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伏犠×女禍

「ふう、極楽極楽。いい湯じゃのう〜」
 向こう岸が見えないほどだだっ広い温泉につかって、伏犠はすっかりくつろいでいた。温泉があるということは火山があるはずだが、付近にはそれらしきものが見えない。ここは仙界、我々の住む世界とは法則が違う。
 鎧を脱いだ伏犠は、やはり腕も足も胴も分厚い筋肉に覆われている。彼をしのぐ体格の持ち主は、仙界にもそうそういない。あの魔王・遠呂智くらいか。それでいて、口調は仙人らしくじじくさい。
 ふと、色白の、女の素足が視界に入った。視線を上げると、予想通りの人物がひたひたと歩いてくる。
「おう、お主も来たのか」
 肌は冷たく透き通るような色合いをしている。細身でありながら、たわわに実った美乳がツンと上向いて張り出していた。細部まで設計されたかのような美しさは、大理石の彫像を思わせる。そんな肉体を持つ仙女――女禍は、手拭いのような薄布で前だけ隠してやってきた。いつもはへそに飾りを通しているが、錆びるのか外していた。頭の奇妙な帽子も脱いでいるが、髪は束ねて上げているので普段と印象はあまり変わらない。
「『向こう』に行ったら、当分はこのようなこともできまい。大事なことだろう?」
 女禍の言うとおり、これはただの温泉ではない。仙人たちの力を高める効能がある。これは娯楽であると同時に儀式でもあった。
 しゃがんでかけ湯をしていると、くねった腰の線がなんとも艶めかしい。しかし、それを凝視したりしないのが伏犠らしいと言うべきだろうか。
 かけ湯を終えた女禍は、伏犠の隣に腰かけた。女禍がこんなに男の近くに、しかも裸でいることはめったにない。あんなに挑発的な格好をしているのに、男に近寄られることを極度に嫌う。そんな二人は夫婦とも、兄妹とも言われている。しかし我々が二人の関係をあれこれ詮索するのは思い上がりというものだろう。

「まだ妲己は遠呂智の復活を諦めぬのか。何があやつをそこまで意地にさせるのじゃろうな」
 理解できないと言うように、伏犠はほうっ、とため息をついた。
「最初は、単に退屈していたのだろう。だが、今の妲己は遠呂智復活にすべてを懸けている。そんな気がする」
「つまりは、惚れておるのかのう?」
「さあ、どうかな」
 湯の下に、女禍の裸身が透けて見える。伏犠は思う、そのメリハリのついた体つきはよく妲己に似ていると。追う側と追われる側。二人は対極の立場にありながら、どこかが不思議と似ている。だから、互いの考えていることが推測できるのかもしれない。
「とにかく、我らに二度の失敗はない。今度こそ、遠呂智を終わらせる。それよりも……」
 なぜか、女禍の顔がわずかに曇る。孫市あたりに言わせれば、美人は悩んだ顔も美しい。
「不完全とはいえ、人間たちが遠呂智を倒してしまった。そのことが、気になる」
 単に数が多かったからなのか、それとも恐るべき英雄が人間にもいるのか。伏犠もまた、同じことを考えていた。だが彼は、むしろそれを楽しみにしていた。まるで、子供のように。
「だから、それを確かめに行くんじゃろう。何でも試してみなければ、分からぬものよ」
「お前はいつもいい加減だな。だが、お前まで悩んでいたら困る」
 女禍の口元に、珍しく冷笑でない笑みが浮かぶ。繊細・理知的な女禍と豪胆・情熱的な伏犠。確かに、二人はいい組み合わせと言えた。
「いや、不安はあるぞ……お主が、人間たちの目を引きすぎることじゃ」
 その言葉に、女禍は思わず固まってしまった。伏犠はニッと笑うと、彼女を抱き寄せ、唇を奪う。女禍も拒みはしない。
「ん……ふうっ……んちゅぅ……ご、強引なんだから……」
 そう言いながら、女禍も積極的に唇を吸い、舌を絡めてくる。浴場に、二人の互いをついばむ音だけが聞こえる。いつしか白い肌全体に、赤みがさしていた。

