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遠呂智の淫謀 濃姫編

 信長の妻・濃姫は遠呂智軍によって建業城に囚われていた。
 信長によって島左近が動き、結果として孫堅の居場所がつかめた。その借りを返すため、
孫策は彼女の救出を目指す。
 だがあと一歩のところで、妲己の命を受けたねねたちが乱入。孫策軍は空しく退却せざるを
えなかった。
 濃姫の運命は決まった……

 力尽きた濃姫を、かつて家臣の妻『だった』女が遠慮なく縛り上げていく。
「遠呂智様に逆らうなんて、生きにくい子だねえ」
 手足を網で包んだだけのねねを見て、濃姫は唖然とした。顔には羞恥の色もなく、
胸も秘部も平然と露出している。いくら濃姫でも、この格好で表に出る気にはなれない。
信長と二人きりならともかく。
「まったく、使えないわね。いつの間に遠呂智の雌犬に成り下がったのよ」
「雌犬? それでもいいよ、あの人はあたしにいっぱい注いでくれるんだもの」
 軽蔑のまなざしをものともせず、ねねは幸せそうに下腹部をさすった。遠呂智との営みを
思い出すだけで、子宮がきゅうんと疼く。濃姫には、目の前の見知った顔がまるで別の
生き物に思えた。
「だからあなたも、片意地張ってちゃダメだよ? せいっ!」
 首筋に手刀が振り下ろされる。鋭い痛みとともに、濃姫の視界が暗転した。

 数日後。
 裸の上半身だけを前に突き出した格好で、濃姫は古志城最深部の壁に埋め込まれていた。
壁の表面が絶え間なくうねり、無数の小さな目が闇に光る。壁は、おびただしい数の蛇で
作られていた。
 目を閉じたまま、彫像のように動かない。ただ砲弾型の見事すぎる乳房が、微かに上下動を
繰り返している。かろうじて、息はあるらしい。
「うふふ。上手くいっているようですね」
 月英は恍惚の表情を浮かべて、物言わぬ濃姫に語りかけた。乳首も茂みも透けて見える、
極薄の前掛けだけを身に着けていた。われわれの時代では、新妻を連想させる。
 事実、彼女は諸葛亮との記憶を消され、新たな『夫』に 甲斐甲斐しく仕えていた。
 一方で、発明家・技術者としての人格は残っていた。今や遠呂智のための発明は、夜伽と
同じくらいに月英の生きがいとなっている。
「あなたから吸収した精気は、古志城の設備の動力源として使わせていただきます。同時に
あなたの胎内をくまなく調べられる。遠呂智様がお忙しくても」
 蛇に埋もれた下半身にこそ、彼女の発明の才がいかんなく発揮されていた。
 目も口もない、ミミズの化け物のような蛇どもが、剥き出しの尻からつま先まで隙間なく
巻きついている。彼らの体表からは得体の知れない粘液がにじみ出し、脚をまんべんなく浸す。
 もちろん、前後の穴も無事ではすまない。入れ替わり立ち代わり、蛇たちの侵入を受けていた。
 ここまで責められても、濃姫の目は開かない。術により、彼女の意識は凍結されている。
この城の主が来るまで。

「ほう。なかなかに見事なものだ」
 足音も、重い扉が開く音さえもしなかった。なのに、遠呂智は当然のように月英の背後にいた。
「遠呂智様! お待ちしておりました」
 見られる緊張と喜びに顔を紅潮させながら、月英が振り向く。
「この月英、遠呂智様のために脳漿を搾り、作ったカラクリにございます」
 残念ながら、魔王の視線は彼女に向けられてはいなかった。壁の装飾品を、凍りつくような目で
見つめている。
「織田信長、とやらの妻か。後は我が仕上げる」
「はっ……」
 背を向け立ち去る月英が唇を噛んでいたことなど、遠呂智は知る由もない。
 魔王の到着を待っていたかのように、壁の蛇が一斉に濃姫の拘束を解いた。ズゾゾゾ……と、
二穴から蛇が這い出す。
 自重に耐え切れず、まず濃姫の上半身が真下に折れ曲がる。続いて下半身が壁の穴から
ズルズルと抜け出す。
 この程度で死んだら無価値とでも思っているのか、遠呂智は彼女に手を貸そうともしない。
結局、結構な高さから濃姫は硬い床に叩きつけられた。
「ぐっ! 女の扱いが、なってないわね」
 封じられていた意識が蘇る。冷たささえ感じる端正な顔が、苦痛に歪んだ。
 とっさに立とうとしたが、脚に力が入らず崩れ落ちてしまった。下半身が濃緑色の粘液に
まみれ、足指一つ動かせない。長い脚をぴっちりと閉じた状態で固められているから、
まるで半人半蛇の妖怪に見えてくる。

