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博打は、打っている最中が一番面白い。
関ヶ原で東軍を、江戸城で西軍をも破り、島津は見事に天下を手中に収めた。平和な世が来れば、当然戦屋には見せ場がなくなってしまう。『鬼島津』島津義弘は、薩摩の片田舎で悠々自適の暮らしを送ることにした。
そこで彼が何をしていようと、もはや天下の趨勢には関係のないことだった。
義弘の住み家は質素そのもので、一目でそうと気付く者はいないだろう。その一室にて、
「あっ……んはあっ」
まだ陽も高いというのに、義弘は若い女の胸元を、小袖越しにねちっこく揉みしだいていた。さすがは鬼、老いてますます盛んである。
「相も変わらず、柔らかいな。また、大きくなったのではないか」
「そっ、そんなこと、あ！」
気の強そうな女は、息を乱しながらも喘ぎをこらえようとする。だが義弘の、百戦錬磨の指使いの前では、たちまち身体の力が抜けていってしまう。服の下で、淡く小さめな乳頭がムクムクとしこり始めた。
「くふぅ……雷切さえあれば……」
「それでもお主は、わしに負けただろう。お主の言ったとおりだ……あの時、戦国は終わったのだよ」
つぶやきながら、大きな手のひらで女の乳房を包みこむ。いや、立派に育った果実は義弘の手でもつかみきれない。力を込めてみても、柔らかく受け止め、吸いつき、押し返してくる。
「そして、立花家の女当主・誾千代も死んだ。世間では、そういうことになっている」
しかし、手のひらから伝わってくる温もりは、まぎれもない生の証だった。今、義弘が抱いている女こそ、その誾千代だった。鎧を脱ぎ――というより物騒なので刀ごと没収され、短かった髪は少し伸びた。凛々しさに、女らしさが増してさらに美しくなった。と言われても彼女は喜ばないが。
あの時。誾千代は義弘の大金槌で叩きのめされ、気は失ったものの、一命は取り留めていた。再び目を覚ました時、彼女の目の前では宿敵が不敵な笑みを浮かべていた。
『好きにするがいい。それは貴様の当然の権利だ』
もちろん『殺すなり自害させるなり』という意味だった。まさか、本当に好きなようにされるとは思わなかった。押し込められて、堺から海路はるばる薩摩へ。
そして――数日後、誾千代は義弘に女にされた。恥ずかしい後ろの孔まですべてを見られ、老体とは思えぬ剛直をこじ入れられた時、なぜ死にたいとか汚されたと思わなかったのだろうか。己を満たす熱くたくましい肉が、少なくとも不快ではなかった。
一突きされるごとに『誇り』という名の片意地は溶解していった。子袋に精を注がれたときなどは、ゾクゾクと身体を震わせてさえいた。それは気がふれないための自己防衛だったのか、それとも――
「え……きゃあああっ！？」
急に、誾千代が悲鳴を上げた。ぼんやりしているうちに、上半身が剥き出しにされている。腕も胴もほっそりと引き締まっていて、美巨乳の立派さがいっそう際立つ。その先端が、武骨な義弘の指で嬲られると、みるみる敏感に立ち上がってくる。それを自分の目で見て、誾千代は耳まで真っ赤になった。
「き、気持ちよくなどないのだ、これはいやらしく弄られるから仕方なく！ おい、聞いているのか、ああっ」
「ふ、相変わらずなことよ」
義弘は軽く聞き流し、片手の上で果実をたぷたぷと弾ませた。もう一方の手は、裾を割って腰へと伸びていく。鍛え上げられむっちりとした太腿の上を這い、その奥の核心へ。力が抜けていて、脚を閉じて抵抗することもなかった。
「んあっ、ふううっ……そ、そこは弱いのだ……あっああっ！」
じっくりと淫豆をこねまわすと、誾千代は首を左右に振って喘いだ。包皮の上から、驚くほど繊細に突起を扱う。もっと粗野に扱われると、誾千代は思っていた。ところが、実際には気をやってしまうほど気持ちよかった。こんな関係になって初めて、義弘の一面に気付くとは思わなかった。
姫割れの奥からぬめりを吐き出しはじめると、義弘は合わせ目に指先を立てる。そして、ズブズブと潜り込ませていく。
「んぐうっ！ ふ、太いいっ」
指一本。それだけでも、誾千代には十分強烈な刺激だった。前後に擦られると、思わずそれを締め付けてしまう。目ににじむ涙は、痛みのためではなかった。姫割れからはいつしか淫靡な粘着音が立ち、蜜は義弘の指に絡みついて止まらない。
胸は剥き出し、裾は大きく乱れ、もはや服としての意味をなしていない。頃合いだった。
