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甄姫×森蘭丸

「姫様、ここは私が食い止めます。早くお逃げください!」
「おどきなさい! その女に逃げられては、我が君の立場が危うくなるのです!」
 真夜中の建業城は、混乱と喧騒の真っただ中にあった。
 信長に受けた借りを返すべく、孫策は建業城に捕らわれていた濃姫の救出に動いた。孫策と行動を共にしていた森蘭丸はもちろん自ら志願。濃姫を城外に逃がすところまではうまくいった……のだが。
 しんがりを務める蘭丸に、一見戦いなどしそうにない貴婦人が迫る。衣装の切れ目からのぞく生足が艶めかしい。曹丕夫人、甄姫。彼女は遠呂智軍に対する夫の体面を守るため、自ら危険に身を晒していたのだ。
「そんな楽器で、何ができるのです」
 蘭丸の得物は身の丈ほどもある長剣。一方の甄姫は横笛しか手にしていない。彼は自分の世界にも、三味線で戦う男がいることをまだ知らない。
「あなたを倒すことくらいは簡単ですわ」
 甄姫が横笛に口をつけた。次の瞬間。
「う!? うわああっ!! こ、これは……空気が……ひび割れるようだっ」
 甄姫を中心に、美しい音色と裏腹の強烈な衝撃波が生じた。音の壁は華奢な蘭丸の肉体を強打し、意識を朦朧とさせる。それも、数度にわたって。甄姫の名誉のために言っておくが、どこかのガキ大将の歌のように下手なので気絶したわけではない。
「甘く見た、私が未熟でした……」
 それでも濃姫を逃がせたことに安堵しながら、蘭丸はがくりと膝をつき、地に倒れ伏した。それを確認してから、甄姫は笛から唇を離す。
「……命までは取りませんわ。あの女の代わりに、我が軍の人質に……」
 蘭丸の横顔をのぞき込んだ甄姫の顔に、驚愕の表情が浮かぶ。
(嘘、この子本当に男!?)
 端正な顔立ち、流れるような黒髪、そして色白の太腿。見れば見るほど、男とは思えなくなってくる。
「こ、これは……いろいろ確かめなくてはいけませんわね」
 甄姫は知らず知らずのうちに、唇をぺろりと舐めていた。

