新着情報 作品一覧 リクエスト WEB拍手返事 リンク ごあいさつ

遠呂智の淫謀 稲姫編

 最深部の分厚い扉が、稲を歓迎するようにひとりでに開いた。
 数千の人間を収容できるような広間が、眼前に現れた。はるか遠方に、青い肌をした巨漢が、
大鎌を手に仁王立ちしている。
「本多忠勝が娘、稲、推参! 遠呂智、我が友尚香を返してもらいます!」
 声を限りに、稲は名乗りを上げた。遠呂智が期待していたとおり、顔立ちは凛として
身体も引き締まっていた。
 背負った矢筒から矢を一本取り出して、魔王に向けて弓を引き絞る。挨拶代わりの一撃が、
光を纏って魔王に放たれた。遠呂智は即座に大鎌で叩き落とし、返礼とする。
「待ちかねたぞ、最強の武人の血を引く娘、最後の『鍵』よ。さあ、入ってくるがいい」
 静かに語りかけるだけで、空気がビリビリと震える。しかし恐れることなく、稲は広間の
中央へと歩んでいった。

 魔王に近づくにつれ、稲は異様な光景に気づいていく。周囲の壁には十一名の女たちが下半身を
埋め込まれ、喘いでいた。上半身は剥き出しで、大小さまざまな乳房が、荒い呼吸に合わせて
上下している。一様に、乳頭をムクムクと屹立させていた。壁の中では前後の穴を蛇に犯され、
悦んでいる。
 その中には、稲が見知った顔も少なくなかった。
「はぁああ……遠呂智様ぁ」
(た、立花様! こんなところで、いったい何を)
 理想の武士として憧れていた、立花ァ千代もその一人に成り果てていた。鎧の下に
隠されていた色白の美巨乳が悩ましく揺れると、思わずそこに目が行ってしまう。
「こういうの、嫌いじゃないわ……んふ、ふうっ」
 濃姫、お市……皆、目を伏せて、よがり声を上げている。あまりに扇情的な光景に、
稲は息苦しさを覚えた。たとえ女同士でも、艶かしいものは艶かしい。

 そして、遠呂智の足元には。
「尚香っ!!」
 孫尚香『だった』短髪の娘が、全裸で打ち捨てられていた。布一つかけられていない。
虚空を見つめたまま、二喬に舌で身づくろいされている。
「アン……アッ……ア――ッ」
 充血した乳首や陰核を吸われるたび、瀕死の獣のように裸体は打ち震えた。何らの精神活動も
そこにはなく、ただ肉人形が刺激に反応している。無残としか言いようがなかった。
 それでも、稲は尚香を連れて帰ると決めていた。どんな姿になっても、友は友だから。
 遠呂智がクイクイッと手招きする。
「我を倒せば、その娘はくれてやる。妲己にも手出しはさせぬ、来るがいい」
 妲己はと見ると、宙に浮いた妖玉に腰かけ、ニヤニヤしながら稲を眺めていた。もちろん
妲己も、稲には許せなかった。二人を討たねば、尚香たちの尊厳は汚されたままになる。
「父上、殿、稲をお見守りください。参ります!」
 湧き上がる怒りを静かに力に変え、稲は再び弓をつがえた。

「ちっくしょおおお! 大喬の次は、尚香がぁ! なあ周瑜、突入しようぜ、今すぐ!」
 孫呉の本陣では、孫策が古志城を指差し、吠えていた。尚香の映像が消えたことで、
不安がいっそう増す。
 しかし、傍らにいた周瑜は決して同意しない。
「めいめいが怒りに任せて戦っても、遠呂智に勝つことはできまい」
「けど、急がねえともっとひどい目に!」
「駄目だ」
 彼もまた、自分の幼な妻を汚されていた。怒りのほどは孫策にも劣らない。しかし、
補佐役という立場がある。殴られようと、彼は友を止めねばならない。
「この地で戦っているのは我々だけではない。協力し、包囲の輪を狭め、遠呂智を
引きずり出すのだ」
 周瑜が耐えていることくらい、孫策には察せられた。友の思いを踏みにじることは、
できない。
「……分かったよ。他の連中と力を合わせて……何だぁ!?」
 土ぼこりを巻き上げ、本陣の前に、騎乗した一人の武者が滑り込んできた。全身をいかめしい
甲冑で覆っている。中でも兜から突き出した、鹿の角のごとき飾りが目を引く。背丈は
呂布に匹敵し、手にした大槍も呂布の方天画戟の向こうを張っていた。
「頼もう! 本田平八郎忠勝、遠呂智を穿たんがため馳せ参じた!」