義弘は豪快に、帯を引きほどく。締めるもののなくなった小袖の前をはだけさせ、一息に剥ぎ取る。素足だったから、誾千代はたちまち、生まれたままの姿にされた。
また、小さく悲鳴をあげて胸と腰を隠す。身体をくねらせるその姿が、かえって艶めかしさを添える。何といっても、股間が目を引いた。身体の他の部分は存分に発育しているのに、誾千代のそこにはあるべき茂みが生えていない。剃り跡もないから、無毛の体質なのだろう。しかし花弁はいくらかはみ出していて、幼い身体ではないことを示していた。
「お主だけ剥き身にはせんよ」
義弘も、服と褌を脱ぎ捨てた。恰幅良く筋骨隆々、肌は赤銅色に日焼けして老いなど微塵も感じさせない。さらに。天を向いてそびえたつ巨根は、若造など裸足で逃げ出すほどの迫力を有している。それを見ると、誾千代はいつも呆然としてしまうのだった。自分に、島津がこんなに欲情しているのかと。
その隙に誾千代の肩をつかみ、義弘は彼女を床に押し倒す。キッと睨みつけてくる目が、相変わらず凛々しい。
「このままなすがままか、お嬢？」
「くっ！ 立花をなめるなっ」
その言葉に乗せられて、誾千代は義弘の下でもがいた。両脚をはしたなくばたつかせ、義弘の腹を蹴飛ばそうとする。だがそれもすぐにやんだ。そっぽを向いて、ぽつりとつぶやく。
「……好きにしろ」
「では、参るぞ」
このやりとりも最近はもう、儀式のようなものだった。
滑らかな無毛の姫割れに、百戦錬磨の鬼島津を押し当てる。ゆっくり、じっくりと腰を進めていく。圧倒的な質量の肉塊が、誇り高き女をこじ開けていく。
「い、いやっ……もう少しゆっくり、あぐぅ、あああっ……！」
どれだけ濡れても、何度貫かれても、義弘の巨根は誾千代には持て余す逸品だった。もちろん、義弘にとっても誾千代の肉襞はこれ以上ないものだった。処女を失ったばかりの硬さと、生来の狭さと襞の多さがあいまって、気を抜けば全部埋め込む前に射精しそうになる。
「分かるか。お嬢の一番奥まで、わしが届いているぞ」
「立花が……島津に支配されてしまった……」
相変わらず家を持ちだすので、義弘は思わず苦笑してしまう。彼も誾千代も、もう家を背負う立場ではなくなった。
「男と女、ただそれだけよ」
気が楽でもあり、寂しくもある。そんな感傷を振り払うように、義弘は腰を引き、渾身の力で打ち込む。
「はひいいっ！ あうっ、あっあああっ――！」
誾千代は目を剥き、舌を飛び出させる。すさまじい摩擦と突き上げに、気がどうにかなってしまいそうだった。知らず知らずのうちに、しなやかな脚を義弘の胴に巻きつける。
「しっかりつかまっておれよ」
義弘も誾千代を抱きしめ、そこから繋がったまま立ち上がる。誾千代を腰の上に乗せ、足腰のバネを活かして突き上げる。もちろん、入口近くでの小刻みな律動も忘れない。
「ふん、ふんっ！」
「だ、駄目っ、それは駄目！ た、立花が壊れるうぅぅっ！！」
もはや、誾千代は負けを認めるしかなかった。義弘に言われるまましがみつき、口からは涎を、目からは随喜の涙を流す。美巨乳をギュッと押し当て、義弘の胸板を擦っていた。
義弘は溜めに溜め……
「行くぞ、お嬢。鬼の一撃、受けてみよ」
その様は薩摩にそびえる桜島か。おびただしい溶岩流を、義弘は下から上へと、誾千代の膣内にぶちまけた。逆流した体液が、結合部から床に滴る。
「うむ、まずは、満足……ふっ、ご苦労だった」
誾千代は、義弘の腕の中で気を失っていた。
胡坐をかいた義弘の股間に、誾千代が四つん這いで顔を埋めている。そのしなやかな裸体もあいまって、猫を思わせた。
「これは敗者への罰なのだ……れろっ……島津、つ、次はこうはいかない……あむ、じゅるっ」
何事にも負けず嫌いな誾千代は、いつか義弘を足腰立たなくさせるつもりらしい。
「そうか、お嬢は優しいのう」
誾千代は目を丸くした。
「か、勘違いするな！ 立花は……私はいつか貴様を、床の上で討ち果たす！ んふっ……んんーっ……お、大きい……」
そしてまた、不器用な後始末へと戻っていった。
島津義弘と立花誾千代。二人の数奇な因縁は、まだまだ終わりそうにない。
完
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
源義経×立花誾千代
稲姫×誾千代
遠呂智の淫謀 立花誾千代編
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