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遠呂智の淫謀 くのいち編

 あられもない姿となったァ千代・星彩・祝融を先頭に立て、遠呂智軍は趙雲ら反乱軍を撃退。
古志城に凱旋した。
 遠呂智の毒牙にかかった女たちの多くには、夫や肉親、恋人がいる。皆一様に、遠呂智への
怒りを胸に秘めていた。ある者は反遠呂智の活動を激化させ、またある者は依然遠呂智の下で
戦いながら隙をうかがっている。しかし、もし戦場で彼女たちが、遠呂智の兵として向かって
きたら……本気で殺せる男などいなかった。

「これで八人。遠呂智様が、どんどん強くなるのはいいんだけど」
 古志城のすべてが、不気味な建造物というわけではない。妲己の住む館だけは、彼女好みの
小綺麗なつくりをしていた。
 その食堂で、妲己は大きな器に箸を伸ばし、新鮮な刺身を味わっている。
「私のやることがなくなるのもつまんないなぁ」
 このままでは、反乱軍を自分の手でいたぶることも、奸計をめぐらすことも必要なくなって
しまう。遠呂智以上に、この悪女は征服への過程を楽しんでいた。
 もちろん、欲望のままに生きられる世界を作り上げたい。結局そのためには、遠呂智の
力が欠かせない。何とも悩ましい。
「きゃぁんっ!」
 突如、器が甲高い悲鳴を上げた。一糸まとわぬ小喬が、器になっていた。丘のような胸から腹、
下腹部にいたるまで、刺身を乗せられている。その一片を、秘園に箸で挿入されていた。
 凹凸の少ない少女の身体は、女体盛りにうってつけだった。それを尻の菊門まで清め、
氷で冷やす。淫らなことなら何でも試してみる妲己の貪欲さには、呆れるほかない。
「ねえ、あなたもお姉さんと楽しく遊びたいでしょ?」
「え、お姉ちゃん? 誰、だっけ……」
「ありゃ」
 うつろな目をして、小喬が首をかしげた。遠呂智に犯されたときから、彼女は一切の過去を
失っていた。たとえ大喬と会ったとしても、赤の他人としてふるまうだろう。
(少しだけ、記憶を戻してあげようかしら。姉妹の感動的な再会も見ものだし♪)
 いまだ硬さの残る肉壺の中で、刺身をかき回す。小喬が裸体をヒクつかせ、刺身がいくつか
肌から落ちた。
「ひっ! やん、妲己様激しいよぉ」
「暴れないの。赤ちゃんの部屋、箸で破るわよ?」
 冗談には聞こえない一言で、小喬の動きはピタリと止まった。
 取り出された刺身は、ねっとりと愛液にまみれていた。妲己の舌に乗せられると、瞬く間に
とろける。頬も落ちる味わいとはこのことか。
「ん〜……おいし♪ さてと、そろそろ、私も頑張ろうっと。女の子も、まだまだ必要だしね」

 そして今日も娘がまた一人、近隣から古志城にさらわれてきた。後ろ手に縄をかけられ、
青白い肌の遠呂智兵に最深部へと引かれていく。
「お願いです、家に帰してください……うるうる」
 目に涙を溜め、消え入りそうな声で哀願する。もちろん、兵は聞く耳など持たない。
 ずいぶんと小柄な娘だった。恐らく小喬よりも背が低い。年も小喬より下だろう。
髪は一見短く切り揃えているように見えるが、後ろで結い上げ、華美というほどでもない
かんざしを挿していた。まとった小袖もありふれている。

 魔界そのものの光景が、娘の目に次々と映っていた。
 ここまで来る間にも、濃姫と祝融が下半身を壁に埋め込まれ、飾られているのを見た。
壁の中では無数の蛇が絡みつき、前後の穴を交代で犯していた。二人とも目をつぶったまま、
切なげに吐息を漏らしていた。呼吸に合わせて揺れる、四つの特大の乳房が悩ましかった。

