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孫策×大喬

 建安元年。『小覇王』孫策は、幼なじみで参謀格の周瑜とともに皖城を攻め落とした。この新たな領土とともに、孫策は予想外の収獲を得る。
『江東の二喬』――天下に名高い美少女姉妹が、父の遺言により孫策と周瑜を試してきたのだ。見事自分たちの智勇を姉妹に示し、孫策は姉の大喬と婚姻の約束を交わした。
『お前たちは幸せ者だぜ? 俺たちを旦那にできるんだからな』
 孫策はそう豪語したというが、あながちうぬぼれでもないだろう。なにしろ小覇王と美周郎である。
 しかし、彼は分かっていたのだろうか。夫婦になるという本当の意味を。

 城での婚礼を間近に控えたある日のこと。孫策は親友の周瑜と打ち合わせをしていた。ちなみに周瑜の婚礼は、いくらなんでも同時ではなく、また別の日に行うことになっている。
 大体の話を詰め終わったところで、周瑜が一つ咳払いする。
「あー、ところで孫策。身も蓋もない話だが……夫婦となるからには、夜……のほうはどう考えている?」
 孫策は周瑜から目をそらすように、窓の外を眺めた。
「まあな……お互い好きで夫婦になったんだし、何とかなるんじゃねえの?」
 そうでなければ、自分や弟、妹は生まれていないのだ。自然の成り行きでなるようになる。その程度に考えていた。
 すると周瑜の表情が、存外に険しくなった。
「勢いで突っ走ってしまうのは、君の悪い癖だ! 大喬殿のような控え目な女性が、初夜から力任せに抱かれてみろ。一生、君に心を開いてくれなくなるぞ」
 その剣幕に、孫策も慌てて反論する。
「おい周瑜、俺は力づくでなんて考えもしてないぜ。そんなの、夫婦じゃねえだろ」
 周瑜も孫策の優しさは分かっている。ただ、この親友は尋常でない腕っ節の持ち主なのだ。一騎打ちで捕らえた敵将を、脇に抱えたまま絞め殺したことさえある。
「そうだとしても、君が思う以上に優しく扱ったほうがいい。君の妻になってよかったと思えるように。健闘を祈る」
 そう言い残して、周瑜は部屋から出ていく。彼はそのあたり、ぬかりがないのだろう。戦から音楽まで、何事もそつなくこなす。孫策はそこまで器用ではない。
「どうすりゃいいんだよ……」
 残された孫策は腕組みして考え込んでいた。
『お前たちは幸せ者だぜ? 俺たちを旦那にできるんだからな』
 あんなこと、言わなければよかった。

 一方、二喬の家でも、状況は似たようなものだった。衣装などの準備をしながら、大喬はしきりにつぶやいている。とても、幸せいっぱいの花嫁とは思えない。
「わ、私、体に自信がないから……孫策様、がっかりしてしまうかも……」
 大喬は小柄で、胸もあまりないのを気にしていた。世間が騒ぐほど、彼女は自分の外見を高く評価できない。その謙虚さが、いいところでもあるのだが。
「お姉ちゃん! そんなこと言ってたら、孫策様の本当の奥様になれないよ? うじうじしてる間に、他の女に愛情が移っちゃってもいいの?」
 たまりかねた小喬が、姉に向かってまくし立てる。
「そ、それは嫌よ!」
 一夫多妻の時代であるとはいえ、自分を一番に愛してほしい。それは誰しも思うことだろう。
 こういうとき、物怖じしない妹がうらやましい。正直言って、小喬の体型は大喬よりさらに控えめである。なのに、何を根拠にしたのか、床の上でも周瑜に愛されるという自信に満ちていた。今、準備しながら鼻歌まで歌っている。
「どうすればいいのかしら……んっ……」
 とりあえず、胸を自分で揉んでみた。むなしくなるだけだった。

 そうこうしているうちに当日が来てしまった。
 さすがに家の面子がかかった婚礼は、何事もなく終わった。筋書き通りの儀礼なのだから、ある意味楽ではある。
 その後の宴会も、難しく考えることなどない。なにしろ孫呉の将には酒好きが多いから、勝手に盛り上がっていく。
「はっはっは! 今日の酒は兄上の幸せを肴に美味く飲める!」
「もう、権兄様、ほどほどにしてよ? ぐびっ」
 お酒は二十歳になってから。お酒は楽しく、ほどほどに。現代では年齢的にどうかと思われる面々もいるが、これは紀元二世紀末の物語である。
 しかし、そんな中でも孫策と大喬は言葉少なく、互いに視線を遠慮がちに合わせるだけだった。大喬はともかく、孫策の無口は普段からは考えられない。諸将は緊張しているのだと思ったが、その理由までは思い至らなかった。まさか、あの小覇王孫策に限って、初夜の行方に思い悩んでいるなど。
 そして、宴もたけなわとなり、諸将は一人また一人と孫策夫婦に挨拶して城を立ち去って行った。周瑜と小喬も姿は見えない。いつの間にか、帰ってしまったのだろうか。
 後片付けを家人に任せ、二人は孫策の部屋に戻ってきた。これでようやく、くつろいで話ができる。そのはずなのに、言葉が出てこない。
(ああくそっ、どうやって切り出す?『今日はいい天気だったな』とか、馬鹿みたいじゃねえか)
(自然に、孫策様がその気になるような雰囲気……って、どうすればいいのかしら)
 石のような沈黙が、寝室を支配する。
 その時、壁の向こうから何者かの声が聞こえてきた、ような気がした。確か、隣は物置のはずだが。孫策も大喬も、思わず耳をすませる。
「あん……周瑜さま、気持ちいいよぉ」
「綺麗な寝台もいいが、こういうところで愛し合うのも、また新鮮というものだろう?」
「うん、ドキドキしちゃう……あぁん!」
(げっ! 周瑜のやつ、まだいたのかよ。てか、人の城で何やってんだ)
 ナニをしているに決まっている。まだ挿入は至っていないようだが、小喬の嬌声から察するに、かなりねちっこい愛撫を施しているようだ。人が来るかもしれない場所で、隠れて愛し合う。大した度胸ではある。