「おお、忠勝! 来てくれたのか」
 家康が精一杯の早足で出迎える。
「本多忠勝? あの戦国一と謳われた豪傑か! 我らに加勢してくれるとは、これほど
ありがたいことはない」
 腕を組んで沈黙していた孫堅も、椅子から立ち上がると深く一礼した。忠勝も即座に、
巨体を窮屈そうに折り曲げ答礼する。
「申し訳ござらぬ。拙者の娘が軽挙妄動でご迷惑をおかけしていると聞く」
「いや、彼女の行いは俺の娘を思ってのこと。詫びるのは俺のほうだ」
 口ではそう言いながら、周囲には孫堅の剣で真っ二つ、あるいは十文字に斬られた岩が
いくつも転がっていた。
「さて、忠勝殿にはいかに動いてもらうかだが」
 そこに、必死の形相で伝令が飛び込んできた。
「申し上げます! 稲姫様、古志城本城へ単身突入!」
 二人の父親が、顔色を失う。
「いかん! 急がねば、稲殿も……くっ、尚香の二の舞になってしまう!」
「やはり、あのご老人のおっしゃった通りか」
 左慈は呂布のあと、忠勝に会い、稲が狙われていると知らせていた。しかし、そこで
飛び出す忠勝ではない。
「城外の速やかな制圧こそ、遠呂智を討つ近道でござる。その為には我が身と蜻蛉切、
いかようにも使われよ」
「しかし……わ、分かった」
 鋼のごとき精神力をもって、忠勝は娘への想いを口に出さなかった。心の中だけで、
つぶやく。
(稲。少しだけ、あと少しだけ耐えよ。父がすぐに迎えに行く)

 矢は折られ、弓は弦を斬られていた。鎧は砕かれ袴は引き裂かれ、石畳の上に散乱している。
いずれにも、まだ人肌の温もりが残っていた。
 怒りに燃えた今の稲姫でさえ、遠呂智の敵ではなかった。遠呂智の鎧は矢を通さず
刃を弾いた。逆に遠呂智の一撃は稲の鎧をものともせずに打ち込まれ、意識を飛ばさせていた。
 敗北――それは贄を意味した。最後の肉人形が今、生まれようとしている。

「あぁん……や、ダメぇ……!」
 稲が、甘い悲鳴を上げた。尚香と同じく、腕を上げた状態で手首を蛇に縛られ、梁から
吊り下げられている。剥き出された柔肌は風の冷たさを感じていたが、それ以上に肉体の
火照りが増していく。
「皆様……どうして、こんな……ひ! あ!?」
 手甲と脛当て、鉢巻だけとなった彼女の肢体に、四人の女たちが絡みついていた。一糸
纏わぬ人形たちは、よってたかって稲を愛撫する。
 皆、稲に関する記憶だけを戻されていた。そして、彼女に対する歪んだ欲望を植えつけ
られている。その欲望がウブな姫君に注がれ、絶え間なく喘がせていた。
 稲の乳房は人並み以上に豊かに発育し、表面にはうっすらと静脈が走っている。乳首の
色も桜のように淡い。清い果実には、男が触れたこともない。
 その一対の水蜜桃を、濃姫と市が玩味していた。
 濃姫が右、お市が左の乳房をそれぞれ受け持っている。指先で乳輪のそばをツツツ……と
撫でたり、そっと乳首を口に含んで、飴玉のように転がしたり。女同士、快感のツボを
的確に押さえていた。
 しかも、二人とも生まれたままの姿を見せつけている。そんな場合ではないと思いつつ、
稲は二人の艶姿につい見とれてしまう。自分より二回りは大きな濃姫の魔乳に、乳首をくすぐる
市の愛らしい唇に。
 滑らかな乳肌はもう、唾液と汗でテラテラに輝いていた。長くてざらついた濃姫の舌と、
可憐でしっとりとした市の舌。感触は異なるが、心地よいことに変わりはなかった。
「して欲しかったんでしょ? 女同士でこういうこと。薄々感づいていたわ」
「ええ、硬くなっていますね。快楽を堪えても詮無きこと、達するのがあなたの運命」
「そ、そんな、言わないでくださいませ……ひぅ!」
 耳をチロチロ舐めつつ、二人は責めの言葉を同時に吹き込む。皮肉にも、濃姫と市は
かつてないほど良好な関係を築いていた。

