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無双の英傑たちによって、魔王・遠呂智は滅び去った。世界の行方はいまだ定まらないが、今はいっときの平穏が訪れていた。
しかし、遠呂智に陵辱の限りを尽くされた女たちの傷は深い。『くのいち』と呼ばれる娘もまた、煩悶の日々を送っていた――
人みな寝静まった、ある夜のこと。
「はううう……もう限界だよおぉ」
くのいちが、屋根裏をよろめきながら進んでいる。頬は熟柿のごとく上気し、息も登山でもしているかのように荒い。
彼女は徐晃の屋敷に居候していた。
古志城での最終決戦において、くのいちは徐公明に救い出されていた。生贄として穴という穴から精気を搾り取られ、屋敷に運び込まれたときには半死半生であった。それでも若さのなせる業だろうか。容態は日に日に快方に向かい、今では以前のように所構わず飛んだり跳ねたりしている。
しかしくのいちの肉体にも精神にも、まだ平穏は訪れていなかった。
「んぁ、だめぇ……あぁ、んふううっ」
忍装束の中に両手を突っ込んで、股間に十指を這わせた。年端も行かぬうちから男を知った女陰を、貪欲な手つきでまさぐる。細い指はたちまち、染み出してきた汁にまみれてしまった。
(こんな指なんかじゃ物足りないの……もっと太くて長いので、ズコズコしてよぉ)
数ヶ月にわたった陵辱の後遺症は、凄まじいものがあった。
遠呂智に犯された記憶と感覚が、昼夜を問わず鮮明に甦る。それも、どこか懐かしい思い出となって。自分で慰めてみても、疼きは収まるどころかひどくなるばかりだった。かといって誰彼構わず交わるほど、彼女も堕ちてはいない。
「じょ、徐晃のおじさまが悪いのよ。こんな据え膳に、はひっ、手をつけないんだからぁ!」
今度は命の恩人に、理不尽な怒りをぶつける。
徐晃は確かにいい人だし、なかなか渋い顔立ちも彼女好みである。しかし、色事には恐ろしいほど淡白だった。忌避していると言ってもいい。この小悪魔をほったらかしにして、朝から晩まで修行三昧と来ている。
健康な少女の欲求不満は溜まりに溜まっていた。そして、間もなく爆発する。
「お邪魔しま〜す……」
天井の板を外し、くのいちは徐晃の寝室に音もなく降り立った。素足で。
闇の中、生白い裸身がぼうっと浮かび上がる。すでに、その身には何も帯びていなかった。屋根裏から降りる直前、空蝉の術で忍び装束を脱ぎ捨てていた。それほど、彼女は犯る気に満ち溢れている。
相変わらず肉付きは薄いが、肌のきめは以前にも増して細かくなっていた。一本筋だった局部からも、鴇色の花弁が少しずつはみ出てきている。その花びらは既に露にまみれていた。闇に降り立った淫魔と言うべきだろうか。
質実剛健な武人の部屋らしく、物は少なく整然としている。それだけに壁に立てかけた牙断の巨大さが際立つ。
寝巻きを着け、大の字になって、徐晃は安らかに寝息を立てている。これから起きる喜劇も知らずに。
「では、おじさまの持ち物拝見、といきますか♪」
獲物に立て膝でにじりより、侵入者は徐晃の着物の裾をするすると捲り上げていった。下帯の中に手を忍ばせ、剛物をしっかとつかむ。非勃起状態にもかかわらず、それはくのいちの片手に余る大きさを誇っていた。喉が鳴る。
「おおう、ご立派ぁ。それじゃ、いっただっきまーす」
とうとうくのいちは、陽物を勝手に露出させてしまった。立派な体格に見合う巨根は、しかし先端がやけに初々しい色をしている。いい年をして未使用であった。
乾いた両掌で竿を優しく包み、上下にしごきはじめた。手は蟻の門渡りや袋の裏筋といった、敏感なところに伸びていく。しかし、今ひとつ硬くならない。意識がないから当然なのだが。ならば。くのいちが口を開き、舌をだらりと出した。
「にゃはあぁん……大きくなれよ、オ××ポぉ……じゅる、ちゅばっ」
