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立花誾千代は独り、険しい山道を駆けている。反遠呂智の戦いのため、とある急な使いを引き受けていた。どこぞの名族と違い、彼女は嫌な顔一つしない。それが本当の誇り高さというものだろう。
「さすがにこの道では、鎧もいささか重いな。む？」
彼女の前方に、脇の藪から何者かが飛び出した。こんなところに、若い女が。きりりと束ねた黒髪と、凛とした顔立ちに、見覚えがある。何より、手に持った大弓に。
「稲殿ではないか……そ、その格好はどうしたことだ！」
確かに、本多忠勝の娘・稲に違いない。が……今の彼女は見慣れた袴姿ではなかった。
「おい、気は確かか！？」
誾千代が目を丸くするのも無理はない。稲はほとんど何も、身に着けていなかった。
引き締まった瑞々しい乳も尻も、平然と剥き出しにしている。乳頭と、恥丘から菊門にかけてだけを、蛇の鱗のような極小の装甲で覆っている。足元も、素足に草鞋しか履いていない。清楚な大和撫子が、正気でできる格好だろうか。
そう、稲はすでに正常な思考力を失っていた。魔王・遠呂智に敗れた彼女は、術で心を縛られ、蛇に純潔を破られた。それだけではない。胎内にたっぷり注がれた毒液が、本来の人格を溶かし尽くしていた。今、誾千代に相対している娘は、稲姫『だった』肉人形でしかない。
ただ、誾千代への想いだけが、この上なく歪んだ形で残されている。
ゆっくりと弓を引き絞り、誾千代に狙いを定める。身体のどこをどう使っているのか、裸体ゆえによく分かる。無防備極まりない姿のせいで、背負った矢筒と手にした弓がやけに物々しく見えた。
「ねえ、立花様……敵同士でなければ私たち……うふふ、うふふふふ」
「何があったのだ、あれほどまっすぐだった稲殿が……」
緩んだ口元からは狂おしい哄笑があふれ出し、つぶらな瞳から理性の輝きが失せている。変わり果てた知人を前に、誾千代は一瞬、飛んでくる矢をよけることさえも忘れてしまった。
「くっ！」
欲望と狂気に満ちた一本の矢が風を裂き、誾千代の首筋をかすめていった。
もちろん、致命傷にもならない。それも誾千代には哀しかった。雷切を握る手に、力がこもる。
「正しい心がなければ、当たる矢も当たらぬ。待っていろ、今、この手で目を覚ましてやる……っ！？」
誾千代の身体から急激に力が抜けていく。その手から、雷切が落ちた。ひどいめまいと疲労感が襲ってきて、立っていることさえできない。
（これは、毒！？ こんな卑怯な手を、稲殿がっ）
視界が、かすんでくる。それこそ亡者のような足取りで、全裸の稲が歩み寄ってきた。 誾千代の目の前で膝をつく。適度に血色よい肌は陶磁器のように滑らかで、ほのかに芳しい香りが漂ってくる。香油でも塗りたくっているのだろうか。発育良好な乳房は陽に輝いて、食べ頃の果実を思わせた。
存外細い誾千代の首筋に唇を寄せ、稲は舌をめいっぱいに伸ばして一舐めした。傷口に滲んだ血を吸い出し、口の中で美酒のように転がしている。
「綺麗……血も綺麗で、美味しゅうございます」
「ひっ……」
ナメクジが這うようなねちっこい舌遣いに、何より稲の猟奇的な発言に、誾千代は心底恐怖を感じた。この娘は稲の姿をした別の『何か』であると、いやでも思い知らされる。
しかし、今の彼女には突き放す力さえも残されていない。膂力では勝っているはずの相手に、抗えず押し倒されていく。美しいが作り物じみた笑顔が、目の前いっぱいに広がった。
「立花様、稲にすべてをお任せください。そして、私の仲間に……ふふ……」
耳元で囁く声を最後まで聞けぬうち、誾千代の視界は暗転した。
うっそうと茂る木立の中、二人の女武者が裸体を妖しく絡ませている。いや、誾千代が一方的に、稲にまさぐられていた。
周囲には、鎧の残骸が散乱している。明らかに、引きちぎられた形跡があった。稲がその細い腕でしたことだった。遠呂智の人形と化した稲は、腕力も常人を超えていた。
