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濃姫×甄姫

 片や、第六天魔王の妻・濃姫。
 片や、魏国初代皇帝の妻・甄姫。
 白昼の合肥城で、二人の妖姫は再びまみえた。
「さあ。今日こそ、その厚化粧を粉砕して差し上げますわ!」
 建業城で煮え湯を飲まされた甄姫の瞳は、めらめらと燃え上がっている。使い込まれた多節鞭が、石畳をピシャリと打ち据えた。
「面白いことを言うのね。誰に吹き込まれたか知らないけど」
 濃姫は笑みを絶やさない――口元だけ。袖の中で、暗器が音もなく動き始めた。
 両軍の男たちが(怖いので)遠巻きに見守る中、戦いの幕は切って落とされた。

 ほどなく。その一方が武器を手放し、倒れ伏した。
「わ……私はあなたの、何に負けたというの?」
 甄姫が唇を噛み締め、うつむいている。豪奢な絹の衣はズタズタに切り裂かれ、新雪のような肌がのぞいている。傾国の美女は、敗北の姿さえ絵になった。
 敗者を見下ろす蝮の姫は、わざとらしく首をかしげる。
「そうねえ……若さ、かしら」
 合肥城が、気まずい沈黙に包まれた。
 周囲の言いたいことは分かる。さすがの濃姫も、ばつが悪そうに咳払いした。それから、傍らの呉将に顔を向ける。
「この女、私に任せてもらえる? 語り合いたいの、じっくりとね」
 話しかけられた呂蒙は、腕組みして思案する。
「ふむ……遠呂智軍の内情、掴めるやもしれませぬな。我らは前線を押し上げるゆえ、お任せしてよろしいか」
 いかにも彼らしい、くそ真面目な判断が下った。大半の将兵が、呂蒙に付き従い城を出ていく。濃姫は笑いを噛み殺しつつ、甄姫に向き直る。
「尋問なんて、どうでもいいのよ。さあ。虐めたり、虐められたりしましょう?」
 そこに、性的な意味が込められているのは明らかだった。甄姫の背筋に寒気が走る。
「お、お断りしますわ! 誰があなたなどと……う!?」
 突然、見えない糸に縛られたように、甄姫は身動きが取れなくなった。これも、濃姫の暗器がなせる技なのか。
「忍法・影縫い……」
 物陰に目を凝らすと、一人の忍の姿が辛うじて見える。服部半蔵であった。
「さすが、徳川の忍はいい仕事するわね」
「影は闇より眺める……」
 それは術の性質ゆえか、半蔵も男ということか。ただ、姿だけが周囲の風景に溶けていく。甄姫には聞き捨てならなかった。
「ちょっと! 悪趣味ですわよ! 術をお解きなさいっ」
「いいんじゃない? 見られるのも、刺激があって。まあ、ここで立ち話もあれだし、中でゆっくりしましょう?」

 衛兵らによって、甄姫は城の一室に運び込まれた。無礼なことに手鎖をかけられ、直立を強制される。
「さてと。どこから味見しようかしら」
 濃姫は、甄姫の背後に回った。相手が見えないことで、甄姫の不安はさらに募る。どこかで半蔵も見ているのだろう。
「ひっ……け、汚らわしい!」
 甄姫が身を震わせる。美玉のごときと謳われた頬を、一舐めされた。さながら蝮のような、長く細い舌で。
 罵倒など意に介せず、濃姫は舌でうなじをチロチロとくすぐる。ナメクジの這ったような唾液の筋が、残されていく。
 その間に両手は、衣の上から乳房に添えられていた。上質で薄い生地は、果実の大きさと美しさを強調しこそすれ、打ち消すことはない。
「あなたのこれ、手のひらにずしりと来るわ。無性に虐めたくなってくるわね」
「ふん! あなたなどにいくら触れられようと……くっ」
「試してみる?」
 衣の下へと手が潜り込んだ。男子羨望の果実を、じかに揉みほぐす。指二本で乳首をつまみ、くすぐり、尖らせていく。長い爪と柔らかな指の腹を、巧みに使い分けて責めていた。
 見る見るうちに、甄姫のかんばせが朱に染まり始めた。
「あ、ああっ! どうして、こんな女の手にっ」
 もちろん心は微塵も許していない。耐える自信はあった。それなのに、身体があさましく反応し、声まで漏れてしまう。
(受け身に回ると、案外可愛いのね)
 片手はくびれた腹部を撫でつつ、さらに下へと向かう。腰に巻きつけた衣はざっくりと割れ、太腿が大胆にのぞいている。それは濃姫も同じだった。すらりと伸びた生脚のなまめかしさは、二人とも甲乙つけがたい。そんなところも、二人が張り合う理由なのだろう。
 股布の隙間から、手を忍ばせる。指先はまず、茂みに突き当たった。しっかりと処理しているが、毛足の長さや濃密さは大人の女にふさわしいものがある。
「どこかしら……ああ、これね。あなたのお豆は」
 女の弱点をすぐに探り当てた。包皮を剥きあげ、集中的にこねくり回す。
「あ、いや! そ、そこは、はう!? やめ、おやめなさいっ」
 腰がビクンビクンとはねた。ただでさえ曹丕とご無沙汰している上に、相手は戦国屈指の床上手なのだから、ひとたまりもない。肉芽から生じた疼きは、女の奥深くから否応なしに露を分泌させはじめる。
「じゃあ、歓迎してもらおうかしら」
「く……あ……!」
 指先が湿り気をとらえたところで、指をじわじわと挿し込んでいく。根元まで咥えさせると、中で肉襞をかき回した。
「うはぁ! は、はひいっ! う、嘘ですわ、こんな、こんなぁ」
 口で否定しようと、淫水は甄姫の生脚を次々伝って垂れていく。靴の中に入り、恥ずかしさと不快感がこみあげても、今の彼女には拭き取ることさえできなかった。

