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凌統×阿国

 孫呉の将・凌統は世界融合の混乱の中、信長の下で遠呂智と戦い抜いた。戦後、真面目な彼はすぐ孫呉に戻るものだと、誰もが思っていた。
 しかし。

「よっ……と」
 とある旅籠の一室に、凌統は担いでいた荷を下ろした。
「今日もお疲れさん。明日はいよいよ出雲か」
 腕をくるくると回しながら、傍らの女に声をかける。もちろん彼女の分の荷物も、凌統が担いでやっていた。
「そうどすなぁ。凌統様と一緒やと、楽しくてほんにあっという間や」
 のんびりした、ほがらかな京言葉が返ってくる。
「俺もだよ。倭……じゃなかった、日本に来るなんて、一生ないと思ってた。海の向こうには、こんな山や川があったんだな」
 窓の外に映る峰々を眺めながら、彼もまた、女と同じ思いを強くする。
 凌統は今、阿国と共に出雲への旅路にあった。
 それは戦での、何気ない会話がきっかけである。
『阿国さんと、旅にでも行こうかな』
『もう、嬉しおす! 今なら出雲がええ季節どすえ?』
 もちろん最初は軽口のつもりだった。しかし、だんだん自分の中で冗談とは思えなくなった。古志城での決戦が終わっても、二人は暇を見つけては会い、出雲行きの計画を練っていた。凌統はまだまだ、身一つで新しい世界に飛び出していく、そんな若さに満ちている。

 湯に浸かり、落ち着いたところで夕餉となった。贅沢ではないが、その土地ならではの料理に舌鼓を打つ。よもやまな事を語り合いながら、あらかたたいらげた。することがなくなり、どちらからともなく身を寄せ合う。
 何も語ることが思い浮かばない。だが、それでも二人は満ち足りていた。今までは遠呂智との戦いに明け暮れ、こんな時間など持てるはずもなかったのだから。
「はあ〜……」
 阿国が、黙って凌統にもたれかかる。湯上りの白く細いうなじに、男ならつい見とれてしまう。凌統は頭をくしゃくしゃとかいた。
「参ったね。神様の使いがこんなに色っぽくていいのかい」
「うふ、出雲の神様は縁結びの神様どす。せやから、惚れた腫れたも立派なお勤めや」
 阿国は凌統に顔を向けて、目を閉じた。
(惚れた? 俺なんかの、どこにかねぇ。ま、理由を聞くのは野暮ってね)
 実のところ、凌統は今まで、阿国から惚れたの何だのと言われていなかった。けれど気がつけば、いつも彼女が隣にいる。過程など、どうでもよくなっていた。
「いい神様なんだな。感謝するよ」
 凌統は突き動かされるように、彼女のふっくらとした唇を奪った。

「ふう……うおっ……たまらないよ、阿国さん」
 月の光を浴びて、阿国の白い裸身が艶かしく輝く。うつ伏せになり、その顔は凌統の股座に埋めていた。見下ろす凌統の目には、剥き出しの後姿がすべて映っている。
 武人の娘たちに比べると、実に華奢な体つきをしている。胸も尻も控えめだが、その分繊細な曲線を描いていて、まるで白磁の名品を鑑賞しているように思えた。しかも白磁と違い、温もりも、柔らかさも備えている。そんな、美しい女体を見ながら受ける口淫は、格別なものがあった。
 凌統は痩せて見えるが、さすがに勇猛な孫呉の将だけある。浴衣を脱げば、胸板は厚く硬く、腹筋は綺麗に六つに割れていた。その腹筋が、口唇愛撫の快感にわなないている。少しでも気を抜くと、阿国の小さな口の中に放ってしまいそうだった。尻の穴を引き締めて、どうにかこらえる。
「う……ちょっと……やばいっつの……」
 それを察して、阿国は口からゆっくりと肉棒を吐き出していく。唾液にまみれた剛直は、凌統自身も信じられないほど膨張し、先走りの汁を鈴口から溢れさせていた。

「うちも、ここで凌統様を味わいとおす。うふふ……」
 寝そべった凌統に阿国がまたがり、二本の指で秘所を開いてみせる。見られる機会が多いのだろう、彼女の恥毛はさすがに丁寧に処理されている。先に凌統に愛撫されていたから、露がとろりと、太腿にこぼれた。
「行きますえ……あぁん――!」
「ぬおっ! こりゃ、きつっ……!」
 一気に腰を下ろし、奥までくわえ込んだ。それだけで竿全体を無数の襞が擦りたて、凌統はいきなり達しそうになってしまう。
「あぁん……奥まで届いてはるわぁ……ご立派どす」
 少しの間、凌統の存在を胎内で味わってから、阿国は舞い始めた。肉棒が外れる寸前まで腰を上げ、重力に任せて落とす。そのたびに、先端を屹立させた乳房は弾み、尻肉はペタンペタンと卑猥な音を立てる。心を許した男にしか見せない、極めつけの舞であった。
 凌統も彼女の上下動に合わせ、暴れる腰をつかんで下から突き上げる。豊富な男性遍歴を経たそこは若き呉将を歓待し、優しく包み込むようにうごめいた。
「さ、支えとくれやすっ」
 心地よさに立っていられず、阿国は徐々に上体を前へと倒してくる。凌統は、眼前に突きつけられた乳房をつかみ、その柔らかさも堪能した。
 彼女の中で、自分のモノが蕩けそうになっている。こうして交わると、性格だけでなく身体まで相性がいいのが分かった。
 凌統も、興に乗ってくる。
「俺にも見せ場を残してくれっつの」
「え……」
 上体を起こし、対面座位で阿国を突き立てる。だが、それでは終わらない。さらに立ち上がり、阿国をしがみつかせたまま突き上げた。
「あぁん、強い人っ! 凌統様、うち、うち……」
 軟弱な男では絶対にできない、雄を誇示するがごとき体位で貫かれる。そんな強い男と共にあることを実感し、阿国の中はきゅうんと締まった。
「ああ、思う存分、俺を味わってくれよ」
 予想以上の逞しさに陶然とし、阿国はただただ凌統に身をゆだねた。
「あっ、ああ――っ! 凌統様、凌統様ぁ! うち、もう往んでまうぅっ」
「そうかい……俺もそろそろ……くうっ! 出すぜ……」
 阿国は凌統に両手両足でしがみつく。凌統も折れそうになるほど、阿国を抱きしめる。
「うっ!」
 二人の時間が、止まる。おびただしい精が竿の先から注がれ、女の最深部を叩き、結合部から逆流し、床に零れ落ちた。
「こないに……ぎょうさん……」
 夢心地の阿国をそっと床に下ろし、凌統はその汗ばむ胸乳にうずもれた。宵闇の中、二人の荒い息遣いはしばらくやまなかった。

 翌朝。
「凌統様〜。もうすぐ出雲に入りますえ、きばっとくれやす〜」
 いつにも増して足取り軽く先を行く阿国の姿を見て、凌統は苦笑した。こちらは昨日頑張りすぎたツケが少々残っている。それでも彼の心は、見上げた空のように晴れ晴れとしていた。
「やれやれ。阿国さん、あんたと一緒なら退屈せずに済みそうだ。お供しますよ。あんたが俺に飽きない限り、どこまでもね」
 二人の旅路は、まだまだ終わりそうにない。

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
遠呂智の淫謀 阿国編
長宗我部元親×阿国

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Written by◆17P/B1Dqzo