「気分はどうだ、蝮の娘よ」
 全身を揺さぶるような声が、頭上から降り注ぐ。挑むような目で魔王を見上げながら、
濃姫はペロリと真っ赤な唇を舐めた。
「悪くないわ。でも、こんな玩具じゃ満たされない。私を満たしてくれるのは、あの人だけだもの」
「我にはできぬと言うか」
 魔王の声が、わずかに震えた。
「さあ? 試してみたら、魔王さん」
「よかろう。我も貴様を満たしてやる。その身が裂けるほどにな」
 自分では立てない濃姫の手首をひっつかんで、手荒く起こす。
「参るぞ」
 鮮やかに塗られた濃姫の唇を、自分の口で塞ぐ。前戯ではなく、情報を集めるために。
ねねから教えられたように首をかしげて唇をついばみ、頃を見計らって口内に舌を挿し入れる。
蝮の娘と呼ばれた女の半生から信長との夜の営みまでが、遠呂智の脳に流れ込んでくる。
(ずいぶんウブな接吻だこと。教えてあげようかしら)
 笑いをこらえながら、濃姫は反撃に出た。別の生き物のように舌をうごめかし、魔王の
ぎこちない舌を絡め取り、ねぶる。
(ぬぅ、我のほうが探られているかのようだ)
 股間の大蛇が狂的な進化を続ける魔王も、接吻に関してはまだまだ経験不足と言わざるをえない。

 ならばと、遠呂智は濃姫の胸元に手を伸ばした。天下一と言っても過言ではない豊満さを
誇る乳肉は、魔王の大きな掌をもってしても包みきれない。爪を立てても柔らかく
押し返され、どんなに激しく動かしても瞬く間に元の位置へ戻る。しかも、たっぷりと
焚き染められた淫靡な香が、嗅覚をも刺激する。
 遠呂智は女体に関して、無邪気なほどの興味を持っている。優位に立つつもりが、知らず知らず
濃姫の肉体に溺れ始めていた。
 濃姫も、それは十分に承知していた。腕を大蛇が潜む股間へと伸ばす。細い指が、衣の上から
逸物を一撫でした途端。
(何ぃっ)
 異変は起きた。
 勝手に蛇が口を開き、毒液が急上昇する。止められない。そのまま、放ってしまった。
衣の下が、不快な粘り気に包まれる。
 五体のすべてを意のままに操れるはずの遠呂智が、己の分身一つ制御できなかった。
もちろんこんなことは、今までにない。
「んふ……んんっ……」
(早いのね。可愛いわ)
 チロチロ動く濃姫の舌が、そう語りかけている。
(この女、まさか我の眷属ではあるまいな)
 心の片隅に巣食った疑念が、じわじわと広がってくる。
「ぬううっ」
「あんっ」
 遠呂智は口を離し、濃姫を突き飛ばしてしまった。赤く手形の付いた乳房を激しく
揺らしながら、生意気な生贄は床に倒れこむ。
「遊びは終わりだ、強き女よ」
 遠呂智の股間が急激に膨張し、衣を弾き飛ばす。その下から五本にまで増えた大蛇たちが、
牙を剥いて飛び出した。これには濃姫も、横を向いて口を手で覆う。
「……悪趣味ね」
 濃姫の感想など意に介さず、遠呂智は床に転がる生贄に向かって蛇をけしかけた。いかに
無双の力を持つ娘たちといえども、この恐怖に打ち勝てた者はいない。
 しかしこの時でさえ、濃姫の口元には妖艶な笑みが浮かんでいた。その意味を、遠呂智は
身をもって思い知らされる。