「思っていたとおりだ……稲殿のここはこんなにも……美しい」
 稲の下腹部には、立花ァ千代が頬をすり寄せていた。
 溢れる生命力を象徴するかのように、稲の草むらは実に濃く、長い。尚香よりさらに立派で、
陰唇を守るように茂り、会陰にまで達している。逆三角形に生い茂った陰毛は、しかし縮れが
少なく、汚らしい印象は受けない。むしろ手の入っていない原生林であることが、
稲の飾らぬ美しさを引き立てていた。
 見事な毛の束を、ァ千代は何度も手ですいた。ァ千代のそこは、赤子のようなたたずまいを
している。
片手で自分の恥丘をさすっていた。感触を比較して、羨んでいるらしい。
「た、立花様、立花様ぁ、いけませんっ」
 憧れの人が、自分の恥ずかしい部分を観賞している。その視線を思うだけで、稲の秘花は
ジュクジュクと疼き始めた。女としての青さを感じさせる乳酪臭が、ァ千代の鼻腔を満たす。
不快ではなかった。
「良き香りがする。稲殿、心地よいのだな」
 うっとりとした視線を送りながら、ァ千代は茂みの奥を両手でくつろげた。指先に、
強い湿り気と粘り気が触れる。
「そんな、ご無体な! 見ないで、くださいませっ」
 稲が脚に力を入れ腰をひねったところで、露出を止めることはできない。自慰しか知らない
桜色の処女肉が、白日の下にさらけ出された。
「綺麗だ」
 むしゃぶりつくように、ァ千代は鼻先を埋める。特に大きめの淫豆を転がすと、痴蜜は
いっそうあふれ出した。
「あ……うぅ……ひあ! 嫌、お雛様はダメぇ、立花様が穢れるっ」
 稲の懇願に耳を貸さず、ァ千代は愛液を貪りすすった。
「ちゅずっ……すごいな、これは。いくらでも、あふれてくる」
 飲みきれない分はァ千代の顔にかかり、あるいは稲の白い脚を伝って爪先から滴り落ちる。ァ千代の
女陰もまた、同じ有様になっている。
「立花様っ! なぜ、ここまで巧みに、はう! なられたのです……あ、ああっ」
 ァ千代は、惚けたような微笑を浮かべた。
「ふふ。遠呂智様が、私を女にしてくださったからだ。それに、星彩も悦んでくれる」
「せい、さい?」
 聞いたこともない名前。稲の瞳に、少しだけ嫉妬の炎が揺らめいた。
「そんな顔をするな、稲殿もすぐに、我らの仲間にしてやる」
 誇り高き立花家当主だった生き人形は、遠呂智のため、せっせと女陰を舐め続ける。

