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お市×伊達政宗

 奥州に覇を唱える名門・伊達家。その十七代当主・政宗は、居城の広間にて先の戦の報告を聞いていた。人の良さそうな、ゆえに気苦労の耐えなさそうな家臣が、報告を読み上げている。傅役・片倉小十郎であった。
「以上が、此度の戦の結果でございます……政宗様?」
「あ、ああ? 大体分かっておったわ」
 今の政宗は、三日月の前立てで知られる鎧姿ではない。虎の毛皮を裾短の着物として身に纏っていた。この年頃特有の、女のように無駄毛一つない手足が、あらわになっている。眼帯も刀の鍔ではなく、布を無造作に巻きつけている。傲慢な独眼竜ではなく、年頃のやんちゃな少年そのものであった。
「ご苦労。わしはこれから用がある」
 政宗は立ち上がり、大股で広間を出て行こうとした。
「先日桶狭間で捕らえた、信長の妹のところでございますか?」
「……フン!」
 小十郎の問いかけに、否定の言葉が出てこない。
 先の戦――若くして野望に燃える政宗は、桶狭間に乱入して今川義元を討ち取った。そして、返す刀で織田信長にも襲いかかった。が、妹・お市に阻まれ、また予想以上に軍の消耗が激しく、結局信長を討てず米沢へと引き返した。お市は人質に取った上で。
 そのお市のどこが気に入ったのか、政宗は今日も彼女に会いに行こうとしている。
 こんなに戦の話で退屈そうにしていた政宗を、小十郎は見たことがない。はっきり言えば、上の空。十四歳の少年の胸のうちが、大人の彼には容易に察せられた。
 だからこそ、不興を買うのは承知で釘は刺しておく。傅役の辛いところだ。
「いかに幼く見えるとはいえ、あの信長の一族。くれぐれも……」
 とたんに、政宗が怒声を張り上げた。
「ば、馬鹿め! わしが油断などするか! 不審なそぶりを見せれば、女といえども容赦せぬわ」
 そして、振り返りもせず去っていく。しかし、その足取りの軽さはごまかしようがなかった。その背中を見送りながら、小十郎は思わずため息をついた。
「まあ……無理もありませんな。政宗様は、母上の愛を知らずに育ったのですから……」
 よほど道を誤らない限り、彼も止めるつもりはなかった。

 城の一角にある二階建ての小屋が、市には与えられていた。小さいが清潔で日当たりもよく、政宗の気遣いがうかがわれる。その中に、政宗は見張りを押しのけ、ズカズカと上がりこんだ。
「ふん、おとなしくしておったようじゃな!」
 階段の向こうで、少女が剣玉を器用に操っていた。政宗に気付いて、その手を休める。子狐を思わせる、元気いっぱいで愛くるしい顔立ちをしている。そんなお市と目が合うだけで、少年の心の臓が高鳴った。
 いっぽうのお市は、つっけんどんに聞いてくる。
「こんなに見張りが少なくていいの? あたし、逃げちゃうかもよ」
「その時は、連れ戻すまでよ! 独眼竜から逃げられると思うな!」
「はいはい……」
 実際、逃げようと思えば逃げられる。お市があえて捕虜の身に甘んじている理由。それは彼女に、ここにとどまるだけの楽しみが生まれたからだった。
「それで、今日はあたしに何の用? 剣玉教えてほしいの?」
 お市は政宗の隻眼を、覗き込んだ。
「わ、わしをガキ扱いするな! 馬鹿め!」
 政宗の顔が、みるみるうちに朱に染まる。お市は思わずにんまりとした。
「じゃ、決まり。今日もあたしが教えてあげるね!」

「んむっ……ちゅっ、ちゅうっ……ぷはあっ……」
 二人して押入れの中に隠れ、政宗とお市は暗闇の中口づけを交わす。小さな唇と唇がこすれ合い、互いの温もりを伝える。
 最初は本当に偶然、頬に口づけただけだった。だがそれだけのことで、政宗は柄にもなく動揺したのだ。ほとんど半べそ状態だった。
(生意気なガキだと思ってたけど、可愛いところがあるじゃない)
 お市もかなり子供なのだが、政宗よりは知っているし身体の成長も早い。思春期の旺盛な好奇心を、彼女は政宗で満たすことに決めた。
 それからは唇同士になり、口づけ以上の行為になるのにそれほど日数はかからなかった。
 書物からの知識と、兄の寝室をのぞき見たときの記憶――もちろん相手の女は濃姫である――を頼りに、市は政宗に手ほどきしている。無邪気ではあっても、彼女もまた魔王の血を引いているということなのだろうか。
 一方の政宗にとっては、何もかもが初めてだった。隻眼であることを表向きは克服していても、女性には気味悪がられると思っていた。そのかたくなな心にすっと入り込んできたお市に、政宗はすっかり心を奪われてしまった。
 唇を離すと、サラサラの唾液が糸を引く前に切れる。
「暑くなってきちゃったでしょ……ね、脱いで……あたしも脱ぐからさ」
「う、うむ……」
 少女の裸を見られるという交換条件に、政宗は一も二もなく従う。腰で縛っていた紐をほどくと、驚くほど色白の上半身があらわになる。続けてやはり虎皮の下穿きをずり下げ、足首から抜き取る。
 そうして政宗は、生まれたままの姿になった。手足には毛も生えず、隆々たる筋肉もついていない。陰茎もまだ細めで、女にもてあそばれる器官という感じだった。この年頃のみに許される、被虐的な美しさを政宗の裸体は秘めていた。
 一方のお市の身体も、まだまだ大人の女には遠い。それでも最近大きさを増したふくらみやまばらに生えた翳りは、ウブな政宗の目を奪うに十分であろう。どこぞのサルの目も奪う気がするが。
 そんな二人は脱がせあうなどという行為には思いも及ばず、風呂場のように自分の服を脱ぐだけで精一杯だった。

