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遠呂智の飼い犬となった祝融は、自ら先頭に立って南蛮軍に襲いかかった。祝融相手に
本気を出せるはずもなく、孟獲らは闇夜にまぎれて逃走。南中一帯は遠呂智の支配する
ところとなった。
そうとも知らず、南中に来た者たちがいた。趙雲らが、成都から妲己を追ってきていた。
その中には上田城から付き従う、張飛の娘・星彩の姿もあった……
「く……暑い」
狭い幕舎の中で、星彩は何度も寝返りを打っていた。広い額や、色白で滑らかな乳房の
谷間を、不快な汗が伝い落ちていく。
身を、清めたい。年頃の娘なのだから、そう思ってもおかしくない。
すでに夜も更けている。こんな時間に一人で陣を離れるのが危険であることは、彼女も
十分理解している。
だから、眠ろうと努力はした。しかし蒸し暑さと、虫たちの鳴き声のやかましさは、
忍耐の限度を軽く超えていた。
それからしばらく、芋虫のようにのたうち回った末。星彩は肉体の欲求に負けた。
寝ずの番をしている兵の目を盗み、忍び足で宿営を離れる。さすがに丸腰ではなく、
手には愛用の二又矛が握られている。
見上げれば、成都で見たのと変わらぬ満月が、中天にかかっていた。足元が見える程度には、
星彩を照らしてくれる。すねまで届く雑草をかき分け、先を急いだ。
（確か、このあたりだったと思うけど……うん、やっぱり）
不安と暑さで険しくなっていた顔つきが、わずかに緩んだ。小さいけれども清らかな湖が、
星彩の目の前に広がっている。
設営に水場は欠かせない。毒の泉などが当たり前のようにある南中の地ではなおさらで
あるから、日中やっとの思いで見つけ出していた。
ひんやりとした空気が湖面から立ち上ってきて、すぐにでも飛び込みたくなる。しかし
慎重な星彩は、安全の確認を怠らない。湖畔を一周し、脇に生えた草むらにまで目を光らせる。
それが終わってやっと安堵のため息をつき、鎧に手をかけ始めた。
鎧と言っても、布を中心としているから薄くて柔らかい。重厚な金属音ではなく、衣擦れの
静かな音だけが闇の中に響く。髪飾りや首飾りも外すと、星彩は自然のままの姿となった。
月光を浴びて、透き通るような裸体が淡く輝く。シミ一つない白い肌や、滑らかな身体の
線を見た者は、彼女が最前線に立っているなど信じがたいだろう。
矛を片手に、星彩は爪先を湖水に沈ませた。奥へ奥へと進んで行き、腰まで浸かったところで、
冷たい水を肩からかける。美しく発育した乳房が、彼女自身の手で艶やかに濡れ光っていく。
もちろん水中の下半身も、念入りに汚れを落としていった。薄めの恥毛の奥に
指が沈み込み、繊細に動く。
ほどなく、身を清めるという当初の目的は果たされた。しかし、それだけではせっかくの
機会が惜しい。星彩は上体を倒して仰向けに浮かび、それからゆっくりと背泳ぎを始めた。
ツンと上を向いた乳房が、さながら双子の島のように水面に浮かぶ。頂は乱暴にすれば千切れて
しまいそうなほど小さく、淡い。泳ぐのに合わせて、恥毛も水中で藻のように揺れる。
（たまにはこんなのも、いい……）
少しの間は深く澄んだ瞳で満月を眺めていたが、やがて目を閉じ、水との一体感を楽しみ始めた。
日頃、あまりに多くのものを背負っている少女も、このわずかな時間だけはすべてを忘れていた。
それが、命取りとなるとも知らず。
星彩が確認したはずの茂み。そこに一人の女が潜んでいた。ほとんど裸で、わずかに
乳輪と股間を極小の装甲で覆っている。身体のいたるところに、蛇の刺青が彫られていた。
普通、こんな格好を平然とはできない。女の瞳には光がなく、まともな精神状態でないことを
如実に物語っていた。
「甘い……」
星彩の注意が途切れたのを、立花誾千代は離れていても容易に見て取った。茂みから湖の
ほとりまで、這って近づいていく。その手には稲妻を呼ぶ奇跡の剣。雷切が握られていた。