「んふふ〜。稲ちん、久しぶり♪」
 汗ばんだ桃尻に向かって、くのいちが話しかけていた。
 柔らかな尻たぶに手をかけ、割り開く。自分の意思で閉じることなどできるはずもなく、
谷間に眠る小さな菊花が暴き出された。
 皺は偏りない放射線を描き、色は実に薄かった。汚れは、見当たらない。出陣前、尚香に
言ったように、稲は身体を隅々まで清めていた。多毛の稲も、肛門の周囲には産毛しか
生えていない。無防備この上なかった。
「ごたいめーん。稲ちんは、お尻の穴をクチュクチュされるのが好きなんだよね」
「い、いや! そこはダメ、汚いからやめて」
 稲には肛門自慰の経験はない。不浄な排泄器官としての認識しかなかった。そこを
くのいちは、快楽器官として開発しようというのだ。
「気持ちよすぎておかしくなっちゃうから許して〜、の間違いだよねぇ。にゃはん」
 くのいちは何のためらいもなく舌をこじ入れる。
「あ……あ……お尻、汚いぃ……」
「れろれろ……あ、今ヒクヒクってしたよ? かーわいー」
 気持ちいいはずがないと思っていた。しかしざらつく舌でくすぐられるうち、括約筋が
キュ、キュと勝手にヒクついてしまう。何より、尻の穴を舐めさせるという行為に、稲は
歪んだ優越感を覚え始めていた。

 四人の女たちに可愛がられ、稲の全身がひっきりなしに震える。快楽のさざ波は相乗効果で
大きなうねりと化し、稲を揺さぶる。乳首の勃起も愛液の分泌も、止めようがなかった。
 目の前では尚香が、いつの間にか城壁に下半身を埋め込まれていた。静かに目を閉じ、
城の構造物と化している。そんな状況にある親友の前で悦ぶなど、稲には自分が許せない。
 しかし、鼓動はますます激しく脈打ち、視界に霞がかかってくる。武士である前に女だと
いうこと。それを今日ここで、彼女は思い知らされる。
「ああ! 尚香許して、わ、私……あはぁ、はおおうぅっ」
 詫びる言葉は、最後まで続かなかった。乳首を、陰核を、肛門を、女たちが吸い立てる。
脳裏に星が瞬いて――
「ごめん、ごめんね、果ててしまうの、あ、ああ――――ッ!!」
 束ねた黒髪を振り乱し、赤黒い虚空を見上げて、稲が絶頂に吠えた。小水とは異なる液体が、
ァ千代の顔面に勢いよく降り注ぐ。ひとしきり叫んだあと、稲は糸が切れたようにうなだれた。
絶頂直後の彼女をいたわるように、濃姫たちはそこかしこに口づけの雨を降らせた。
それがまた、稲の余韻を増幅させる。
「くすくす。女同士が好きで、お尻が好きで、虐められるのが好きだなんて。稲さんは立
派な変態さんね」
 自他共に認める堅物だった稲の崩壊が、妲己には面白くてたまらなかった。
 妲己が手を叩く。その音に反応したかのように、尚香が薄目を開けた。
「う……妲己、様……?」
「孫尚香さん。せっかくお友達が来てくれたんだもの、歓迎してあげなさい」

「ああん……っ」
 膣から蛇が抜け、その摩擦が尚香を喘がせる。壁からでた尚香の下半身は、ナメクジが
出すような粘液にまみれていた。何かに憑かれたような足取りで、稲に歩み寄る。濃姫たちは
それまでの執心ぶりが嘘のように、一斉に離れた。そして再び、自ら壁に埋め込まれていく。
 手首を縛っていた蛇が、稲を解き放った。しかし、自慰数回分に匹敵する快楽を味わわされた
稲は、足腰が立たない。
「あううっ!」
 その場に、崩れ落ちてしまった。
 尚香は膝を抱え、まるで小水をするときのように座り込んだ。這いつくばる稲の目に、
親友の多毛の恥丘とほぼ無毛の女陰が飛び込んでくる。あの大事で綺麗な部分を遠呂智に
蹂躙されたのかと思うと、稲は涙が出そうになった。
「お願い尚香、目を覚まして……」
「稲……私、とっくに目覚めてるわよ。女の悦びにね……」
 尚香はいつもと変わらぬ微笑を浮かべていた。口調にも、違和感はない。ただ瞳だけが、
宵闇のようにどす黒かった。ァ千代たちと同じように、稲の記憶だけが都合よく再生されている。
 稲のあごに尚香は手をかけ、くいっと上を向かせる。何をしようとしているのか、稲には
分からなかった。ただ、間近で見る裸体の尚香は、とても美しかった。子宮が、きゅうんと
疼くほどに。