「あぁ……ん……そんなに私の胸が気に入っているのか……」
「当たり前じゃ。わしにとっては、これ以上のものなどない」
 湯船の縁にもたれた女禍の乳房を、伏犠は両手でぐいぐいと揉みしだく。その手に余るほどの発育ぶり、つかんだ手を容易に押し返すほどの弾力。手触りも乳輪の色合いも、文句を言ったら罰が当たるだろう。
「ふふ。ならば、私も少し本気を出すとしよう」
 女禍は伏犠に、自分の膝の上にまたがるよう促す。いきおい、逸物が美乳の谷間に来た。赤黒い肉棒と、真っ白な美巨乳の取り合わせはこれもまた鮮やかな対極をなしている。
「では行くぞ」
 女禍は両脇から乳房を逸物に押し当てた。円を描くように揉みしだく。さらには亀頭をチロチロと舌で弄んでから、縦笛でも吹くように口にくわえ込む。すぼまった頬がこの上なくいやらしい。
「ぬお! うぅむ、こらえるのが精いっぱいじゃわ」
「んーむっ、ちゅばっ、なかなかのものだろう?」
 自尊心が多いに満たされた女禍は、さらに激しく伏犠を責め立てる。
「れろれろれろ……ちゅるっ、じゅるるるっ」
 温かく柔らかな一対の果実と舌と口で一点集中攻撃されては、伏犠も腰を振って悶えるほかない。そうこうしているうちに、玉袋から白い溶岩がせりあがってきてしまう。暴発が、近い。
「ふおおおっ! で、出るぞ、どうするっ」
 このままなら、口内にぶちまけることになる。気が引けるような、やりたいような。
「んぷ? ああ……このままでかまわん……ちゅうううっ」
 とどめとばかりに、女禍は強烈な吸引をかました。尿道内のモノを、強引にでも吸い出すかのように。
「うおおおっ!!」
 伏犠は雄叫びをあげた。
 せき止める力を失った尿道から、粘りつく砲弾が次から次へと放出される。
「んん!? んっふうううっ――! んぐ、んぐっ!」
 喉元に襲いかかる迫撃に、女禍としたことが目を白黒させた。とてもではないが飲みやすい代物ではない。しかし彼女は、こんなことを長年楽しんできたのだ。ごくんごくんと喉を鳴らして飲みほしていく。その姿が、彼女の本性なのだろうか。
 やがて口元を拭って、女禍は余裕の笑みを浮かべた。
「ふう……まあ、こんなところか……何、もう次の準備ができているだと」
「ガッハッハ! このままでは収まりがつかないんじゃよなぁ」
 それだけ射精したにもかかわらず一瞬で回復する伏犠は、さすがに人間ではない。その精力は、人知の到底及ぶところではない。女禍を両腕で抱え上げ、今度は自分が湯船の縁に腰掛けた。湯の中で、伏犠の大剣は垂直に屹立している。そこに女禍の女陰を押し当てた。恥丘は童女のように無毛で、花弁もはみ出していない。そんな可憐な秘裂に、肉の先端が付けられる。
「行くぞっ」
「ん……は……はうううぅっっ!!」
 女禍の腰が、ぐいっと沈められた。すっかり準備のできていた肉裂に、ズブズブと巨塊が押し入る。
「駄目、立派すぎる、あは――っ!?」
 全力で肉の大剣を突き刺され、女禍は髪を振り乱して悩乱した。大きく張り出したエラが、女禍を内側から拡張し、擦りあげる。しかし苦痛はまったくない。ただただ、熱さと硬さを受け入れていた。
「どうじゃっ! 儂を感じるかっ!」
「あふ、ああ! もっと奥まで繋がってぇ! 突いて突いて、突きまくってえぇぇ!!」
 思わずうなずき、本音を漏らしながら、女禍は長い脚を伏犠の腰に巻き付け嬌声を上げる。
 伏犠は期待を裏切らない。抱きついた女禍を抱え上げ、伏犠は盛大に湯柱を上げて仁王立ちした。
「さあ、お楽しみはこれからじゃ!」
 腕の力だけで、伏犠は女禍を上下させる。滑らかな尻の割れ目の間から、肉棒が天を向いて出入りし、女禍を内面から蕩けさせていく。湯に濡れた美巨乳が、上下にプルンプルン揺れまくっていた。
「ぁはひい! ずん……ずん……下からズンズン突き上げてくるのぉ!!」
 そして結合部からは、ひっきりなしに粘着音が響く。伏犠もまた、女禍の具合に腰も砕けそうだった。何度交わっても、女禍の肉襞は新鮮そのもので、男根を貪欲にしゃぶりつくす。
「んぶ……はみゅ、んんんっ」
 再び接吻を交わしながら、二人は互いを惜しみなくむさぼる。女禍と伏犠が自分に似せて人間を作ったというのなら、創造主たる二人もまた、性の悦びに忠実なのだ。
 女禍の瞳はすっかり潤んで、伏犠の顔しか見ていない。だらしなく開いた口の端からは、涎まで垂らしている。
「イ……イグ、イグウウゥゥッ」
「むぅ、果てそうか? わしもじゃ……おおお……!」
 二人の快楽曲線は、ぴたりと一致して最高点に達した。頭頂からふっと力が抜ける。そして再び、先ほどと全く変わらぬ勢いでの放出が浴びせられた。今度は女禍の最奥めがけて、ドクドクと浴びせられていく。納まりきらない分は、結合部からあふれ出し、湯船へと垂れ落ちる。
「ふうう……寂しくなるな。他の男に目移りしてくれるなよ、って、聞いておらぬな」
 女禍は伏犠に貫かれたまま、幸せそうに気を失っていた。その脱力しきった顔は、とても普段の氷の女神とは思えなかった。

 それから、しばらくして。二人は仙界の縁にたたずんでいた。ここから飛び下りれば、そこから先は遠呂智の創りし異世界になる。
 二人とも完全武装である。彼らの表情には、情事の余韻は微塵も感じられない。このあたりの切り替えが、さすが仙人というべきか。
「さて、そろそろ行くとするか」
「また会うときまで、達者でな」
 最後に一瞬だけ見つめあい、二人は深淵の闇へと飛び立った。

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この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
曹操×女禍  女禍×太公望  遠呂智・妲己・清盛×女禍

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Written by◆17P/B1Dqzo