 しかし、周瑜と小喬の秘め事は、孫策と大喬の背中をぐっと押してくれた。重圧から解けたように、孫策は微笑み、大喬の肩を抱き寄せる。
「大喬。俺は周瑜みたいにうまくはねえが、この世で一番お前に優しくする、それだけは約束できる」
「そ、孫策様……ふつつかものですが、あなた様の妻にしてくださいませ」
 二人の時間が、ようやく動き出した。見つめあい、目を閉じ、唇を重ねる。その温もりが、柔らかさが、二人の緊張を急速に氷解させていく。
 互いの気が済むまで抱擁を続けてから、孫策は大喬を寝台に横たえた。包みをほどくように、大喬の服を丁寧に脱がせる。真っ裸にはせず、膝までの靴下だけを残して。やはり胸は控えめだったが形よく、色白の清楚な裸身は孫策のツボにはまっていた。不安げに孫策を見上げるその表情も。できるだけ優しくと思いながら、肌に触れる。
「お、おお……」
 瞬間、孫策の頭に血が上ってしまった。屈強な握力で、ささやかな胸を鷲づかみにしてしまったのだ。当然、大喬が悲鳴を上げる。
「痛ぁ! も、もっと柔らかく触れてくださいっ」
「わ、わりい」
 大喬はともかく、孫策も意外すぎることに未経験だった。父を亡くしたあとは戦いの連続で、名門でもない孫家は他家から嫁を迎える暇もなかった。
 しかし、孫策も男である。臣下との分け隔てない会話の中で、大体のやりかたは知っていた。
 痛くした分癒すように、口を淡い乳輪につけ、舐め、吸う。胸に吹きかけられた吐息が、熱い。
(孫策様がこんなに熱中してる。大きさなんて、問題じゃなかったのね)
 大喬は、自分の心配が杞憂であったとようやく悟った。

 好奇心の赴くまま、孫策の手は大喬の下腹部へと伸びていく。大喬のそこは深窓の令嬢らしく、手入れが行き届いていた。おそらくは、今日という日のために。
 孫策は熱く火照る丘を、見当もつかずまさぐっていく。
「あっ!」
 すると偶然、大喬がピクンと震えた。
「どうした、また痛かったのか」
「いえ、そ、そのあたりをっ。もう少し下……ああ孫策様、そこですっ! んはあっ!」
 ぷっくり膨らんだ豆が、特に弱い。その乱れようは、普段からよく弄っていることをうかがわせた。
「あっ、はふっ……お豆、お豆をクニクニしてください……」
(豆って、ここらへんだな……乱れる大喬も、最高に可愛いぜっ)
 女としての本能を前面に出し、大喬が布団に大きな皺を作って悶える。予想だにしない新妻の艶姿に、孫策の息も荒くなる。
 それほどまでの快感をもたらす器官はどうなっているのか。どうしても、自分の目で直接見たくなる。
「なあ、お前のここ……見てもいいか」
 大喬は小さくうなずくだけだった。
 一つまみの叢の下、一対の花弁が控え目に顔を出している。指でくつろげてみれば、これを自分の手で破るのかと罪悪感を覚えるほど、鮮やかな花弁が隠されていた。そこから、大喬自身の匂いが馥郁と漂う。孫策の顔は、秘花に吸い寄せられていた。
 彼女のすべてを嗅ぎ、味わいたい。
「あっんんっ! そんな、孫策様、大胆すぎますっ」
 初めての口唇愛撫に、大喬は驚きの声を漏らす。だがすぐに、新たな快感を受け入れ始めた。
「ダメ、ダメです孫策様ぁ、そんなことされたら私っ、私……」
 ぼんやりと想像したことはあったが、実際にされるととても気持ちいい。ざらつきとぬめりがともに媚粘膜を擦り立て、腰をジインと痺れさせる。当然、蜜は後から後から吐き出されて止まらない。感覚を一点に集中させ、孫策の愛撫に自ら追いつめられていく。
「あっ、そんなに激しいのは……ダメ、もう私……い、イクッ! イクウウッ! はう、あああんんっ!!」
 押し寄せる波はあまりにも急激だった。孫策の頭を股間に挟んだまま、大喬がビクンビクンとわななく。