「う……ん……私は、生きていたのか……」
 目を覚ました蘭丸は、自分がどこかの室内に仰向けに寝かされていることに気付いた。見覚えのない内装だし、先ほどまでの成り行きからすると捕らわれたと考えるのが妥当だろう。
 そして。
「こ、これは、一体!?」
 まず、寝台の四隅から紐が伸び、手首足首をくくりつけられていることに気付く。それだけではない。今の蘭丸は、純白の褌一丁というあられもない格好だった。無駄毛や贅肉など一切ない、中性的な肢体があらわにされている。
「あら、ようやくお目覚めですのね」
 頭上から、女の声がした。先ほど対峙していた貴婦人が、微笑みながら蘭丸を見下ろしている。。ところどころ透けた衣装を、完璧に着こなしている。戦いの最中でない今は、思わず見とれてしまう。泣きぼくろが印象的だった。
「わたくしの名は甄。魏の総大将、曹丕様の妻ですわ」
 ちなみにこの時点では、曹操は戦死したと思われていた。
「わ、私は森蘭丸と申します。織田信長様に仕えております。今はなりゆきで、孫呉に身を寄せていますが」
 甄姫が自ら名乗ると、真面目な蘭丸はつい自己紹介してしまう。しかしすぐに、自分の状況に思い至り、
「それより、逃げませんから、ふ、服くらいは着せてくださいっ! 何という辱め……」
 女のものとは微妙に異なる金切り声で抗議した。その声もまた、甄姫には心地よい。
(信長の側近がこんな美少年ですって? 聞けば彼らの世界では、男同士で愛し合うのが半ば当然だったとか……やはりこの少年も?)
 そのあたりは、この物語の中ではあまり考えないことにする。
「でもまさか……主君の奥方を慰めたりなんてことまでは……」
 ふとわき上がった、根拠のない疑問を、甄姫は思わず口にした。
「…………いえ、その」
 否定の返事がない。蘭丸の頬がにわかに朱に染まっている。甄姫の疑念は彼女の中であっという間に確信めいたものに変わった。
(あの厚化粧! こんないたいけな少年になんとうらやま……いえ、けしからんことをするのかしら!)
 怒りは、すぐに対抗心へと形を変えた。あの女からこの美少年を奪い取り、自分に溺れさせてみせる。
「そう。だったらその忠義の心、試させていただきますわ。わたくしを相手にして、どこまで耐えられるかしら……」
 甄姫は胸元から横笛を取り出し、また吹き始めた。蘭丸の脳裏に、先ほどの衝撃波が甦り、思わず身を縮めてしまう。だが、今回の旋律はまた一味違う。
「う……くあぁ……!?」
 蘭丸の肉体が熱く疼きはじめ、逸物が石のように硬くなる。指一本触れられていないのに、褌の布地を下から突き上げていた。甄姫の笛の音は、蘭丸の神経に直接作用していたのだ。
「くあぁ……あ……んあああっ!! こ、こんなことをすれば、貴方の夫が悲しみますよ」
 男を挑発するような衣装でも、根は貞淑な甄姫の胸がチクリと痛む。それでも悶絶する褌美少年の魅力には抗いがたい。
(私が女を武器としていることは、我が君も十分ご承知ですわ)
そういう『才能』を含めて、曹丕は甄姫を愛している。人妻だった彼女を、奪ってしまったくらいに。
 旋律に合わせるかのように屹立は角度を上げていく。先走りの汁が純白の布地に大きな染みを作っていた。
「ふふ。そろそろ頃合いですわね」
「あ、ああっ……」
 甄姫は笛をしまうと、懐の小刀で蘭丸の褌を遠慮なく斬り裂いた。布切れをむしり取ると、その下からは準備万端の肉刀が姿を見せる。幹には太い筋が縦横し、剥け上がった先端は先走り汁でテラテラになっている。華奢な少年には持て余すような逸物だった。
「こんなにしてしまって、お仕置きが必要ですわね」
 絹の手袋をした甄姫の指先が、蘭丸の股間に伸びていく。最初は物足りないほどに焦らし、徐々に快楽のツボを突いていく。裏筋や袋に這いまわる指は、蜘蛛が獲物を絡め取るがごとく自由自在に動いた。
「く……ふあ! あああっ、やめ、おやめくださいっ」
「まだまだ……あむうっ、ちゅる、ぴちゃ」
「おあああっ――アー、ア――ッ!!」
 肉刀が、艶やかな唇に飲まれた。蘭丸は目を見開き、足指を突っ張らせてもがく。
 勇敢で、気が利く上に美少年、しかも立派なモノ持ち。そんな蘭丸を周囲の女性たち、特に濃姫が放っておくはずもない。当然こういったことをされるのも初めてではなかった。それでも、甄姫の舌技は蘭丸を悶えさせるに十分だった。般若心経を暗唱してみても、蕩けそうな股間の快感は止まらない。熱い口腔内を、己の意思とは関係なく突きあげてしまう。
「ふあああ……ダメ、はう、それ以上はっ」
 限界を訴え、蘭丸が悲鳴を上げた途端、甄姫は口唇愛撫を中断した。口の端から、唾液と我慢汁の混じったものが垂れる。それをぬぐいながら、甄姫は残酷に微笑む。
「んっ……我慢なさい。そうやって耐えている姿が、すごくそそりますもの」
 甄姫も甄姫で、乳頭は服の下で激しく勃起していた。極小の股布は、蜜をたっぷり吸いこんでいる。義務だけで、ここまでできるはずもない。
「んふふ……」
 れろーっと、甄姫は舌先を蘭丸の下腹部に這わせた。へそから胸元へ、そして豆粒のような乳頭へ。緊縛された蘭丸は、それを甘んじて受けるしかない。
 真っ赤な唇で、乳首を吸い立てる。
「あ! あ!?」
「ちゅっ、ちゅ……硬いですわぁ」
 舌先での転がし方が絶妙で、蘭丸は全身を無様にわななかせた。並の男が悶えても気味悪いだけだが、蘭丸の痴態は妖しい色香を放っていた。