 また一匹、大蛇が毒液を吐き出した。それっきり、力尽きたように動かない。いや、
遠呂智が動かせない。
 人間の娘を次々と抱くうち、大蛇の皮膚感覚は人間の男根のそれに近づきつつあった。
それが仇となり、濃姫の前に次々と果てていく。
 一匹は白くほっそりした手でズコズコとしごかれ、あっけなく逝った。
 一匹は胸の谷間に誘われると、ねね以上の乳圧で挟み込まれた。左右から絹よりも滑らかな
感触に包まれたところで、鮮紅色の唇が蛇頭をくわえ込む。喉元、人間で言えば裏筋に当たる部分を
舌先で素早く転がされると、そこで口内に放ってしまった。
 さらにもう一匹は、あろうことか膝の裏で逝った。柔らかなふくらはぎと太腿に
挟まれ、皮肉にも粘液が極上の潤滑油となって、まったく無意味な部分に毒液を撒き散らしてしまった。
「ウッ……貴様……」
 遠呂智が低くうめく。まるで遊女に弄ばれるがごとき醜態である。
 濃姫はというと、嬉々として異形の陽物と戯れている。もちろん正気で。
「アハハハ! どうしたの? 半端は嫌なの、犯るなら徹底的にお願い」
 遠呂智は物も言わずに濃姫の足首をつかむと、一気に頭上に折り曲げた。交わるための
二つの穴が、真上を向いてさらけ出される。
 緑色の粘液ごしに、濃姫の『女』がはっきりと見て取れた。暗赤色の花びらは複雑な皺を刻んで
よじれ、経験の豊富さを雄弁に物語る。陰核も大きめで、内に潜む貪欲さが結晶化したようだった。
 一方の排泄孔は形の崩れもなく、綺麗なたたずまいをしている。しかし期待にヒクつく様は、
前の穴にも劣らぬ淫猥さを醸し出していた。
 生き残った二匹が、舌先で陰核と菊門をチロチロと舐める。
「あふぅ……こういうのも、いいんじゃない」
 人外の愛撫に、濃姫はくすぐったそうに身をよじった。続けて、硬い鼻先が押し当てられる。
あらためて、遠呂智は濃姫の目を見た。やはり、屈してなどいなかった。

「ぬん!!」
「はぅ、あぁんんんっ」
 杭でも打ち込むように、一気に蛇を奥まで侵攻させる。愛撫は十分ではなかったが、
ここでも粘液が摩擦を軽減した。限界まで貫くと、頭が抜ける寸前まで後退し、また突進させる。
本格的な凌虐を受け、濃姫は初めて甲高い悲鳴をあげた……悦びに。
(何なのだ、これは一体、うおおお)
 今までの娘とは比べものにならないほど相性が良い。大蛇の皮膚と 濃姫の膣壁・腸壁は
溶け合うように密着し、必要もないのに遠呂智にカクカク腰を振らせた。
まるで、同族を相手にしているように思えてくる。
 しかも、濃姫は悦んではいても屈服する様子がない。乳首をビンビンに勃起させ、
上の口からも下の口からも涎を垂れ流す。それでいて、目にはどこか醒めていた。
「はぉう! ほらもっと、私を苛めて! 欲しかったんでしょ、私のお臀(しり)もオ×××も。
ぁん、暴れてるわよ、私の穴の中でぇ!」
(支配できねば、殺すしかないか)
 乱れてみせる濃姫を見下ろしながら、遠呂智の脳裏に敗北にも似た考えがよぎる。
だが、どこまでも、蝮の娘は魔王を翻弄した。

「あなた、私を支配したいんでしょ? いいわ、されてあげる」
「何……だと」
 正気のままこんなことを言う女は、今までにいなかった。自暴自棄でも、ましてや
発狂したわけでもない。真意を測りかねたまま、心をも壊す毒液を放ってみる。しばらくすると、
いつも通りに女の目がどんより濁ってきた。奇妙にも、生贄の協力を得て儀式は成功に向かう。
「あの人に伝えて……」
 か細い声で、魔王をも凌ぐ女が呟いた。
「私も地獄を愉しんで……いるから……って」
 そのまま濃姫は、眠るように目を閉じた。自我が残っているかもしれないが、遠呂智も
これ以上抱く気にはなれなかった。
 体液と毒液をを滴らせ、濃姫から大蛇を引き抜く。途端に壁の蛇たちが伸びて濃姫の
下半身を包み込み、再び彼女を古志城の動力源に引き戻した。狂気じみた交わりの直後だと
いうのに、実に穏やかな表情を見せていた。
「……何故だ?」
 生ける彫像の前で、遠呂智はしばらく思索してみた。答えは、出なかった。

(あの人に伝えて――)
 遠呂智は、濃姫の最後の願いを叶えてやった。
「クク……フフフ、フハハハ! お濃よ、見事ぞ」
 居城に届けられた書状を読み終えて、信長は、笑いに笑った。居並ぶ群臣が震え上がるほどに。
関平や黄忠も、背筋に冷たいものが走った。
 突如、信長の手が暗紫色に輝いた。妖気の炎に包まれ、書状が一瞬にして燃え上がる。
「妻も地獄なら夫も地獄。この宴、信長も愉しむとしよう、ぞ」
 舞い散る灰の中、もう一人の魔王がすっくと立ち上がった。

濃姫編 完

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
濃姫×甄姫

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Written by◆17P/B1Dqzo