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後日談 関平×星彩

 遠呂智の生贄となっていた星彩は、関平の懸命の働きで救い出された。陵辱の果てに消滅していた本来の人格も、遠呂智の血を飲んで奇跡的に甦った。
 だが、彼女の苦難は終わっていなかった。

 古志城決戦からしばらくたったある日。関平は張飛の屋敷を訪ねていた。
「調子はどうなんだ?」
 よく手入れされた中庭を、関平と星彩は連れ立って散歩している。今は春、庭には桃の花が競うように咲き乱れている。
「ええ、だいぶよくなったわ。もともと、大怪我したわけじゃないから……」
「そ、そうか」
 相変わらず淡々と、星彩は言葉を紡ぐ。それが関平には不自然に思えてならない。
 確かに遠呂智のしたことは、ひどい傷を負わせるものではなかった。あくまでも、身体に限っては。
 だが、遠呂智に二穴の処女を奪われ、人格を消され、数ヶ月にもわたって魔王の玩具にされていたのだ。精神的な衝撃は計り知れないはず、それなのに。
「もう少ししたら、軍に復帰できると思う。こんな世界ならなおさら、自分のすべきことをしなければ……くぁ……はぉううっ!?」
 そのとき突然、星彩が喉から悲鳴を搾り出した。かと思うと胸をかきむしり、その場にしゃがみ込んでしまったではないか。
「なっ!? 星彩、どこか悪いのか!」
 関平には、まるでわけが分からない。
「あぁん……嘘、こんなことが……はぁ、ああっ! また……遠呂智が……遠呂智が私の中に……」
「しっかりするんだ。奴は倒した、もうどこにもいないだろう!」
 関平は星彩の肩を強くつかみ、励ました。しかし、目の前の幼なじみは魔王の名を呼び、存在を感じているらしい。
「凄い……お尻もお腹もまた、あの逞しいモノでいっぱいにぃ……」
(お尻もお腹も!? 逞しいモノ、とは!?)
「こ、言葉の意味がよく分からないが……女の子がそんなことを言っては!」
 星彩は頬をほんのりと染め、うわ言のようにつぶやく。あけすけなことをわめきつつ、腰をモジモジとよじる様は、蜀を代表する(?)童貞青年には目に毒もいいところだ。
「はひいいっ!」
 悲鳴とともに、彼女の身体に更なる異変が起きる。白く滑らかな肌の上に、墨のように黒々とした模様が浮かび上がってきた。無数の鱗と、ひたすらに長い体躯を持つ――蛇。まるで遠呂智の亡霊のように、大蛇の刺青が星彩の全身を飾り立てた。
 二の腕や太腿、それに胸元から見える刺青はほんの一部分で、残りは衣の下に潜り込んでいるらしい。
(星彩の胸や腰に、蛇が絡んでいるのか……うおぉ、いかんいかん!)
 その艶姿を思うと、関平は鼻血を噴いてしまいそうだった。それでも手を出そうとしないのは、理性的なのか単なるヘタレなのか。とにかく何もできないまま、時間だけが過ぎていく。星彩の瞳は、刻一刻と光を失いつつあった。

「やはり、この娘も苦しんでいるのかね」
「うわぁ!?」
 いきなり背後で声がし、関平は喉から心臓が飛び出しそうになった。
 そこには竹箒のような、珍妙な頭をした老人が一人立っている。関平も星彩も、彼には面識があった。
「さ、左慈殿ではないですか。いつからこちらに」
「んあぁ……左慈……殿……」
 関平の問いには答えず、左慈は悶える星彩をじっと見つめる。星彩も救いを求めるように、道士を見上げた。
 しばらくして、左慈は重々しく口を開く。
「全身に大蛇の刺青……かの魔王の呪縛が、未だ残っている証拠か。肉体を疼かせ、魂を蝕む。放っておけば、数日にして廃人となろう」
「馬鹿な! せっかく遠呂智を倒したというのに、そんな話があってたまるか!」
 関平は血相を変えて左慈に詰め寄る。一方の星彩は、消えゆく意識の中、どうにか老人に語りかけた。
「その運命は……お断りするわ。教えて。何か手は……ないの……?」
「ふむ。ないわけではない、がね」
 当然といった顔をして、左慈は大きくうなずいた。
「男女の交わりによってかけられた術、解くのもまた交わりのみ」
 要するに抱かれろという話である。相当に乱暴な話だが、房中術の達人たる左慈が言うことに間違いはない。
「ただし、心よりの交わりでなければ意味を成さぬ。どうするね、張翼徳の娘よ」
「……そうね」
 星彩の熱っぽい視線が、傍らに立つ青年へと向かう。関平は口をあんぐりと開け、自分を指差した。
「嫌?」
 星彩の顔が、わずかに曇る。関平は今度は、ぶんぶんと首を横に振った。
「そ、それが、星彩を助ける唯一の法であるならば。しかし拙者はまだ、その」
「太古より繰り返されし、人の営み。本能がそなたらを導こう。では、小生はこれにて」
 左慈は煙とともにかき消えた。
 残された二人は、顔を見合わせるしかなかった。