中に着ていた衣も剥ぎ取られ、誾千代の背中や尻を汚さぬように敷かれている。妙な心配りもまた、妲己に刷り込まれているからだろう。
「はぁあっ……駄目だ、そんなところぉ」
稲の下で、誾千代は弱々しく抗議する。
しかし、血管すら透き通る色白の美巨乳はしっとりと汗ばんで、淡い先端をコリコリに尖らせている。そこに稲が吸い付き、しゃぶると、誾千代は存外に可愛い声で鳴く。抗議に、まったく説得力がない。
「あふうぅっ！？ な、何……あっ、ああっ」
さらに、股間の肉珠を指先で軽く転がされるだけで、誾千代はガクガク腰を振ってしまった。陰唇だけでなく、もっと身体の奥から悦びの蜜が滲んでくる。女当主の姫割れには、産毛の一本も生えていない。もちろん剃っているのではなく、体質だった。そんな、赤子同然のたたずまいの女陰がダラダラ涎を垂らす様は、相手の嗜虐心を煽るに十分だった。
「ふふ、濡れてらっしゃる。稲が、気持ちよくさせたのですね」
濃密な飾り毛をベトベトに濡らし、頻繁に誾千代の唇を吸いながら、堕ちた弓姫はいっそう激しく憧れの女性を責める。
「やってるやってる、女の子同士で♪」
誾千代の頭上から、別の女の声が響いてきた。顔を上げると、病的に白い肌を破廉恥な衣装で包んだ女が、ニヤニヤしている。
「んー。女の子のお乳同士が重なり合うのって、とてもいい眺め」
「う、うぅ……妲己……はぁう、い、稲殿に何をした、あぁん！」
誾千代が喘ぎながら問いかけてくるので、妲己は吹き出してしまった。
「何って、自分の気持ちに正直にさせてあげただけ。この子は真面目な顔して凄いわよ？毎晩あなたのことを考えながらオ××コ弄ってたんだから」
「嘘だ！ 稲殿に限って、そのようなみだりがましい行いをするはずが、あぁんんっ！ 中は、中はダメぇ」
稲の細い指が中まで侵入し、快楽のツボをせっせと擦り立てる。あまりに、手慣れていた。
「本当です、立花様。稲は自分のお雛様を、こうやって夜な夜な、んふうっ」
「はぁ、ひい……言うな、言わないで」
稲が実演しながら、赤裸々に告白してくる。身体の自由が利くのなら、耳をふさぎたかった。
「誾千代さん、次にあなたは『なぜそんなことを知っている』と言うわ」
「なぜそんなことを知っている……ハッ！？」
完全に女狐の手の内だった。勝ち誇るように、妲己が言葉を紡ぐ。
「お人形さんにする前にね、心を操って聞き出しちゃった。面白かったぁ、こんなに淫乱な生娘見たことなかったもの。知ってる？ この子自分を慰めるとき、オシリのアナまで使って」
「いや、やめろ、いやああぁぁっ……」
下品な暴露は、延々と続いた。誇り高き女当主が、自ら心を閉ざすまで。
「ぅ……あ……！」
「じゅるっ……これが立花様の味、なのですね」
黒髪を振り乱し、腰を淫靡にくねらせながら、稲は誾千代の股に顔をうずめている。汗や愛液にまみれたそこは独特な匂いを放っているが、稲にとっては芳香としか思えないらしい。
熱心な口唇愛撫を受ける誾千代は、抵抗を諦めたかのようにぐったりとしていた。しかし、花弁をついばまれる快感はいかんともしがたい。時折、瀕死の獣のように裸身を震わせた。
「妲己様……私もう、立花様と一つになりたい……あむ、れろっ、この赤ちゃんみたいなお雛様を、滅茶苦茶にしてあげたいんです……」
「くすくす、もう我慢できないのね。いいわよ、見せてあげなさい」
何を思ったか、妲己が突然指を鳴らした。
「お、あ、あ、あ！？ 凄い、凄く太くて長いのがああぁぁ！！」
途端に、稲が愛撫の手を止めて絶叫しだす。
股間の装甲が男根の形に膨れ上がり、稲の膣に奥まで突き刺さった。それは、遠呂智の股間の大蛇を精巧に模している。遠呂智に処女を奪われたときは心が壊れるほどの激痛を受けた稲だったが、今や異形の張り型を嬉々としてくわえ込んでいた。
「生えてる、遠呂智様の逞しいモノが、稲のお雛様から生えてます！ もう、たまらないっ」
胎内で稲の肉体と一体化した張り型は、刺激を過敏なまでに神経に送り込んでくる。