 蘭丸が経験したことがないほど勃起したところで、甄姫は股布だけを器用に脱ぎ捨てた。これも絹製で、しかも凝りに凝った刺繍がされている。それを丸め――蘭丸の口に突っ込む。
「んっ、んんん――っ!?」
 口の中に微妙なしょっぱさが、そして鼻腔に秘めやかな匂いが立ち込める。
「ああ、すごくいい声」
ほとんど着衣のまま、甄姫は蘭丸にまたがる。責めるだけで濡れるあたり、甄姫の性癖も相当なものだと言わざるを得ない。自分が全裸で、相手が服を着ている。そして騎乗位。まさに、逆強姦の見本のような状況だった。蘭丸は理性の力で昂りを鎮めようとしたが、どうにもならない。
「行きますわよ」
「んぶ、むぐぐぐ――っ!?」
甄姫が腰をぐりぐりと押しつけていく。凄まじい狭さとぬめりと熱さに、蘭丸は首を振って抵抗の意思を示すことしかできない。
「んー、ん――!」
「あは、立派ですわぁ! ほぉら、あの女にしているみたいに、わたくしを楽しませなさいっ」
 肉棒が衣装の中に消えていく。見えないからこそ、思わず蘭丸はその奥を凝視してしまう。甄姫の思うつぼだった。
 ジュブ、ジュブ、ジュブ……深夜の建業城の一室に、淫靡な水音が満ちる。
「ほら、ほらぁ! 出してしまったら、あなたは主君を、んふふっ、裏切ってしまいますわよ?」
 その言葉に、蘭丸は必死で射精衝動を耐える。媚粘膜による強姦の嵐の中でも、丹田に力を込めて。甄姫としても、中は望むところではなかった。
「んっ、はふうっ! よーく我慢できましたわね。さあ、元気良く放ちなさいっ」
 中だけは避けられたという安堵からか。蘭丸の精が堰を切ったのは直後のことだった。
「ん、ん! んむううっ――!!」
 股布を口に突っ込まれたまま、くぐもった嬌声を蘭丸は上げた。粘つく白濁の噴水が、垂直に噴き上げられる。精は次から次へと蘭丸の腹の上に降り注ぎ、生々しい匂いを放つ。
 蘭丸は肉体的に絶頂を、精神的に深い落胆を味わいながら、しばらく痙攣を続けていた。

「はぁ、はぁ……うぅ、私は、何ということを……」
 屈辱と快楽の嵐が過ぎ去り、蘭丸は泣き出しそうになるのをどうにかこらえていた。
「ふふふ……とても楽しめましたわ。我が君には及ばぬとはいえ」
 横には、いつの間にか甄姫が添い寝している。蘭丸に絡みつき、全裸で美巨乳を顔面に押しつけていた。一仕事終えた逸物を優しく撫でつつ、耳たぶを甘噛みしている。おまけに、脱衣の一部始終を蘭丸に見せつけていた。この極上の肉布団に蘭丸が甘えてしまえば、甄姫の奸計は成就したのだが。
「織田家の名誉のためにも……私の心は折れませんから……」
 その健気さが、甄姫には微笑ましかった。理性を保つことが主家のために最善だろう、普通は。遠呂智の作りだしたこの世界は、本当に身の処し方が難しい。
「いいですわ、今夜はよくお休みなさい。明日から、また可愛がってあげますわ……」
 この後、蘭丸はますます思い知ることになる。この世界には、濃姫に匹敵するほどの妖艶な奥方がいるのだと。

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この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
曹丕×甄姫  曹仁×甄姫  濃姫×甄姫  遠呂智の淫謀・甄姫編

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Written by◆17P/B1Dqzo