 いくら命がかかっているとはいえ、人目につくような場所でやるわけにはいかない。下手をすれば、関平が張飛に成敗されかねない。二人は納屋に忍び込んでいた。
 身動きままならぬ星彩の脱衣は、関平が手伝ってやる。
(ああ、だんだん見えてくる。今まで、想像しかしたことのないところが、全部)
 想い人の服を脱がせるというだけで、関平は立ちくらみしそうだった。
 関平自身の服は、自分でてきぱきと脱ぎ捨てていく。やがて二人とも、一糸纏わぬ全裸姿になった。布団代わりに敷きつめた、藁の上に共に横たわる。格子窓から差し込む陽光が、少女の裸身を遠慮がちに照らす。
「あまりジロジロ見ないで……正直、引くと思うから……」
 さすがの関平も一瞬ぎょっとした。何匹もの蛇どもが、星彩に絡みついているように見えたからだ。目が慣れてくると、それは肌に浮き出た模様だと気づく。首から下、それこそつま先まで、がんじがらめにされている。
「気持ち悪いでしょ……」
「綺麗だ……」
 関平は思ったことを、素直に口に出していた。星彩が刺青を入れるような娘ではないからこそ、今の姿がひどく艶かしい。
「たとえ星彩が一生このままでも、拙者の想いは変わらない」
 関平は星彩をまっすぐ見つめて語りかけた。不思議と滑らかに言葉が出てくる。星彩が目をつぶる。関平は吸い寄せられるように、その唇を奪っていた。

 拙い接吻が終わると、関平はあらためて星彩の身体を眺めた。やはり、縦横に走った蛇の刺青に、好奇心をそそられる。
 とりあえず無難なところで、首筋に口づけてみた。特段変わった感触があるわけでもない。
「んっ……ふ……」
 それだけでも、星彩はくすぐったそうに鼻を鳴らす。
 一度口を離してみて、不意に関平は気付いた。舌を這わせたところの蛇が、水に溶けたように跡形もなく消えている。
「あ、消えてる……星彩、拙者が舐めると蛇が消えていくぞ!」
「そう、なの……信じられない。でも、信じさせて」
「ああ、信じてくれ!」
 呪いを解いているように思えて、関平は夢中になり始めた。
 乳房には螺旋を描いて巻きつき、乳首を甘噛みするように蛇の頭が描かれている。それに沿って、関平は星彩の美乳を麓から賞味していった。さすがに菓子のような味はしないものの、舌触りは極上である。関平はそれを美味しいと形容できた。
 徐々に、乳肌は本来の清純な美しさを取り戻していく。やはり、無垢なる素肌に勝る美しさはなかった。
(こんな蛇に、拙者の星彩を取られたくない! 左も右も、拙者の物だ)
 蛇を押しのけるように、顔を埋めて乳首へ吸い付いた。口の中で転がすと、むくむく屹立してくる。
「ふあぁ……ン! ぅんっ! 関平、関平……」
 星彩も目を閉じて、与えられる快感に集中していた。

 それから、長い脚を一本ずつ、足の裏まで舐めていった。かなりの重労働だったが、星彩が元に戻るのなら苦労とも思わない。
「後ろも、いいかな」
 乞われるまま、星彩はうつ伏せに転がった。無防備な後ろ姿も、前面に負けず劣らず魅かれるものがある。
 すっと伸びた背骨に沿って、蛇が下へ下へと這っている。
(こ、この先は、ひょっとしなくても)
 引き締まった尻肉の谷間に、蛇が潜り込んでいる。
 行く先を確かめようと、尻たぶに手をかけた。
「そこは……」
「ごめん、蛇が描かれてるみたいだから」
 恥ずかしすぎる思いをさせていることに謝りつつ、開いてみる。やはり、刺青の蛇は舌先を菊門に付けていた。まるで、ここは自分のものだと主張するように。
 男として無性に腹立たしい。対抗するように、舌を伸ばした。皺が、ヒクついている。その高ぶりを鎮撫してやるべく、関平は皺の一つ一つを唾液でほぐしていく。
「んっ……ア……」
 始めこそ星彩はダメとか汚いとか小声で抗議していたが、やがて優しい舌遣いに口をつぐむと、腰を振りながら肛門愛撫を受け入れていった。
(恥ずかしいけど、気持ちいい。いつかはここでも、関平と……繋がるのかしら)
 魔王に肛姦の味を教え込まれた少女は、ついそんなことまで考えていた。