 狭くほこりっぽい押入れに、二人は寄り添って身を横たえた。互いの温もりも匂いも柔らかさも、間近に伝わる。
「ふふ……何だか照れくさいね」
「当然よ!……じゃが、悪いものではない……」
 うっとりと目をつぶり、政宗はお市の手を握ろうとした。その時である。局部が突如としてくすぐったい快感に襲われたのは。
「はあうっ!? アッ、やっ、何をっ」
 少女のような悲鳴を上げ、政宗は裸体をヒクつかせた。健気な突起物に、お市の細い指が絡みつき、転がすように撫でている。
「へえ、これが政宗のオ○ン○ン。何だか可愛いね」
「う……あ……!」
 それは大人の男には禁句なのだが、政宗は気にする余裕すらない。引き締まった尻肉を左右によじり、悶える。
 お市の悪戯はさらに加速する。サオ弄りの次は、二つのふぐりへ。
「柔らかいけど、中に硬いのがあるよ。ほら、分かる?」
「はぅあ……くっ、はあ、はあ……このわしが……」
 日頃の生意気ぶりはどこへやら。いつの間にか政宗は床に仰向けになって、まな板の上の鯉と化していた。行為自体は屈辱的だと思う。しかし、相手は一糸纏わぬ美少女であり、その控えめだが綺麗な胸や尻が目に入ると、抵抗する気が削がれてしまう。家臣たちに見られたら貞操も危うい艶姿……ではなく離反を招きかねない醜態と言えた。

「ふふん、さすがあたし。こんなに大きくしちゃった」
 幼いながらもなかなかの手技で、独眼竜の逸物はみるみるそそり立っていた。鈴口からは先走りの汁まで滴り落ちている。だが、お市の遊びは止まらない。再び竿を握り……先走りを潤滑油にして緩やかにしごく。
「あっはっ!? あはああっ、ひいっ」
 再び、生娘のように全裸の少年が鳴いた。
「お兄様、お義姉様に手でこうシコシコってされて、ここの先から何かを飛ばしてたんだよ。すっごく気持ち良さそうだった。ね、ね! あなたも、しごいてあげると出してくれる?」
 兄の性生活を赤裸々に告白しながら、お市もまた興奮していた。モジモジと擦り合わせる太腿を、無色透明の体液が伝い落ちている。清らかな、生娘の秘貝から滲み出たものだった。
「あっ! それだけはダメじゃ、小水がっ」
 尿道を襲うむずがゆさを尿意と錯覚し、政宗は立ち上がろうとする。
「こら、男が逃げるな!」
 だが、その腹の上に後ろ向きにまたがって、お市は少年を押さえつけた。少女とは思えぬほど濡れた瞳で肉棒を見下ろしながら、なおも手を止めない。
「ふふ、それ多分お小水じゃないよ。見ててあげるから、思い切り出してみて?」
(こ、このわしが……女の尻に敷かれて……じゃ、じゃが!)
 目の前に突きつけられたお市の桃尻が、悔しいほどに美しい。そして、柔らかい。誰が相手でも反抗心をむき出しにする政宗の心が、たやすく折れた。
「ほら、ほら! 独眼竜は天に昇るんでしょ、あたしが昇らせてあげる。うふふ……ふふふ……」
 自らの唇をひっきりなしに舐めながら、お市は少年の突起を嬲る。無邪気ゆえに、どこか恐ろしいものがあった。
「ああ! い、市、わしはもうっっ、出るうっ!」
 初めて少女の名を叫びながら、政宗はこらえようもない射精衝動を感じ取っていた。狂おしい奔流が、玉袋の中から生じ、重力に逆らって竿の中を駆け上る。まずいと思ったときには、すでに遅かった。
「あ、やだ、あ、ああぁ――っ!!」
 身も世もなく鳴きながら、政宗は生涯初めての精を放った……

「うわぁ、変な匂いの、いっぱい出したね。これ、フニャフニャになってるよ」
 青い匂いが充満する押入れの中で、なおもお市は少年の精をいじっている。将来が恐ろしい。
「はあ、はあ……このわしが、女の手の内で……つ、次はこうは行かん……」
 息も絶え絶えに、政宗は倒れ付したままつぶやく。それをお市は聞き逃さなかった。
「次って……何するか、知ってるの?」
 政宗の顔が引きつる。知る由もない。
「そ……それは……」
「ほらやっぱりぃ。じゃあ次も、あたしが教えてあげないとね」
 クスクスと笑うお市の前に、政宗は素っ裸で仁王立ちした。アレは立っていないが。
「望むところよ! 貴様というじゃじゃ馬を乗りこなし、信長に一泡吹かせてくれるわ、馬鹿め!」

 かくして独眼竜は目覚め、小十郎の悩みの種がまた一つ増えたのであった。

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この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
浅井長政×お市 
遠呂智の淫謀 お市編

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Written by◆17P/B1Dqzo