雷切はその名の通り、徐々に電光を刀身に帯び始めた。バチバチと空気を焦がすような
音が鳴る。誾千代は無言で、その切っ先を湖面に沈める。そんなことをすればどうなるか。
一瞬の後に、答えは出た。
「うあぁ――――！？」
肉体が弾けてしまうのではないかと思うほどの衝撃が、湖上の少女に降りかかった。
いくら頭で命じても、指一本動かせなくなる。間の悪いことに、そのとき星彩は息を吐き
きっていた。
浮き続ける力を失った身体が、湖面から消えた。それを見た誾千代は、迷うことなく
雷切を放り出し、湖に飛び込んでいた。若鮎を思わせる洗練された泳法で、水をかき分けていく。
（重いな……）
立派な美巨乳に生じる抵抗が、地上以上にわずらわしい。
まもなく、沈み行く星彩を見つけた。抱きついて、見た目以上の膂力で抱えあげる。
脱力した人間は普段以上に重く感じられるはずだが、難なく岸まで運んでいく。
水辺に引き揚げると、誾千代は星彩をそっと横たえた。
星彩は気を失い、だらりと手足を投げ出していたが、命に別状はないようだった。
「星、彩……久しいな……」
ふっくらした唇には、慈愛に満ちた微笑みが浮かんでいた。遠呂智と妲己によって、
ほとんどの記憶も人格も消されている。それなのに、誾千代は星彩のことを覚えていた。
だが、身体を拭いてやることも、服を着せることもしない。覆いかぶさって星彩の顔に
自分の顔を近づけ……肉付き薄い唇を奪った。
湖水に濡れた表面を舌でなぞってから、中にこじ入れ、星彩の小さな舌を絡め取る。
「あむぅ……ふふ、飲んでくれ……」
口の中で溜めていた唾液を、星彩の口腔に流し込んだ。吐き出すこともできず、喉の奥が
誾千代の唾液で満たされていく。
「かは、けほ、げほげほっ」
息苦しさにたまりかね、さすがに星彩も目を覚ました。事態の異常さにもすぐに気付く。
一糸まとわぬ自分が、裸同然の女に組み敷かれ、唇を奪われている。
（初めて、だったのに）
しかも相手には見覚えがある。軽くはねた短髪、凛とした顔立ち。
（立花、生きていたのね……遠呂智に支配されて）
虚ろな瞳や、頬にまで刻まれた蛇の刺青を見れば、彼女が以前の誾千代でないことは
すぐに分かった。胸の奥が、キリキリと締めつけられる。
誾千代も、星彩の目を見ただけで、言わんとしていることを察した。口吸いをやめ、
恍惚とした顔で星彩を見つめる。
「遠呂智様は、新たな自分を与えてくださった。立花ではない、女としての私を。嗚呼……
女として、あの方にお仕えする以上の幸福など、あるものか」
己の言葉に酔いながら、誾千代は星彩の肌に指と舌を這わせる。喉元を子猫のように舐め、
それから徐々に身体を下にずらしていく。
「だから貴様も、無意味な抵抗はやめよ。遠呂智様と繋がるための支度をしてやる」
「……やめて」
そう言われて、やめるはずもない。柔らかな草の上で寄り添いながら、誾千代は乳房への
愛撫に移る。
「ん……これが貴様の乳肌か。良い香りだ……好ましい……」
「は、ふぅ……」
谷間に顔を埋め、赤子のように無心に揉む。
「ちゅぷ、ちゅぱっ……美味だ、星彩はどこもかしこも」
淡い頂を口に含み、吸い立てる。舌遣いもやはり赤ん坊のようで、そのひたむきさに、
星彩はなぜか抗う気持ちを挫かれた。
（今の彼女が、もう元の姿でないことは……分かる。でも、それが本当に悪なの？
分からない、分からなくなってる……）
そもそも、星彩には誰かと肌を重ねたことすらなかった。憎からず思っていた
相手に施される行為は、決して不快なものではない。それに、
（綺麗……あの鎧の下が、こうなっていたなんて……何を考えているの、私は）
裸同然の誾千代と肌が触れ合うたび、星彩の胸は妖しく高鳴った。たわわに実り、静脈の
透ける巨乳は、同性だろうと官能美を感じずにはいられない。いつしか、それに手を添えていた。
誾千代は星彩の胸を可愛がりつつ、片手を下へ下へと伸ばしていった。ヘソを通過して
しばらくすると、さりさりした感触が手に触れる。
「貴様も、立派に生やしているのだな」
