぞらせる。
「ここは、夫にも許していないのですよ。可愛い謙信……」
 また姉弟が繋がるのは時間の問題だった。

 綾御前。人は彼女を、上杉の女神と呼ぶ。直江兼続は彼女から多くのことを学び、彼女の次男は上杉景勝として謙信の衣鉢を継いだ。歴史書では、そう説明されている。

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Written by◆17P/B1Dqzo