 また、ある部屋の中では、ァ千代と星彩、月英が狂宴に興じていた。
 ァ千代と星彩は乳輪を青い鱗で隠し、月英は絹の前掛けを首にかけているだけ。
いずれも服としての機能を果たしておらず、裸体を飾る破廉恥な装身具と化していた。
「ああ、星彩! 柔らかくて、温かくて……心地よいぞっ」
 ふかふかの褥の上で、ァ千代が星彩に覆いかぶさっていた。二人の姫割れを双頭の張型が
繋いでいる。遠呂智のモノを模した張型は使用者の肉体と一時的に融合し、女では味わえなかった
快感を与える。
「星彩も我慢するな……ほら、ほら」
「あぅ、あうっ! ぎ、ァ千代……素敵っ」
 そっと髪を撫でてやりながら、ァ千代は小刻みに星彩を突く。星彩もそれに応えて脚を
巻きつけ、張り型を奥まで導く。二人が乳房を押し付け合い、先端を擦り合わせる様は、
激しくも艶めかしい。
 横で見ていた月英は、自らの発明の出来に満面の笑みを浮かべていた。
「うふふ。お気に召していただけたようですね。では私も、ご相伴に」
「え……月英殿!? 立花は、そっちは、まだ」
尻の谷間に剛直を感じ、ァ千代は慌てて振り向いた。可愛らしい菊門に、小さめの蛇頭が
押し当てられている。前の孔はさんざん遠呂智に嬲られたァ千代も、後ろは未経験のまま
取っておかれていた。欲情した発明狂は、ァ千代の第二の処女で発明の成果を確認しようと
している。
「ひ、拡がる……ひぃやあぁ!?」
 前からは貫く快感、後ろからは苦痛を伴う拡張感。ァ千代の思考回路はたちまち焼き切れた。
「くうう! 立花様のお尻、よく締まりますぅっ」
 意識を飛ばしたァ千代にしがみつき、月英も陽物から生じる快感を貪った。

「……おい。おいってば」
 女三人の痴態を目の当たりにしながら、娘の目は、異常に冷めていた。何でも見て、
覚えようとしているかのようだった。肝が据わっているという程度の話ではない。

 娘はさらに奥へと連れて行かれる。やがて目の前に巨大な門が現れ、ひとりでに
開け放たれた。その先には、真の魔界が待っていた。
 だだっ広い空間の中央に、巨躯の魔王が仁王立ちしている。半裸の女を抱きかかえ、
異形の巨根で下から貫きながら。
「はおぉう! イイよお前様ぁ! 濃いのいっぱい、あたしに注いでぇ」
 手足を極細の鎖帷子で包んでいるだけのねねが、上下に揺すられ、奥まで突き入れられている。
先ほどからたっぷりと、白濁液を注ぎ込まれていた。逆流した毒液が、結合部から床に滴り落ちる。
 肉人形にされて以来、ねねは遠呂智の放出を積極的に受け止めていた。妊娠を渇望する
心だけを残され、増幅されていた。
 出されているのは毒液で、決して妊娠には至らない。ねねはそれも理解していない。
遠呂智は愚かと思いつつも、好きにさせていた。
「来たか」
 遠呂智が、娘の姿を認めた。意思を持った陽物が、自らズルリズルリとねねの胎内を抜け出す。
毒液と愛液が混ざり合い、引き抜かれたときにはあからさまな粘着音が響いた。
「アッ……お前様、抜かないで。もっと……赤ちゃんできるまでナカに出してよ……」
「子、か。相変わらずだな、貴様は。いずれ、時が来よう」
未練たっぷりに腰を揺らすねねと、娘を連れてきた兵を下がらせ、遠呂智は娘と向かい合った。

「待たせたな。贄よ」
 しゃがんで、娘の顔を覗き込む。魔王は、顔色を別にすれば実に整った顔立ちをしている。
それでも普通の娘なら見とれてなどいられない。
「きゃーっ、怖い、怖いよぅ」
 娘は金切り声を上げてのけぞったが、どうにもその反応がわざとらしい。
「怖い? 貴様は、この世界を生きるには弱すぎる。せめてわが糧となるがよい」
 遠呂智は気にも留めず、両目をカッと見開いた。左目から紅の、右目から碧の光が発せられ、
娘を毒々しく照らす。
「いやぁ、やめてよして殺され……はにゃああ?」
 光を浴びるうち、恐怖に引きつっていた娘の顔が、変わっていった。風呂にでも入って
いるような、穏やかな表情へと。人の心をいいように操れる遠呂智にとって、娘が何を企んで
いるかなど、どうでもよかった。

