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孫尚香×稲姫

 三国時代と戦国時代を融合した世界に君臨する魔王・遠呂智。だが、彼に抗う者たちも
着実に戦力としてまとまりつつある。
 孫策も、一時は敵対していた妹・孫尚香と和解。孫家の再結集に一歩近づいた。その陰には
尚香の親友となった稲姫の、我が身を省みぬ尽力があった――

 その夜、孫策軍は関ヶ原に程近い某城に入り、将兵を休ませていた。
 一応は将たる身、稲にも一室が割り当てられている。狭くても一人で安らげる空間が、
彼女にはありがたかった。
(尚香……)
 畳に腰を下ろして目を閉じれば、昼間の情景がありありと蘇ってくる。
 孫策に食ってかかる尚香に、稲は言葉を尽くした。
「孫策は正しい心を持っている」
「尚香をとても心配していた」
「妹を思う兄は父を見捨てはしない」
 それに対して、尚香があれほど気弱なことを言うとは思わなかった。
『稲、私はどうすれば……』
 すがるような目が、自分に向けられていた。嗚呼、自分は頼られている。人生の決断を
委ねられている。あの時、神妙な顔の下で、稲はあふれる喜びをかみしめていた。

(でも友の絆は、兄妹の絆には勝てないのかな)
 今頃尚香は、兄と語り合っていることだろう。自分のことも忘れて。なぜか鼻の奥がツンと
したけれど、友の幸せを願う心に嘘はなかった。
(明日からも、友として尚香を支えていけばいい。少し距離は遠くなるかもしれないけれど)
 君子の交わりは水の如し、そう自分に言い聞かせる。
 明日も早い。今日は色々あったのだから、なおさらゆっくり休むべきである。鎧も袴も
手早く脱ぎ、白い木綿の寝間着に着替えた。きりりと束ねた髪をほどき、横になろうとした時だった。

「稲、いる?」
 障子の向こうから聞こえてくる友の声に、稲は考える間もなくそちらを振り向いていた。
「ごめんね、寝るところだったんだ」
「ううん、着替えただけ。入って」
 声が弾んでいるのが、自分でも分かった。
 入ってきた尚香は、少しだけ顔を赤くしていた。孫策と酒を酌み交わしたのだろう。
酒瓶と、一組の小さな杯を手にしている。稲と飲み直すつもりらしい。
 稲は、公の席以外ではほとんど酒を口にしない。あまり強くないし、戦いの妨げになると
思っていた。しかし尚香が相手の時だけは、心地よく飲めた。

 汚れないよう、布団を隅に丸めた。畳の上で稲と尚香が向かい合って座る。
「あんなにあわただしかったのに、用意がいいのね」
「孫呉と酒は切っても切れない仲なのよ。ま、ほどほどにね」
 ほどほどにいかない兄・孫権を思い浮かべたのか、尚香は肩をすくめた。
 杯に注がれる酒は、透明感のある杏色をしていた。実際に杏から作った酒なのだろう。
「んー、何に乾杯しようかしら……」
 互いの杯に注ぎ終わると、尚香は乾杯の言葉を探した。孫家はまだ、離れ離れ。でも、
隣には友がいる。これからも。
「そうね、二人の変わらぬ友情に――乾杯!」
「ええ、乾杯!」
 二人は杯をカチリと鳴らした。甘酸っぱい杏酒を、喉に流し込んでいく。杯を干したところで、
一緒に大きく息をついた。

 互いに酌をしながら、話題はやはり昼間の戦いに移っていく。
「よかったわね、尚香。兄妹で、また一緒に戦えて」
 そう言うそばから、胸の隅がちくりと痛む。稲は自分の器の小ささが情けなかった。
「うん……もう私たち、元に戻れないかもしれないと思っていたから。本当に、安心した」
 杯に映る自分の顔を見つめながら、尚香は微笑を浮かべる。

「でもね、稲」
 尚香は顔を上げ、稲をまっすぐに見つめた。
「稲にはこれからも、私の隣にいてほしいの。私のこと、今一番よく分かってくれてるのは
稲だと思ってる」
「えっ……」
 稲は、耳に入ってきた言葉が信じられなかった。
 でもそれは、ずっと期待していた言葉に違いなかった。