量も長さも控えめとはいえ、無毛の誾千代にとっては生えていること自体が羨ましい。
陰毛を一本一本、興味深そうにいじった。
それからたっぷり時間をかけ、誾千代は女の中心には指一本触れないまま、星彩を悶えさせ
続けた。
初めての体験に、星彩の自制心が音を立てて崩れていく。何も言わないが、瞳を潤ませて
誾千代を見つめている。脚は軽く開いて腰を浮かせ、さらなる行為を欲しているのがよく分かる。
その様子を見て、誾千代は己の唇を舐めた。
「もっと……心地よくしてやる」
あえて答えを聞くことなく、顔が星彩の秘裂に来る位置まで、ズルズルと身体をずらしていった。
「そこは……汚い」
頬をわずかに染めて、星彩が誾千代にそれだけ告げた。口を利けるということは、身体も
ある程度動かせる。なのに、逃げはしなかった。自分では善悪を判断できないと考えた時、
少女はその身の処遇を相手に委ねていた。
「構うものか」
さらに脚を大きく開かせ、誾千代は星彩のすべてを目に焼き付けた。
割れ目は小さく、花びらもほとんどはみ出していない。だが表面は確かに露に濡れ、
誾千代を待っていた。
「さあ……悦べ、星彩」
水を飲む犬のようにだらりと舌を伸ばし、誾千代は星彩の処女泉に口づけた。淫豆から
会陰付近まで舌を往復させ、花弁をついばむ。
「う……あ、あぁっ、嫌、嫌」
首を振るが、それ以上に拒絶はしない。戸惑っているのだろう。それが証拠にしばらくすると、
とろりとした恥蜜が分泌されはじめた。それを奥まで味わうべく、誾千代は舌先を尖らせて
挿し入れ、未開の秘園を存分に嬲った。
「あんっ、ああ！ 立花、私、もう」
妲己仕込みの舌技に、生娘である星彩が長く耐えられるはずもない。背中や尻が土で汚れるのも
構わず身をよじり、腰はなかば勝手にカクカクと振られていた。満月の下での淫らな宴も、
終わりが近い。
「そうか。優れた戦士は、良き反応を示すのだな。立花は……嬉しい」
それこそ豆粒のように小さな陰核の皮を、そっと剥く。剥き出しになった快楽器官を、
一舐め、二舐め。
それだけで星彩は、瀕死の獣のように跳ねた。
「くああ！ な、何……正直、はぅ！ ありえ、ないっ」
ほんとうに、ありえなかった。自分でも見たことのない部分から、真っ白になりそうなほどの
狂おしい快感が生じる。涙でにじんでいた視界は、さらに焦点が合わなくなっていく。
もう何も、見えない。ただはしたなく体液をすすられる音が、うるさいくらいに耳に響く。
「な、何かが来る、殺される、誾……千代ッ」
星彩の口から自分の名を聞いた瞬間。誾千代は愛すべき突起を今までで一番強く、
優しく吸い立てた。
手で雑草を引きちぎりながら、星彩は生まれて初めての高みに昇りつめた――
「駄目っ」
「ふふ、良いのだろう？ 素直になれ」
誾千代の腕の中で、星彩がまた余韻に震えた。全裸のまま姫君のように抱かれ、密林の
抜け道を運ばれていく。その間にも、誾千代は星彩の唇や頬や乳首に、口づけの雨を降らせた。
行き止まりに突き当たると、誾千代は硬く冷たい床の上に星彩を横たえた。今までの甘い
時間が急に終わりを告げられたようで、星彩は不安げに視線をさまよわせた。
その時、空間の一部が奇妙に歪んだ。歪みは徐々に一つの形を成していき、やがて魔王・
遠呂智の巨体が出現した。すぐさま誾千代が、ひざまずいて頭を下げる。星彩に快楽の手ほどきを
した友は、すでに遠呂智の尖兵の顔に戻っていた。
「遠呂智様……この娘に、お情けを」
「よかろう。貴様のおかげで、これ以上の支度はいるまい」
遠呂智がうなずくと、誾千代はそれはそれは嬉しそうに口元をほころばせた。股間の装甲から、
恥蜜があふれ出している。主の声を聞いただけで、濡れていた。
対する星彩は、歯の根が合わずガチガチと鳴らしていた。『お情け』の意味するところは
明らかで、そこには苦痛しか待っていないことを直感していた。
「やられる、わけには……うああぁ！」