「ふう。やりすぎちまったかな。大丈夫か?」
 興奮と息苦しさで、孫策の顔も紅潮しきっている。口の周りに飛び散る愛汁を、拭おうともしない。
「は、はい……孫策様が、とてもお上手だったから……あ」
 大喬は、思わず孫策の股間に目をやった。そこは立派な天幕が張られている。恐怖ではなく好奇心から、大喬の喉が鳴った。
「それ、窮屈そう、ですね」
 指摘されて、孫策も言葉に詰まった。だが、大喬はすべてを見せてくれたのだ。自分もやってやらねば不公平というものだろう。思いきりよく、すべてを脱ぎ捨てる。
(まあ……やっぱり素敵です……)
 逆三角形の上半身、筋肉の盛り上がりが一目瞭然の二の腕、長くて、しかもたくましい脚。その股ぐらで男の武器が鎮座している。そして性格も豪放磊落。孫策は、まさに彼女の理想の男性像だった。
「うふっ、大きくなってますよ。私の裸を見て……興奮してくれてたんですね」
「当たり前だろ。お前は、めちゃくちゃ綺麗なんだから」
 生唾を飲み込んで、大喬は孫策の肉棒を、ひんやりした手のひらに包み込んだ。
「このあたりをいじると、気持ちいいんですよね?」
 裏筋や雁首を、か細い指先で撫で回す。それだけで、孫策の腰がビクンビクンと跳ねる。
「うおっ! 何で知ってるんだ」
 だが意外と経験豊富……にしては、一つ一つ確かめるような言動になっている。瞳にも、不安の色が浮かんでいた。
「私だって、お人形じゃないんです。いつかは素敵な男の人に抱かれたいと、いろいろ考えてました……」
 そう、顔に似合わずどこから仕入れたのか、知識『だけ』は豊富だったのだ。さらに言えば、日頃から妄想もたくましかった。だが、これからはもう、自分の殻の中で思い悩む必要などない。彼女のすべては、孫策が受け止めてくれるのだから。
 それにしても、孫策には強烈な光景である。靴下を履いただけの裸の美少女が、嬉々として、しかも解説付きで男根を弄っているのだから。
「このお汁も、こんなふうに出てくるなんて」
「なあ、そんなことされたら……お、俺我慢できねえよ」
「あっ、ごめんなさいっ」
 別に謝ることではないのだが。孫策はもう一度唇を重ねながら、大喬を静かに組みしだく。やっと、二人が身も心も夫婦になる時を迎える。

 たっぷりと準備されたうえの結合である。すんなり行くかと思いきや。
「あう! ううっ……」
 それでも破瓜の瞬間はさすがに痛がった。小さな姫割れが、小覇王の一突きで貫かれるのだ。痛くないはずもない。
「わりぃ、ちょっと我慢してくれ」
 このときだけは、男の力で押し通らねばならないようだ。
「ん――――!!」
 大喬は目を見開き、孫策の背中に爪を立てて必死にしがみついてくる。それに顔をしかめることもなく孫策は優しく抱きしめ、なおも前に進む。やがて、奥まで貫いたことを感じ取り、たがいに笑みを交わす。
 ずっとこうしていたい。けれどこういうとき、男は動きたくて仕方なくなる生き物だ。大喬の身を慮り、ゆっくりと腰を使い始める。初々しくざらつく、無数の肉襞がたまらない。大喬にも苦痛の中に、わずかながら痺れるような感覚が出てきた。先ほどの遠慮が嘘のように、今の二人は身も心も繋がっていた。
「はう、くうっ、孫策様の、お情けをっ」
 夫婦だからこそ遠慮なく放てる、愛の証。それを、大喬は懇願する。
「大喬、出すぜ、お前の中に……」
「孫策様ぁっ、私の中を、あなたでいっぱいに満たしてくださいっ」
 最後にもう一度、強く腰を突き出し、孫策は耐えていたものを解き放つ。普通の男なら干からびてしまうのではないかと思うほど、激しい奔流が大喬の中へと注ぎ込まれていく。すべての放出が終わり、寝室は静まり返った。重い沈黙ではなく、幸せな余韻に。
 布団の上についた赤い染みと逆流した白濁が、二人が本当の夫婦になったことを物語っていた。
「嬉しい……これで私たち、本当に夫婦になったんですね」
「ああ。これからも、よろしくな」
(へへ、周瑜の奴もとんだ『協力』をしてくれたもんだな)
 人の城で満足した二人は、今度こそ帰ったらしい。

 それからの二人は、いい意味で変わった。孫策は豪快さの中に慎重さを、大喬は控え目な中にも自信を持つようになったという。

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Written by◆17P/B1Dqzo