 融合した世界で出会ってから、二人は共に切磋琢磨し助け合ってきた。戦や軍議で嫌な
ことがあった日は、包み隠さず打ち明け、励ましあった。
 太史慈相手に吐き出した言葉が思い出される。
『あなたこそ、尚香の気持ちも知らないくせに!』
「しょ、尚香……そんな、大げさなんだから」
 あれは自惚れではなかったのだ。言葉とは裏腹に、目頭が熱くなる。あっけなく、涙腺が
堰を切った。
「ぐす……尚香は私がいなくても大丈夫なんだ、って……思ってしまったの……ひっく」
「はいはい、そんなことないでしょ。兄様と仲直りできたのも、稲のおかげなんだから」
 酔っているのか、尚香は稲の涙を口で吸い取っていく。柔らかい唇がくすぐったいけれど、
火照った頬に心地よい。
 流れ落ちる涙を追って、唇は舌へ下へと動いていく。それが、急に横へとずれた。

 尚香の唇が、稲の唇と重なった。

「ん……」
「んんっ!?」
 二人ともそのまま、身じろぎ一つしない。稲は目を見開き、尚香はまつ毛を伏せている。
実際には一瞬の出来事が、とても長く感じられた。
 唇が離れると、稲は問いかけずにいられなかった。思わず自分の唇を指で何度もなぞる。
「柔らかい……じゃなくて。ど、どうしたの、尚香」
 尚香は顔こそ赤らんでいるものの、真剣な表情だった。ふざけているとは思えない。
「驚かせてごめん。でも私……もっと強い絆が欲しいの。稲をもっと深く知りたいのよ」

 それを聞いた稲が『女同士なのに』と思うことはなかった。彼女には、これという人物には
とことんまで惚れこむところがあった。傍からは、恋慕と見まがうほどに。
 ァ千代・濃姫・お市――対象が同性ばかりだったことに、いささか謎は残るが。
「尚香……私も、やっと自分の気持ちが分かった。私が求めていたのは、身も心も寄せ合って
共に戦える人。でもその方法を知らなかったの」
「だったら、私が教えてあげる。任せて、怖いことなんてないから」
「ありがとう……」
 もう一度目を閉じて、瑞々しい唇同士を合わせた。すり合わせるだけだったのが、徐々に
深く交わっていく。
 積極的なのは、やはり尚香のほうだった。舌を出して稲の歯列をなぞり、つつく。力が
抜けたのを察すると、その奥へと舌をこじ入れた。友の唾液が、お互いの口の中に流れ込む。
温かく、さらさらしていた。杏酒の甘酸っぱく、いい香りまでする。稲にとって初めての
接吻は、忘れえぬ味わいになった。

 戦国と三國の若き姫将軍は、お互いの髪を撫でつつ、服をはだけさせていく。
 寝間着一枚の稲は、襟を開けるだけで上半身の素肌が晒される。木綿の薄布の下には、
何も着けていなかった。
 白すぎず、日焼けしすぎず。肌は適度に血色がよい。身体つきも発育に過不足は感じられない。
 戦と稽古で引き締められた筋肉の土台の上に年相応の脂が乗り、瑞々しい円錐形の乳房を
形作っていた。
 尚香も、袖なしの上着を腕から抜いた。拘束を解き放たれた乳房が、軽く弾む。
 稲よりもわずかに、肌が白い。だが、均整の取れた体格は稲に瓜二つであった。『武芸を
嗜む姫君』という共通の立場が、影響を与えているのだろうか。品のよさと活発さが、
一つの肉体の中に見事に同居していた。

