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魔王・遠呂智によって融合された三國と戦国の世。遠呂智は合肥で孫呉を破り、従属させる。続いて向かった江戸城に、孫尚香が従軍。徳川方の稲姫と、敵同士として出会ったのである。
尚「父さまのため、あなたを討つ!」
稲「私だって…父上の名を汚さぬため、負けられない!」
結局、戦いは尚香の勝利に終わる。
稲「とどめをさしなさい。お見事です! あなたになら、討ち取られても、いい」
尚「ううん、立って」
手を差し伸べ、尚香は微笑んだ。意外そうな顔をして、稲が見上げる。
稲「……えっ!」
尚「今日は私の勝ち。でも……明日はわからない。私、明日のあなたを見たくなったの」
かくして、弓に優れた二人の姫は、共に戦い始める。しかし、遠呂智や妲己の言いなりになるしかない二人は、不本意な戦いを繰り返す日々が続いた。
あるときは、腹の底の読めない曹丕と共同作戦。
尚「曹丕の奴、本当に頭に来る!」
稲「まさか、曹丕殿は敵に通じているんじゃ…」
尚「稲、もう曹丕なんか当てにしてられないわ」
稲「……そうね、私たちだけで頑張りましょう!」
またあるときは、諸葛亮・司馬懿の手駒として危険な伏兵を。
尚「また反乱軍相手の戦か……気分が乗らないな……」
稲「尚香、お父上のためでしょう? さ、行こう!」
ここで、稲が尚香への友情を吐露する。
信長「稲……うぬは何故戦う?」
稲「友のために、稲は戦います」
信長「迷いはない、か……クク」
秀吉「お前さん、たしか忠勝殿ご息女じゃろ!何故……」
稲「友のため、負けるわけにはいきません!」
秀吉「友のためか……乱世の業は切ないのう」
事態はさらに切迫し、とうとう尚香は孫策と関ヶ原で争うことになってしまう。
稲は尚香のため、孫策の真意を戦いの中で探ろうとする。
稲「孫策様の裏切りに悩み苦しむ尚香を放っておけない。我が友・尚香、私、あなたのために孫策様と戦う! 戦って、その真意、確かめさせていただきます!」
ここから、稲の尚香への思いが余すところなく語られる。
孫策「なあ、教えてくれ! 尚香はどうしてる?」
稲「あなたがお父上を見捨てたこと、嘆いておいでです」
孫策「やっぱりそうか、そうじゃないんだがな……」
稲「言葉は無用です! この弓で問います!」
忠勝「戦場で会ったからには遠慮は無用、参れ!」
稲「我が友のため、父上を越えてみせます!」
家康「稲、このような巡り合わせになるとは……」
稲「殿……!? でも、尚香は裏切れない……」
太史慈「お前に我らの気持ちはわからん!」
稲「あなたこそ尚香の気持ちも知らないで!」
稲は結論を出した。
稲「反乱軍と戦って…その性根に曇りは感じられない。尚香……孫策様を信じてあげて!」
対して尚香は。
尚「稲の言うことが本当か、自分で確かめるわ。私も出ます、大喬姉様に伝令を! 全軍進め!」
結局、尚香も敗れた。だが尚香には、孫策が許せない。
尚「負けたわ……でも、今の兄さまには従えない!」
孫策に武器を突きつける尚香を、稲は静かに諭す。
稲「尚香……孫策様は正のお方です。戦を交えた稲にはわかるの」
尚「でも兄さまは父さまを見捨てて!」
稲「尚香のこと、孫策様はとても心配していたわ。戦の中で妹を思う兄は、父を見捨てません」
尚「稲……私はどうすれば……」
稲「敵と味方、今と昔……兄妹の絆はそれらに勝る。そうですよね、孫策様」
友を思う言葉が、兄弟を和解に導いたのだった。
かくして遠呂智を討つべく、二人は弓を取ることになった。小牧長久手では、
稲「尚香のお父様とお兄様、必ず助け出しましょう!」
尚「ありがとう!稲は私の親友……よね?」
と、尚香も稲への友情に感謝するのだった。
そして迎えた古志城決戦。尚香を捕縛した董卓に、稲の怒りが炸裂する。
稲「不埒者! 尚香を返しなさい!」
無事尚香を奪還し、稲は友と共に遠呂智と妲己を討ったのである。
当サイトの『遠呂智の淫謀』『弓姫二人』は、この流れをベースに、百合風味を出しています。ただし、二人の出会いは妲己に同時に撃破されたことになっています(魔王再臨が発売前だったため)
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
弓姫二人
遠呂智の淫謀 決戦前夜
遠呂智の淫謀 孫尚香編
遠呂智の淫謀 稲姫編
孫尚香×稲姫
Written by◆17P/B1Dqzo