 複雑怪奇な刺青がほとんど消える頃には、星彩は尻の穴まで関平の唾液と汗にまみれていた。恥ずかしさと興奮で息は上がり、頬には朱が差している。
 あとは、星彩の象徴たる部分を残すのみ。再び仰向けに寝てもらい、関平は星彩の太腿を百八十度近くに割り開いた。
 薄い恥毛に飾られた、彼女のすべてがそこにはあった。遠呂智によって徹底的に陵辱されたとは思えないほど、清らかなたたずまいを見せている。遠呂智に挿入されたのはあくまでも蛇で、注がれたのは毒液なのだから、ある意味汚されていないとも言える。
 少しくつろげてみると、鮮やかな内部粘膜が顔をのぞかせた。常人では刺青しようとも思わないそこに、黒い鱗が刻まれている。普段はぴっちり閉じているはずの秘園の門はすでに緩み、内部で育まれた雫を吐き出していた。
 藁の温かな匂いと、星彩のありのままの匂いが溶け合って、関平の鼻腔をくすぐる。
「星彩の一番深い味……確かめたい」
 太腿を押され、星彩の身体は『く』の字に折り曲げられる。関平は勢いよく、鼻先を突っ込んだ。
 どこが何か、どうするといいかも分からず、ひたすら舌を目いっぱいに使って秘貝を賞味していく。実に青臭く、微笑ましい。
「か、関平、もっと上……膨らんでいるところを。うん……いいっ!」
 いつしか星彩も自分から指示まで出して、関平に犬舐めさせていた。
 こんな風にさせたのは遠呂智の亡霊か、目の前の青年か。もちろん星彩は、関平のおかげだと思うことにした。

 そしてとうとう、女陰からも蛇が消し去られる。もはや二人の結合を阻むものはない。
「行くよ、星彩」
 皮肉にも、蛇が入り口を指し示していたおかげで、女陰を初めて見た関平もすんなりと挿入の体勢に持ち込めた。腰を少し進めると、ごく小さな窪みにはまり込んだのが分かる。星彩がうなずいたのに勇気を得て、股間の神龍昇天刀――と呼ぶほどの業物ではないが――を、ぐっと押し込んだ。
 そこから先は、まさに未知なる世界が広がっていた。
「う、わああぁっ……凄い、何だかとても凄いよ星彩っ」
 濡れそぼつ肉襞に包まれ、締めつけられる心地は、童貞青年の語彙ではとてもではないが表現しきれない。ただ『凄い』を連発する体たらくだった。
「アァッ……んんっ! ねえ、緩く、ない? 遠呂智に、うはあ、ずっと挿れられていたから……」
 何日、いや何ヶ月にわたって、あの人外の逸物を出し入れされていたか分からない。『最悪、女として使い物にならなくなっているのでは』
そんなことまで考えてしまっていた。
 だが関平は、大きく首を振った。
「そんなこと、ない……狭くて柔らかくて、これが星彩なんだね。ああ、好きだ。前よりもっと……愛しい!」
 ここまでの経緯など、余計なことを頭から追い出し、関平はひたすら思いを叩きつける。
「はふうっ! 関平、嬉しいっ……」
 星彩も、初めて味わう愛に満ちた交わりに陶酔し、脚を関平の腰にしっかり巻きつけて離さない。二人の汗が混じりあい、若さ溢れる甘酸っぱい体臭を納屋に充満させていく。
 このまま、いつまでも繋がっていたい。だがその望みは、主に男の側の生理的理由で叶えられない。尿道を上昇するたぎりが、青年に限界を知らせる。
「星彩、拙者、もうっ」
「出して……私を、関平で染め直して……」
 星彩は胎内への放出を強く望んだ。今や左慈が言った、生き残るために必要な儀式などではない。関平と結ばれるということ自体が、今の彼女にとってははるかに大切に思えた。
 その想いに答えて、関平もとどめとばかりに腰を振りたてる。ついに溶岩流は最後の一線を越え――
「星彩、拙者の――星彩っ! うっ、おおおっ……!」
 暗がりの中で吠えながら、若き龍はありったけのものをぶちまけていく。
「関……平……」
 その時、血の一滴、細胞の一つまで、星彩は生まれ変わった気がした。先ほどまでの狂おしい衝動は収まり、代わりに穏やかな充足感に包まれていく。
 静かに、少女の意識に霧が立ち込めていった。

 目を覚ますと、勇ましかった青年は泥のように眠りこけている。傍らで寝息を立てる幼なじみを、星彩はそっと抱きしめた。
「関平……ありがとう……」
 聞こえるか聞こえないかの声で、囁く。その口元には、今まで見せたこともないような、柔らかな微笑が浮かんでいた。

 こうして、少女は遠呂智の先へと歩みだせた。

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
遠呂智の淫謀 星彩編

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Written by◆17P/B1Dqzo