 半裸の姫君二人は無心に唇を、舌を合わせていた。

 しばらくして、長い黒髪を撫でていた尚香の手が、稲の胸元に向かった。上向きの水蜜桃を
手のひらに収めると、円を描いてゆっくりと揉む。
(あっ……は、始まった……口吸いの続きが……)
 稲の背筋が、ピンと伸びる。尚香は稲の緊張を容易に見て取った。
「力まなくていいのよ」
 初めての愛撫とはいえ、自分にも付いている物である。尚香の指先も手のひらも、最初から
稲に優しい快感を与えていた。おそらく、自分で慰めるときの動きを、そのまま相手に施して
いるのだろう。
 乳首の屹立を手に感じると、今度はそこを重点的にいじめる。指四本で、桜色の乳頭を
つまむと、ちょっとだけ強めに捻った。
「ひぅ!」
 されるがままだった稲が、悲鳴を漏らしてのけぞった。
「ごめん、痛かった?」
「う、ううん、びっくりしただけ。ねえ、私も尚香にしていい?」
「ん? もちろん。稲が気持ちいいことは、私も気持ちいいんだから」
 くどいようだが、お互い同じ物が付いている。なのに、稲の指先は驚くほどぎこちない。
『触りたい』という欲求が、空回りしているようだった。男を遠ざけがちで、同性に憧れる
ことの多い稲は、肉体的な興味も女体のほうが勝るのだろうか。
 そんな拙ささえ、尚香には愛おしかった。

(そろそろ、なのかな)
 稲が身を切なげによじり始めている。さらなる行為を欲しているように、尚香には感じられた。
寝間着の裾に手を入れ、奥へと滑らせていく。
 だが、指先に縮れたものが当たった途端、稲は太腿をきつく閉じてしまった。どうしても、
力を抜けない。そこを見られたり触られたりすることは、いかに親友相手でもためらわれた。

「ご、ごめんね……わがままで」
「無理しなくていいの。稲が自分からしてほしいと思うまで、待ってあげるから」
 布団の上に稲を横たえて、帯をほどき、純白の衣を抜き取った。稲は、一糸纏わぬ全裸に
なった。いかにも瞬発力のありそうな、カモシカのような美脚がとりわけ目を引く。
肝心な部分は見えない。とっさに、両手で股間を隠していた。

「他の所を、気持ちよくさせてあげるわね」
 尚香は稲の上に乗ると、首筋に舌をつけ、舐め下ろしていく。胸元から肩へ、二の腕へ。
親友の味を、舌に覚えこませていく。
「私の腕、鍛えすぎてゴツゴツでしょ……」
 横を向いたまま、稲が悔しそうに呟いた。
 以前ある武将に、戦で言われたことがある。
『あの大弓、並みの腕力では扱えまい』
 稲も年頃の娘である。素直には喜べず、ずっと気に病んでいた。
「そんなことないわ。白くて細くて、とても美味しい……ちゅっ、ぺちゃっ」
 手を取って、指の一本一本まで舐めしゃぶる。それから身体をずらし、滑らかな太腿へと口づけた。
「稲の身体なら、どこでも味わいたいの」
 その言葉に嘘はなく、舌は膝の裏や足の指にまで這っていった。慈しむような舌遣いを
受けていると、稲の心も温かくとろけていくようだった。

(ああ……尚香の柔らかい舌を、ココに受けてみたい。どうなるか、知りたい)
 とうとう、その手が股間からよけられた。消え入りそうな声で、尚香に告げる。
「しょ、尚香……あの、私……いいから……舐めて」
 自分から言いだしたのだから、重ねて聞くのも野暮というものだ。尚香は稲の中心を拝むべく、
膝に手をかけ、ゆっくり押し開いた。
 稲の茂みはとても濃く、長い。自然に任せているのは一目瞭然だった。その黒い森に、
露が降りはじめている。
「立派に生やしてるのね。稲のアソコを、大事に守ってるみたい」
秘裂の縁に指をかけ、くぱあ……と割り開く。男の気配が微塵もない、桜色の内部粘膜が
姿を見せた。

「これが稲のすべてなのね。色も形も綺麗。へぇ、お豆はちょっと大きめなんだ」
 かけられる言葉から、じっくり観察されていると悟り、火が出そうなほどに赤面する。
「じゃ、失礼しまーす」
 稲には刺激が強すぎると思ったか、陰核の包皮は剥かずに指先でこね回す。それだけでも、
ウブな親友は腰を何度も浮かせて悶える。
「うぅん、あぅ、そこはっ! そんなにしないで、私おかしくっ」
「ふふ、感じやすいんだ。けっこう、一人でしてたりして」