「お願いしますぅ……どうぞ存分に、あたしを食べてくださぁい」
「クク……人とは、脆い」
 遠呂智が、娘の小さな唇を奪う。舌を絡めると、娘の半生の記憶が流れ込んできた。
それも口吸いの目的だが、最近の遠呂智は口吸いという行為自体を楽しんでいる節があった。
 娘は、少なくとも初めての口吸いではないらしい。遠呂智の舌から逃げたり、積極的に
応じてみたり。その動きに、日頃の性格がうかがえた。
 唾液の糸をかけつつ、二人が唇を離す。娘は期待でさらに頬を赤くし、魔王の言葉を待った。
「はふぅ……遠呂智様、次は?」
「貴様のすべて、我に見せよ」
「はぁい……」
 遠呂智の意を察し、娘が帯に手をかけようとしたその時。
 彼女の目の前で、遠呂智が人さし指を上から下に一閃させた。
 一瞬の間をおいて、真っ二つに切り裂かれた小袖と襦袢が、床にはらりと落ちる。そこに
娘の姿はなかった。よく見れば、切れるはずのない白足袋までが残されている。
「じゃっあね〜ん♪」
 魔王の頭上で、出し抜けに娘の声がした。

 服だけを残して脱出したくのいちが、一糸まとわぬ姿で宙を舞う。無駄なく引き締まった
肢体に、女らしいふくらみを帯び始めている。もちろん、今の彼女は服の有無など気にしない。
任務を果たすことしか頭にはなかった。
 くのいちは、遠呂智の背後を見事に取った。飛びつき、隠していた苦無を喉元に突きつける。
「んふふー。そう簡単に術にはかからないくのいちちゃんなのでした。さて遠呂智の旦那、
取引と行こうぜぃ」
「……フ」
 遠呂智の口から、命乞いではなく、不敵な笑い声が発せられた。
「取引、駆け引き。弱き人間の考えそうなことだ。遠慮するな、殺ってみるがいい」
「いいの? いいのだね? それじゃお言葉に甘えて……」
 苦無の刃が、遠呂智の喉笛を掻き切ることはなかった。

「あれ、動けない!?」
「こら! おイタはダメだよ〜」
 くのいちの真後ろから、ねねの声がする。姿は見えない。万一に備え透明化し
控えていたねねが、くのいちを羽交い絞めにしていた。くのいちのむき出しの背中に、
ねねの豊乳が直に押し当てられる。こんなに重いものをぶらさげて忍をしているのかと、
くのいちは素直に驚いていた。
 口づけしたときに、遠呂智はくのいちの記憶を読み、すべてを見破っていた。実力を確
かめるため演技に付き合った。そしてくのいちは、期待を裏切らなかった。
「ちょ、待っ」
「お仕置きだよっ!」
 曲者をかかえたまま、ねねは後方に宙返りで飛んだ。いつもなら、ここで頭から叩きつける
ところだが、大切な遠呂智の贄を殺すわけにはいかない。網に包まれた足で、音もなく着地した。
 透明化が溶ける。女忍者二人が、立ったまま裸体を絡ませていた。成熟した人妻のねねと、
発育途上のくのいち。二人の対照的な身体つきが、一目瞭然となっている。
 くのいちの乳房は形は良いが、まだまだ肉付きが薄い。乳首が埋まっていることで、
いっそう幼さを強調している。股間にいたっては、無毛の一本筋だった。花びらも
はみ出していない。
 しかし人の数だけ嗜好がある。この青い果実にたぶらかされた男も多かろう。遠呂智は
幼女趣味ではないが、強者であれば年齢などかまわなかった。