星彩が立ち上がろうとするより早く、遠呂智は両腕で生贄の肩を押さえ込んだ。白い肌に、
真っ赤な爪痕がつく。その痛みさえも、ほんの始まりに過ぎなかった。
星彩の目の前で、遠呂智の股間の装甲が弾け飛ぶ。祝融の精気を吸って七本に増殖した
大蛇が、一斉に飛び出した。
「嘘……これが、私の……」
自分の肌の上でくねる醜悪な爬虫類が初めての相手だなどと、信じたくはなかった。
そのうちの一匹が、愛撫の熱も冷めやらない秘裂に張り付く。
全体重でのしかかられては、華奢な星彩に逃れる術はなかった。その様子を誾千代は、
熱い眼差しで見つめている。新たな仲間が誕生する瞬間を。
生娘の乳酪臭をたっぷり嗅ぎ、薄い花びらを舌先で味見する。愛撫ではなく、生贄の価値を
確かめるために。
「理性の殻に守られた、瑞々しき精気か。フ、殻の壊し甲斐がある」
異形の陽物は少しの躊躇もすることなく聖地に押し入った。指一本しか通らない聖扉が
強引に開かれていく。
「ぐ……はぁ、あがあ……おあ゛あ！！」
星彩は目を見開き、聞くに堪えないうめき声を上げる。やがて一番狭いところが、蛇の
頭を押しとどめた。
抵抗は、征服欲の呼び水となる。
「鳴け」
「イヤ、イヤアアァ――――ッ！！」
遠呂智が身も心も、ズタズタに引き裂いていく。その理不尽な苦痛は、星彩の心から最も
大切なものを奪っていった。希望を。
「存分に、愉しませてもらおう」
「う、ううっ」
遠呂智は人間の真似をして、腰を打ち付けだした。狭く温かい肉洞が分身に絡みつき、
精気が吸い上げられていく。
「ほう、やはり貴様は期待を裏切らぬ。礼だ、受け取るがいい」
胎内で大蛇が口を大きく開け、喉の奥から白濁の毒液を放った。
膣内粘膜から吸収された毒により、精神活動が抑制されていく。星彩の目の光はいっそう
弱々しくなる。
しかも、その叫喚地獄は一匹で終わらなかった。最初の一匹がズルズルと抜け出ていくと、
休む間もなく次の一匹が突っ込んでいき、また膣内に放つ。それを、七回繰り返される。
破瓜の血が七匹にまんべんなく浴びせられる。
「父上……父上……」
いかに自立した星彩でも、親が来てくれたらと願わずにはいられない。とめどなく涙が流れ、
頬を濡らしていた。
その涙を、横から舐め取る者がいる。
「耐えよ。立花の認めた貴様なら、耐えられるはず。ああ、そうやって耐えている貴様が……
好ましい」
たまらず唇を重ねた。星彩の悲鳴はすべて、誾千代の口の中に吸い込まれていく。
星彩は、慈しみを受けながら壊されていった。絶望と新たな希望と毒液が星彩という存在を
満たすころには、父も幼なじみも記憶から消え去っていた。
そして、七匹目がしたたかに毒液を放ち、胎内から抜け出した瞬間。
「ウ……ヌオオオオッ！ ウルアアア！」
急に、遠呂智が唸り声をあげ始めた。股間を見れば、八匹目の大蛇が七匹の蛇たちの中央に
形成されていく。それは今までの七匹に輪をかけて雄々しく、天を向いてそそり立っている。
七匹の娘を生贄にしたというヤマタノオロチ――本来の姿を、遠呂智はついに取り戻した。
「ああ、見るが良い！ 遠呂智様の真のお姿を。貴様の、星彩のおかげだ」
息も絶え絶えの星彩を抱きかかえ、誾千代は歓喜に叫ぶ。
誾千代は新たに出現した蛇頭の前にひざまずいた。ほどなく、股間から粘っこい口唇奉仕の音が
響きはじめる。
「んぐ、はぁあ……遠呂智様こそ、この世界の女たちが心身を捧げるべきお方。立花も、
いっそう励みます……ちゅばっ」
誾千代に奉仕させたまま、遠呂智は己の進化に思いをめぐらす。
（真の姿？ 違うな。我はようやく『元の姿』に戻っただけだ。強者たちをねじふせるには、
まだ足りぬ）
ヤマタノオロチ――それは、通過点に過ぎない。
星彩編 完
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
稲姫×誾千代
関平×星彩
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