「ど、どうしてそれを……あっ!」
 慌てて口をつぐんだが、もう遅い。恥ずかしい秘密を、稲は自分から告白してしまった。
「野営で、隣で寝てたとき。苦しそうな声で、すぐに分かっちゃった」
「わ……私、おかしいのかもしれない……二日に一回くらい、我慢できなくて……」
 気苦労が絶えず、それを解消する時間もない。最近は、半ば追いつめられるように夜の
一人遊びに耽っていた。自慰といってもお上品なもので、枕を太腿に挟んで角をこすりつけたり、
たまに直接指で陰核をいじったり。指を膣内に入れてすらいなかった。
 それなのに稲は、いつも事の後でよけい悩んでいた。自分を律することもできない、
度を越した淫乱なのではないかと。
「お願い、殿や父上には言わないで!」
「大丈夫よ、私だって全然しないわけじゃないし。稲は真面目すぎるの。すぐに『不埒者ー!』
とか言うし♪」
 自慰にすら罪悪感を抱く稲を、尚香は心底微笑ましく思った。同時に、自分の手で色々教えて
やりたいとも。

「誰を思い浮かべて、してるの? ねえ、言って」
 的確な陰核責めで、愛液は次から次へと湧き出す。それをまた陰核にまぶし、ヌルヌルにしていく。
それが稲には、経験したことがないほど心地よかった。
「い、今は、ひいっ! 今は……尚香よ……」
「……よろしい」
『愛してる』と無理やり言わせているようで、後ろめたいものはあった。それでも、言ってほしかった。

 たっぷり秘裂から蜜を分泌させると、尚香は顔を近づけ、チロリと舌を出した。いくら
稲でも、何をしようとしているか分からないはずがない。
「ダメ、お雛様を舐めるなんて、やっぱり汚いっ」
「お雛様って……ああ、オ×××のことね?」
「オ×××? 尚香は、そう呼んでるの? よく分からないけど……な、何だか、すごく
はしたなく聞こえる。オ、オ×××だなんて、そんな、言っちゃダメよ」
 稲の遠まわしな表現に、尚香は驚いた。よほど親の教育が偏って、もとい行き届いていたようだ。
 一方の稲は、世間一般で使われる卑語に少なからぬ衝撃を受けていた。口の中で繰り返すと、
なぜか動悸が激しくなる。

「大丈夫よ。稲の身体に、汚いところなんてないから」
 かくいう尚香も、下の口への接吻は初めてである。
 それどころか、まともな接吻さえ今夜が初めてだった。侍女同士が愛し合っているところを
偶然目撃したりしているから、稲よりは予備知識がある。それでも気持ちだけで突っ走っている
ことに変わりはなかった。
(これが稲の匂い……)
 いかに稲といえども、女性器から花のごとき芳香がするわけではない。強い乳酪臭が鼻先に
立ち込めた。しかし、それは尚香を惹きつける匂いでもあった。
 友へ万感の思いを込め、口づける。ぬめり、ざらつくものが、一人遊びで発育した豆を
左右から嬲った。
「う、はあっ! 尚香の舌が、お豆をはたいてるっ」
 水を飲む犬猫のように、淫豆の上を舌が素早く往復する。割れ目が湿ってくると、そこに
口をつけて愛汁をすすった。酸味の強い味が徐々に、塩味へと変化していく。

 包皮越しでも、稲には十分すぎる刺激だった。しかも、他ならぬ尚香が舐めてくれている。
興奮も幸福感も、一人のときとは比べ物にならなかった。
 神経の集中した陰核から生じる快楽の雷撃が、何度も生娘を襲う。もう、翻弄されるがまま、
布団を握りしめるのが精一杯だった。可愛らしい足指も布団をつかみ、大きな皺を作り出す。