「その術、その身のこなし。貴様も、無双の力を持つか」
 再び、遠呂智の両目が輝いた。術に対抗して心を凍らせる時間が、今度のくのいちには
なかった。禍々しい光に意識が引きつけられ、朦朧としていく。
「やばっ……こうなったら、おさらば……」
 所詮は軽い命である。とっさに舌を噛み切ろうとしたが、既に口を閉じる意思さえも
持てなくなっていた。
(参ったなあ……あたし、こいつにいいように使われちゃうよ……でも、お仕事はもうしたし〜)
 仕事。自分が見た城の内情は、他の忍たちによって古志城の外に伝えられるだろう。
くのいちの脳裏には、続々と古志城を目指す武将たちの姿が描かれていた。幸村が十文字槍を構え、
稲姫が弓を引き絞り、徐晃が大斧を振りかざす。
(そこで何で徐晃さんが……ま、後はヨロピク、ね……)
 居眠りでもするように、くのいちの頭が前にガクリと垂れた。小悪魔のように鋭く輝いて
いた瞳には、何も映っていなかった。
「うん、いい子になったね。それじゃ、ガンバるんだよ♪」
「アンッ……」
 同業者のささやかな乳房と下腹部を、ねねは優しく撫で回す。最後に口づけると、半裸
の女忍者は煙を残してその場から消えた。支えを失ったくのいちは立っていられず、
その場にぺたりと尻餅をついた。だらしなく投げ出された脚の奥に、贄となる一本筋がのぞく。

「調べさせてもらおう、貴様の価値を」
 遠呂智の鎧の鱗が何枚か剥がれ落ちる。それらは空中で小さな蛇に変化すると、呆然と
しているくのいちの上に音もなく乗った。生贄の情報を得るため、蛇は口へ、胸元へ、股へと
這っていった。
 おしゃべりの過ぎた口が、半開きになっている。一匹はその中へズルリと潜り込んだ。
「ん……んむううぅっ……」
 くのいちは吐き出そうともせず、ただくわえている。少女の口から蛇の尻尾が飛び出し、
踊り食いでもしているようにうねる。
 胸元の二匹は、陥没していた乳首を舌先で弄る。勃起させた先端に噛み付くと、そこから
だらりと垂れ下がった。楚々とした胸乳が、卑猥に飾られる。
 そして無毛の割れ目にたどり着いた一匹が、舌先でチロチロと陰核を舐め、酸っぱい潤滑油を
分泌させる。申し訳程度に潤ったところで、鼻先を突き入れた。
「んあっ」
 くのいちは首を力なく振ったが、抜こうとするでもない。割れ目からはみ出した蛇の尾が、
男根のようにひくつく。雛人形のように動かない女体の上で、五匹の蛇たちがせわしなく
情報収集に動いていた。
 やがて、くのいちの歯の一本、肉襞の一つまで調べつくした蛇たちが、遠呂智の元に戻る。
魔王の口元に、満足の笑みが浮かんだ。
「なるほど、良いものを持っている。この娘で試すとしよう……フオオオッ!」

 文字通り、八人の女の股を同時に貫ける陵辱器官『ヤマタノオロチ』が、咆哮とともに
姿を見せた。目も牙も鱗もない八匹の大蛇が、股間でうねり、荒れ狂う。
 中でも、星彩の精気を吸って最後に作られた大蛇は、最も堂々たる外見をしていた。
太さ・長さとも、他の七匹を一回りほど上回っている。くのいちがどんなに場数を踏んでいる
とはいえ、正気でなくてよかったのかもしれない。
 まず四匹が、くのいちの手首足首に絡み、限界まで引っ張る。少女は床に大の字で固定された。
仰向けになったことで、胸がさらに薄く見える。
「貴様はこの大蛇の、初めての女となってもらおう」
「ふぁーい……筆下ろしれすねぇ。光栄ですぅ」
 拘束され、蛇で犯されようとしているのに、くのいちの声は緊張感のかけらもなかった。
 伸縮自在の大蛇が、直立不動の遠呂智からウネウネと伸びていく。太腿の間に入り込むと、
匂いに導かれるかのように秘裂に鼻先をつけた。無毛の二枚貝を割り開き、桜色の洞窟に
狙いを定める。先ほど蛇に調べられたことが、前戯の代わりとなっている。
口吸いしかしていないのに、異常なほどに陰唇は充血し、しょっぱい露にまみれていた。
後ろの窄まりまでもが、ひくひくと収縮する。
「んもぅ、焦らさないでくださいよぅ。最近ご無沙汰なんだからぁ」
「請われるまでもない……ふん!」
「んはあああっ!」
 満を持して、遠呂智はくのいちの幼い女陰を貫いた。一息に、子宮口の寸前までもぐり込む。
小柄な生贄は目を見開いて、弾かれたようにのけぞった。
 出血も、痛みもない。久しぶりの巨根を迎えて女芯が疼き、きつく締まる。この若さにして、
くのいちは男を知り尽くし、女を武器としていた。
「ひゃは、きゃううっ! 壊れそうなこの感覚、たまらにゃい……あれ?」
 涎を垂らして悦ぶくのいちの膣壁に、新鮮な白濁液が浴びせられた。想定外の早さで。
胎内で、大蛇がぐったりと力尽きてしまう。