さらに直腸も遠呂智の張り型で貫かれる。出すための場所に挿入できるよう、徹底した調教を受けた成果であった。
「うふふ。参りますよ、立花様」
誾千代を肉人形の仲間に引きずり込もうと、稲『だった』肉人形がのしかかる。擬似男根に手を添えて、誾千代の処女孔に切っ先をあてがった。くちゅりと、いやらしい水音が立つ。
「そ、それだけは、ダメだ、稲殿ぉ」
不安を声にも顔にも出して、誾千代が後ずさろうとする。その肩を、妲己が押さえ込んだ。もう、逃げ場はない。
「これでよし、っと。稲さん、ずばーっといっちゃいなさい」
「はい……力を抜いてくださいませ……」
緊張した面持ちで、稲は前に腰を進める。間もなく、狭い部分に突き当たる。
「そこから先は、本当に、許して――」
「立花様の、純潔……稲が頂戴いたします！」
擬似男根を力強く突き入れ、稲は憧れの女性の大切なものを一瞬のうちに破った。
「稲、ダメ、ふぎゃああ――っ、ああ――っ！！」
猫が絞め殺されたような、悲痛な絶叫が森を揺らした。会陰を、無垢だった証が無残に伝い落ちる。
「こんな、こんなの……立花は散ってしまった、のか……」
絶望にうめく立花家当主の顔を、稲はうっとりと見つめていた。その横顔に、哀れみや罪悪感は微塵も浮かんでいない。あるのはただ、歪められた想いを遂げたことへの満足感だけ。
「立花様の膣内、とても狭くて温かい。もう我慢できないの、ほらっ、ほらああ！」
「ぐ、がぁ！」
まるで男のように、稲は貫通したばかりの処女地を蹂躙し始めた。一突きごとに、誾千代の目から涙がこぼれ落ちる。その涙を、妲己が舐め取っていった。
「いい声、いい泣き顔……ゾクゾクしてきちゃう。ほら稲さん、もっと誾千代さんを泣かせて！ まだまだ悲鳴が足りないわ！」
「はいっ！ くうぅ、私の想い、その身で知って、おおうぅっ、くださいませっ」
咆哮を上げながら、稲は前後運動をますます加速させる。誾千代の心身は目も当てられないほどズタズタに引き裂かれていった。
狭い秘洞の中を激しく掘削すれば、すぐに限界も訪れる。稲の脊髄を、ゾクゾクと快楽の電流が駆け上っていく。
「はぉああぁ、立花様ぁ……もう私たち、争わなくていいんですよ。イ、イク……果ててしまいますうぅっ！」
美しい乳首同士を擦り合わせ、稲が絶頂を迎える。陰唇の表面から、子宮頚管から。稲自身の様々な体液が、男根内の管を通って誾千代の胎内に噴き出す。
「もう、止まらない……稲の全部、受け止めてくださいませぇ」
「うああ……？ 何を、出して……ああ、そんなっ……消えていく……？」
妖力に満ちた張り型は、稲の体液を遠呂智と同じ毒液に変えていた。粘膜に染み込んだ毒が、誾千代の人格をドロドロに溶かしていく。その先にはもう、立花の誇りも何もない。
（忠勝殿、すまない……稲殿を、救えなかった。島津……次に会ったときは……容赦無用だ……頼む）
最後にそれだけを願い、立花誾千代という存在は稲の体液の中に消え去った。
「うっ――！ はぁはぁ……お慕い、しています。私の、立花様……」
硬直が解けた途端、稲は自分が犯した女性の上に倒れこんだ。きつく抱きしめ、何度も、何度も唇を奪う。まるで、恋人同士のように、愛しげに。
同性陵辱劇をたっぷり鑑賞していた妲己は、満足そうにため息をついた。
「ふうぅ、楽しかったぁ。さてと、誾千代さんも素敵なお人形にしてあげないと。妲己様の腕の見せ所ね」
こうしてまた一人、無双の力を持つ娘が魔界に引きずり込まれた。稲と誾千代の魂が解放される日は、果たして来るのだろうか。
番外編 稲姫×立花誾千代 完
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
真田幸村×稲姫
遠呂智の淫謀 立花誾千代編
遠呂智の淫謀 稲姫編
孫尚香×稲姫
弓姫二人
直江兼続×稲姫
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