「あ……んんっ」
 瑞々しい唇同士が重なる。それが、稲にとって初めての口づけだった。
(嗚呼……これが、口吸い。私は、尚香に唇を捧げてしまったのね)
 驚きはしたが、嫌ではなかった。触れ合った唇から、尚香の温もりが伝わってくる。少し
首を傾げると唇同士がこすれあい、むずがゆいような、気恥ずかしいような感情が湧き上がる。
(いけないわ、こんなこと。私は遠呂智と妲己を討って、尚香を救うの)
 しかし、自分は丸腰で、尚香は正気を失っている。どうすれば救えるというのか。
それよりは、尚香の望むままにさせてやったほうがいいかもしれない。そんな諦めの気持ちが、
稲を色欲の世界へ逃避させた。
「ん……ん……」
 尚香に手ほどきされるように、稲はこの異常な状況での口づけにのめりこみ始めた。
尚香は稲の唇を舐め、少しずつ中にこじ入れ、歯列をねぶっていく。奥歯まで舐め終えると、
力なく開いた歯列の先へと舌をもぐりこませた。
「んあっ……あむっ」
 二匹の蝶のように、稲の口の中で二つの舌が戯れる。ここが古志城の最深部であることも
忘れ、二人は清涼な唾液を混ぜ合わせた。クチュクチュという音が、稲の耳元に響く。
息苦しくなって口を離すと、ねっとりとした唾液の橋が尚香との間にかかった。
「はぁ、たまらない……あなたさえいてくれれば、父上も、徳川も……」
 潤んだ瞳で、稲は親友に訴えかけた。それを聞き逃す妲己ではない。
(あらあら、もう堕ちちゃうんだぁ。よっぽど、尚香さんとこういうことしたかったのね。
じゃ、遠慮なく)
 妲己は、稲を本格的に堕とすことにした。耳元に顔を近づけ、何事かを高速で吹き込んでいく。
『あなたはこれからずっと、本能のままに生きていくの。毎日尚香さんやァ千代さんと
やらしいことしながら、年老いることもなく。それがあなたの夢、あなたの望み。
さあ、認めてしまいなさい』
 そのような趣旨のことを、禁じられた言語で繰り返し囁いた。抗うだけの理性は、稲には
残されていなかった。

 床に寝転がった稲の眼前に、尚香の濡れそぼつ秘貝がつきつけられている。陰唇近辺は
ほぼ無毛のたたずまいで、花びらの形まではっきりと見て取れた。
 彼女に覆いかぶさった尚香の真下には、稲の秘貝が熱く息づいていた。尚香と違い、周囲は
濃密な黒い森に覆われている。しかし秘裂そのものの形状は尚香よりさらに幼く、花弁が
まったくはみ出していない。未通女の危うさが、凝縮されていた。
 わずかなためらいも妲己の術で吹き飛び、稲は望むままに親友と戯れることにした。
手甲も脛当ても着けているのがもどかしく、乱暴に脱ぎ捨てていた。
 つりそうになるほど懸命に舌を伸ばし、尚香の秘所を舐めあげる。塩味の強い体液が
落ちてくると、喉を鳴らしてそれを飲み下した。
「んぐ、んぐっ! 尚香、好きぃ」
『好き』その一言は、遠呂智の支配下にあっても尚香を激しく高ぶらせる。
「んはっ、私もよ、稲……じゅるっ」
 股座を覗き込むようにして、稲の下の唇に口づける。レロレロ……と、縁に沿って、
舌を這わせていく。
「これが、稲のお豆さん……ちゅ」
「あぁんんっ! いい、すごくいいよぉ」
 一番上の大きな肉珠にたどりついたところで、たっぷりと舌でつついてやると、とめどなく
雫がにじみ出た。もちろん、余さず吸い取っていく。
 生まれたままの姿で、痴態をさらす姫二人。妲己はそんな彼女たちに嘲りの声をかけてやった。
「あはは! あんなに凛々しかったのに、ちょっと術をかけてあげたらすっかり淫乱な雌同士
じゃない。素敵、これこそ貴方たちのあるべき姿なのよ」