「あ、イヤ、いやぁ! 尚香怖い、何か来る、何かが来るのぉ」
 終わりが、近い。すぐに悟った尚香は、とどめをさしてあげることにした。口を離し、
親指と人さし指でごく軽く押し潰す。
「じゃあ、イかせてあげるね」
「ダメ、あああっ――」
 目をぎゅっとつぶって、稲は喉の奥から随喜の叫びをあげた。胸を反らし腰を浮かせて
弓なりにのけぞり、固まる。太腿にも力が入り、逃れられないほど強く尚香の頭を挟み込んだ。

 何秒もたって、やっと稲は布団の上に沈んだ。
「はーっ、はーっ……」
 肩で息をし乳房を上下させながら、涙をたたえた目で呆然と天井を眺めている。尚香もようやく、
脚の間から抜け出した。顔に浴びせられた稲の愛汁を、手の甲で拭い、舌で一舐めする。
とても、塩味が強かった。
「イッたんだ……私が、稲をイかせた……嬉しいな」
 呼吸に合わせて乳房を上下させる稲を、尚香は横で飽きることなく見守っていた。軽く
触れただけで余韻にわななく稲が、また愛しかった。
 少し落ち着いたところで、稲が尚香にぽつぽつと語りかける。
「ごめんね、尚香。私ばかりが気持ちよくなってちゃダメよね……」
 尚香には、そんな友の気遣いが嬉しかった。横たわったままの稲の手を取って、自分の股間を
撫でさせる。友の痴態を見せつけられていた尚香のそこは、布地越しにも湿り具合が分かるほどに
なっていた。
「今度は稲が、してくれるの? 無理しなくていいから」
「……うん」

 稲がよろよろと起き上がる。尚香の下半身の服に手をかけ、引きおろしていく。見慣れた
ヘソの下から、濃密だが丁寧に処理された茂みが顔をのぞかせた。こうして尚香も、稲と
同じく全裸になった。

 稲と尚香。遠く時と国を隔てていても、首から下はまるで姉妹のようによく似ていた。
静脈の透き通る美しい乳房も、引き締まって上向きの桃尻も。
(ああ、今日も素敵……)
 風呂や水浴びで、友となった娘の裸体を見るたび、稲は妖しい胸のときめきを覚えていた。
目に焼き付いたその艶姿は、しばしば夜の一人遊びの具となってさえいた。
「じゃ、じゃあ、やるからね」
 わざわざ宣言してから、稲は尚香に触れはじめた。顔はなるべく平然を装ってみるものの、
ぎこちない指や舌の動きはとても同性相手とは思えない。
 乳首にはしばしば歯が立ち、肌の上には強く吸いすぎて内出血がいくつも浮かんでしまった。
(痛、あぐ! うわぁ、動き硬いわね。これじゃ、毎日慰めても気持ちよくなれなかったんじゃないの?)
 もちろん、肉体的な快感には程遠い。しかし、あのお堅い稲に舐めさせているという事実が、
何よりも心地よい。

 稲に満足するまで触れさせてから、尚香は自分の欲望を満たすことにした。
「ね、ねえ。私のオ×××も、舐めてほしいんだけど……」
「う、うん。任せて、さっきのでコツはつかんだから」
 尚香の秘裂を、稲はまじまじと凝視する。当事者には分からないだろうが、女陰のたたずまい
までよく似ていた。花びらは色が淡く、はみ出しが少ない。そのくせ淫豆の発育は
なかなかで、妙に卑猥なものがあった。
 自分がされたように、尚香の姫割れにむしゃぶりつく。といっても、何も知らなかった
稲はひたすら舌を割れ目に沿って動かすことしかしない。
 尚香にとって、上手下手は元から気にしていない。ただ、稲が自分の何もかもを受け入れて
くれれば、それでよかった。

「あぁんん、んっ……稲、凄く上手よ。才能があるのね、きっと」
 根拠はなくても褒められて、稲は舞い上がる。尚香のため、舌がつりそうになるほど
口唇愛撫に励んだ。
 頑張る稲をまた、悦ばせてあげたい。一緒に、昇りつめたい。少しだけ冷静さの残る
頭の中で、尚香はこの契りの終局をどうするか、考えをめぐらせていた。