舌先で鈴口を舐めまわしてから、ゆっくりと剛直を口内に迎え入れていく。
「ん……んむ……」
いやらしく舌を使いつつ、奥まで飲み込んでいく。さらには頬をすぼめ、一息に吸い立てた。
(う!……な、何なのだ。拙者の股座から、えもいわれぬ心地よさが……)
若くして熟練された刺激に、さすがの堅物も眠りを破られた。頭を力なく振りながら起き上がろうとする。その視線の先に、若い女が全裸でうずくまっていた。徐晃の目が、驚愕に見開かれる。
「そなたっ! まさか、拙者の寝首を掻きに!?」
何でこれから寝首を掻こうとする人間が、男の股間に顔をうずめるというのか。徐公明、勘が鈍い。
くのいちは肉棒から口を離し、徐晃を見つめた。瞳が、泣き出しそうに潤んでいる。
「お、お願い……人助けだと思ってぇ! あぁん、徐晃さんのこれ、すっごく立派ぁ! 挿れさせて、ハメハメさせてっ!」
あられもないことを次々に叫びながら、くのいちはなおも手を休めない。その一方的な愛撫は、徐晃にはあまりに強烈だった。
「うおおお!? 煩悩退散、煩悩……ぬおお、後生でござる、勘弁をっ」
布団の上で無様にのけぞり、足指を先まで突っ張らせていた。反撃すらしようとしない。自分の方を向いた亀頭の先から、先走り液がとろりと滴る。竿はギンギンに硬直し、表面に青筋が浮かんでいた。その威容に、性欲の虜となった娘はうっとりとした視線を向ける。
「おじさま、素敵〜♪ さ、極楽浄土へご案内しちゃうのだ、にゃは」
大の男が、年端も行かぬ娘にやすやすとまたがられてしまった。天井を向いて聳え立つ剛直が、くちゅりという音と共に秘裂と接触を果たす。
「や、やめよ! 女性たるもの、操は大切に」
そう言いながらも、徐晃はくのいちの裸体から目を離せない。丘のような乳房が、宵闇の中でやけに美しく思えた。
「にゃはああぁんっ!!」
「ぬわああ――!?」
徐晃の抗議も聞かず、くのいちはズン、と腰を落とした。経験のない逸物を、無数の襞が擦り上げる。
「いい、いいよぉ! あひ、ふうぅんっ! 徐晃さんはどう? 気持ちいい!?」
「これはあぁ! な、何なのだ」
荒馬でも乗りこなすかのように、前後左右に腰をくねらせ、くのいちは久々の快楽をむさぼった。
小柄な彼女の、狭く絡みつくような膣壁に、童貞の徐晃が長く持つはずもない。重力に逆らって、尿道口の中を熱いたぎりが駆け抜ける。慌てて丹田に力を入れても、遅い。
「こ、こ、これが我が極み……うっ――! おっ、おおお……」
あっけなく精は堰を切った。情けない悲鳴と共に、白濁の噴火が女体を焼き焦がしていく。
「んんっ、出てる出てる、こんなにたくさん……♪」
最深部を叩く奔流に恍惚となりながら、くのいちは徐晃の厚い胸板に倒れ込んだ。
「……正直、ゴミン。自分じゃどうしょうもなかったのでございまする……」
布団の上で、くのいちはペコペコ土下座していた。さすがに自分のしたことが、少しは後ろめたいらしい。
「そなたに罪はござらぬ、すべては遠呂智の罪。拙者、武の道に女性(にょしょう)は不要と存ずるが、拙者の一物がそなたを救えるというのなら……そ、その、修行の妨げにならぬ程度には」
一糸纏わぬ彼女から90度視線をそらしたまま、徐晃はつとめて淡々と語りかけた。不器用だが優しい言葉で。
たちまち、くのいちの顔が輝いた。
「ホントに!? 徐晃さん、優しいっ!」
くのいちは純朴な武人に飛びつき、頬に口づけた。唇の柔らかさを感じ取り、徐晃は耳まで真っ赤になる。
(拙者もまだまだ修行が足りぬ……)
この後、徐晃は恥をすすぐべく女人修行を始めた――か、どうかは分からない。
完
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
遠呂智の淫謀 くのいち編
くのいち×小喬
ねね×くのいち
Written by◆17P/B1Dqzo