「何ぃ……」
 若々しい女肉の刺激に耐え切れず、大蛇が達してしまった。いかに立派な見た目で
あろうと、今日が初陣である。打たれ弱さはいかんともしがたい。
(これが、我の肉体だと?)
 遠呂智の感情に、さざ波が立った。濃姫と交わったときも、こんなことがあった。よく
分からないが、自分が雄としてひどく惨めな存在に思えてくる。
 さらに。
「……プ。早きこと風の如し、なんちゃってぇ」
 女の本能なのか。逆らうことなどないはずの生贄が嘲笑したのを、確かに遠呂智は聞いた。
 決定的な何かが切れた。人間以上の高度な理性をもってしても、牙を剥く八匹の狂獣を
抑えられない。身の程を知らない生贄に向かって、蛇たちが殺到する。
「……!!」
 悲鳴を上げる暇さえ与えなかった。口を塞ぎ、細い胴を締め上げ、乳首に横から牙を刺す。
穴という穴から、皮膚から、心を壊す毒が直に注ぎ込まれる。明らかに、適量を超えていた。
命の危険さえ感じるほどに動悸が激しくなり、理由なき多幸感に包まれる。いまだ胎内に残る
大蛇を、くのいちは無数の肉襞を蠕動させて歓迎した。それなくしては生きられないようにさえ、
思える。
 ほどなく魔王の分身は力を取り戻し、ヤマタノオロチにふさわしい責めを開始した。ときには
浅く速く、ときには深く奥まで。見事に張り出した頭部のエラで掘削されるたび、
今までの自分まで突き崩されていく。身も心も、遠呂智の忍へと変わっていく。
(あは、あひいっ……身体が、裂けちゃう……でも、遠呂智様と繋がって眠るのって、
シ・ア・ワ・セ……)
 やがて、毒液が大蛇の口から噴き出し、子宮がいっぱいに満たされる。くのいちという
存在は、その中に溶け出して、消えた。

「では遠呂智様、行って参ります」
 大蛇の眼前で、一人の女がひざまずいていた。隠密らしく、顔は覆面で隠されている。
山猫のような目だけが、爛々と輝いていた。履いている足袋も、音を立てないように工夫
されている。
 身に着けていたのはそれだけだった。控えめな乳房も肉付き薄い尻も、完全に
露出している。立ち上がると、濡れそぼつ無毛の一本筋まで丸見えになった。恥じらう様子は
毛ほどもない。
「我に単身挑みし、影よ。これよりは我のための働き、期待している」
 遠呂智に女は無言でうなずき、音もなく前方に飛んだ。しなやかな裸体が、三日月を
背に翻る。その跳躍の頂点にさしかかったところで、突然姿がかき消えた。後には魔王一人が
残るのみ。
 こうして遠呂智はまた一人、極上の贄にして手駒を手に入れた。

 数日後に一人の女が自分の下を去るなど、その時は思いもよらなかった。

くのいち編 完

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くのいち×徐晃
くのいち×小喬
ねね×くのいち

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Written by◆17P/B1Dqzo