(あれ、試してみようかな)
「それくらいでいいわよ、稲。もっと、一つになりたいから」
 まだイかせていないのを残念がりながら、稲は尚香の割れ目から口を外した。薄く紅を
塗った唇が、さらに愛液で濡れ光っている。
「でも、私たちは女同士で、その」
 男根がない、と言いたいのだろう。しかし二人の生娘にとって、膣内に肉棒を埋められる
ほど怖いことはなかった。だから、そんなことはしない。
「ううん。女同士だから、純潔も破らず一つに溶け合えるの」

 これまた侍女たちのしていたことを思い出しながら、尚香は稲に仰向けになるよう命じた。
軽く脚を開き、胴体を挟み込むように深く交差させる。必然的に二人の局部はどんどん近づいて
……ついに接した。くちゅり、と水音が立つ。
「ね、ねえ、これからどうするの?」
 稲が、心配そうに聞いてくる。
「待って、確かここから、こうして……」
 とりあえず腰を揺らし、花びらを擦り合わせてみた。その刹那。

 陰核までもが摩擦に巻き込まれ、今までで一番深い衝動が、脳天に突き抜けた。
「はぅあああっ!? しょ、尚香! あなたのお雛……オ×××の熱さが、稲に伝わって
くるっ」
「きゃふっ……私も、稲をここで感じるわ……トロトロで、温かい……ああ!」
 姫割れの間で分泌液が糸を引き、それこそ接吻するような粘着音が生じる。
 溶け合うのは身体だけではない。汚れを知らない生娘同士の精が、交わることでさらに
練られ、高められていく。
 気持ちよくて、止められない。二人は相手の片足をつかんで引き寄せた。猛烈に腰を動かすと、
生じる音はさらに粘っこく、大きくなっていく。聴覚が刺激され、ますますいやらしい気分が
高まっていく。

「はひぃ! 稲ぁ、一緒に、ね」
「うん……一緒、ずっと一緒にぃ! あむっ……」
 ついには上体を起こし、むさぼるように口づけを交わしはじめた。両手はそれぞれの
尖りきった乳首をつまみ、動きを同調させて捻っている。千数百年の時の壁を越え、
二人は同じ快感を分かち合っていた。
「はっ、はっ、はふう! 嗚呼イくっ、私またどこかにっ」
「稲、離さない……このまま死んでも……」
 四つの乳房がぶつかってひしゃげるほど、稲と尚香は強く抱き合った。
「「あはあああ――っ!!」」
胎内に点いた官能の炎が脊髄を駆け上り、二人の意識はそこで途切れた。

 どこかで、野鳥たちが鳴いている。格子戸から、新しい一日の光が稲のまぶたを照らした。
 目を覚ますと、隣には安らかに寝息を立てる尚香がいた。二人とも、何も身に着けていない。
(こ、これは! そうか、昨晩は、尚香と……)
 行くところまで行ってしまったことをまざまざと思い出し、稲は両手で顔を覆った。
(でも……後悔なんてしない。何も、恥ずべきことはない)
「おはよう、尚香。もう、朝よ」
 短く切り揃えた親友の髪に、そっと手ぐしを通す。剥き出しの肩を軽く揺すると、眉間に
皺を寄せてから、尚香は眩しそうに薄目を開けた。
「ん〜……何だか身体が軽いなぁ。きっと稲と愛し合ったおかげね」
 悪戯っぽい笑みを、尚香は稲に向けた。
「も、もう……恥ずかしいこと言わないでよ」
 稲はぷいっと横を向いた。が、すぐに笑顔になると尚香に口づけた。また、肌をまさぐり
始める。朝日の射す中、二人は布団の中で長いこと戯れていた。

 その後の二人は、以前にも増して息が合うようになった。特訓でもしているのかと聞かれても、
答えはいつもはぐらかされる。ただ二人が、見つめあって微笑むのみであった。

番外編 孫尚香×稲姫 完

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
真田幸村×稲姫
陸遜×孫尚香2
陸遜×孫尚香
真田幸村×孫尚香
直江兼続×稲姫
稲姫×ァ千代
孫尚香×稲姫
遠呂智の淫謀 孫尚香編
遠呂智の淫謀 稲姫編
弓姫二人

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Written by◆17P/B1Dqzo