「ま、こんなものかしら。何か言いたいことは?」
 引き抜かれた濃姫の指が、甄姫の愛液にテラテラと輝いている。
「くっ……ああぁ……いやぁ」
 もはや、抗議の声がまともな言葉にならない。濃姫の責めによって、甄姫は身も心もとろけてしまっていた。
「そろそろ、物足りないでしょ?」
 濃姫は、袖から何か細長い筒?を取り出し、真っ赤な唇を寄せた。わずかに湾曲し、両端が茸のような形に張り出している。
 それは双頭の、張形であった。男なら巨根というべき大きさで、しかも豪華なことに象牙で作られている。
 これには甄姫もあっけに取られた。
「な! 何てものを……持ち歩いているの……」
 しかし相手は、袖から爆弾まで出す女である。どこに、何の目的でなどというのは野暮だろう。
「おお……あふうっ……!」
 濃姫はよがり声を上げつつ、自らの秘裂にはめ込む。
「ふふ、これ、なかなかの逸品よ。あの人には及ばないけどね」
 上品な和服の袷がまくれ上がり、そこから張形が飛び出している。異様の極みであった。しかし、それがなぜか彼女には似合う。
「さ、慰めてあげるわ」
「きゃああ! お、おやめなさい――っ!」
 甄姫の腰布を剥ぎ取り、その下の股布も一息に引き下ろす。甄姫はたちまち、下半身だけ丸裸にされてしまった。本物そっくりにくびれた先端を甄姫にあてがう。
「おどきなさい! 今ならまだ、殺すだけで許してさしあげますわ」
「慈悲深いのね。それじゃ、お言葉に甘えて」
 甄姫の金切り声もどこ吹く風。濃姫は彼女を真正面から抱きしめた。
「こ、殺す、絶対に、ああぁ――ッ!」
 黒々とした茂みの奥へと、性具が飲み込まれていった。苦痛ではなく悦楽の叫びが、笛の音よりも艶やかに響いた。
 女陰を突く腰つきも、濃姫は堂に入っている。軽やかに、そして時折力強く、宿敵の体内をえぐる。激しい動きにつれ、彼女の衣は前がはだけ、日本人とは思えぬ見事な乳房が飛び出した。これほど大きいのにツンと上を向いているのは、魔乳としか言いようがない。
 大きなグミ色の乳輪を押し付けながら、濃姫は甄姫を貫く。いずれ劣らぬ豪奢な衣装を纏ったまま、成熟の極みにある女体が重なる。
「あぁ、我が君、我が君ぃっ」
 甄姫の反応が、変わってきた。どうせ逃げられないのなら、甄姫はこの張形を夫のものだと思うことにしたらしい。少なくとも男に犯されるよりはましだった。いつしか、どこかで見ているであろう半蔵の存在も忘れて。
「いいわよ……こっちもズンズン突き上げられているわ」
 甄姫を突くと、自分にも張形の一端が突き刺さる。相手の具合がいいほど、自分にも快楽が返ってくる。
 甄姫などはぼんやりと天井を見つめ、口から泡立った涎まで垂らしていた。濃姫も口元から余裕の笑みが消え、一心不乱に突き上げ続ける。
 愛などまったくないのに、二人の妃は確実に高みへと上りつめていく。
「わ、わたくし……このまま、果ててしまう……」
「お行きなさい……私に抱かれて、行くところまで」
「あ、ダメ、い、いやああっ!!」
 今までにない恥辱と快楽の極みに、甄姫の意識は飲み込まれていった。

 双頭の張形が、ゆっくりと引き抜かれていった。二人とも、先ほど戦ったときより息が上がっている。きらめく汗と淫汁が、肌にいっそうの彩りを添える。
「嫌がってた割には、ずいぶん激しかったけど?」
「……我が君とはずっとお会いしていないのよ……どこで何をしていらっしゃるか」
 それは心からの、女としての言葉だった。
 濃姫は何も言わずに、パンパンと手を打ち鳴らす。
「えっ!?」
 体の自由が利く。甄姫にかけられた影縫いが解けた。思わず彼女は、憎い敵を見つめた。
「おとなしく待つなんて、あなたらしくないじゃない。オスの狐に盗られるわよ」
「……あ、あなたに言われなくても! 覚えてなさい、次はあなたがひざまずく番ですわよ!」
 そそくさと服を着、ふらつきながら逃げていく。そんな甄姫を見つめる濃姫の目は、不思議なほど優しかった。
「さてと。私もそろそろ行くわ、あの人の所へ。伝えておいてくれる? 楽しかったって」
「……承知」
 勝手な姫君を咎めるでもなく、半蔵の気配が消えた。
 下駄を軽やかに鳴らし、濃姫も城を去る。
 そして、誰もいなくなった。

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
曹仁×甄姫
遠呂智の淫謀 濃姫編
遠呂智の淫謀 甄姫編

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Written by◆17P/B1Dqzo