 舌が痺れ、顎が疲れきったところで、ようやく性器の相舐めが終わった。顔が愛液まみれに
なっているのも、二人は意に介さない。
 お互いに向かい合って再び接吻し、愛液と唾液を存分に交換する。稲の束ね髪をすき、
耳に吐息を吹きかけながら、尚香は囁いた。
「ねえ、遠呂智様に仕えれば、ずっと一緒にいられるわ。だから、身も心も遠呂智様に捧げて……ね?」
 明らかに、他人に台詞を言わされていた。普段の稲だったら、頑として首を縦には
振らないだろう。今の彼女は、もはやお堅い生娘ではなかった。思考回路が桃色に染まって、
父や家康のことも頭から吹き飛んでいる。
「……うん……私は、大好きな尚香とずっと一緒にいたいの……」
 夢見心地で、うなずいてしまった。

「フフフ……麗しい友情だな」
 その言葉を待っていたかのように、遠呂智がゆっくりと玉座を立った。
「本多忠勝の娘よ。見るがいい、貴様を女にするものを」
 二人の前まで来ると、股間を覆う装甲が弾け飛んだ。目も鱗もない異形の大蛇が、中から
飛び出してくる。ここ数箇月のうちに急激に進化した陵辱器官『ヤマタノオロチ』の一匹だった。
稲はうやうやしくひざまずいて、遠呂智の大蛇をよどんだ瞳で凝視する。正気であれば、
見るのも汚らわしいと感じたはずなのに。
「これが……稲の、お雛様の中に? お、巨(おお)きい……こんなの挿れられたら、
壊れてしまう……」
 先端の形状こそ人間の男根に酷似しているが、口は大きく裂け、中から長い舌が伸びている。
何より、とてつもなく長い胴体が、自らの意思でうねっている。初めて間近に見る陽物がこれでは、
稲が恐れるのも無理はない。

 そんな稲を安心させ、色欲界に引きずり込むべく、尚香は稲の肩に優しく手を置いた。
「大丈夫。一緒に、舐めましょ? 遠呂智様が悦んでくださるから」
「く、口で、ですって……!?」
 自分の唇を、舌を、そんなことのために使うなど、稲には信じられなかった。
「そうよ。こんな感じで……ね」
 手本を示すように、尚香が大蛇の胴を両手でつかみ、顔を近づけていく。舌先で、蛇の
頭をペロペロと慈しみはじめた。男勝りな親友がひざまずいて奉仕しているのを見せつけられると、
稲も奇妙な使命感にとらわれてしまう。
「わ、私も負けていられない。稲も、ご奉仕いたしますっ」
 尚香のすぐ隣に膝をついて、おずおずと唇を寄せていった。どうすればいいか分かるはずもなく、
尚香の真似をして舌を動かす。初めての男根は、特別な味も匂いもなかった。
ただ、やけに冷たいことだけが稲の印象に残った。
「ほら、もっと頑張らないと。遠呂智様、気持ちよくならないわよ。あむっ」
 かくいう尚香も、技巧は大差ない。短時間のうちに、妲己に口淫を教え込まれたとはいえ、
経験不足はいかんともしがたい。せいぜいが、雁首から裏筋までを丁寧に舐める程度だった。
 しかし、遠呂智にとって巧拙はさほど問題ではなかった。武に打ち込んできた二人の姫君が、
拙くも懸命に口の純潔を捧げる。それだけで征服感は十分に得られた。
 それに、彼女たちは寵姫などではなく――餌に過ぎなかった。

 蛇頭を挟んで、稲と尚香の唇が何度か触れ合った。淫蕩な視線が交錯する。
「尚香……また、口吸いして……」
「もう、稲ってば……ふふ……ああっ」
 自分に素直になった二人は、大蛇をほったらかしにして互いの舌を絡ませはじめた。
「キッシャアアアッ」
 遠呂智本体は沈黙していても、蛇が待ちきれないと言うかのように牙を剥く。
「ほら、遠呂智様が稲を求めておられるわよ。自分からきちんとお願いしないと」
 稲はうなずいて、正座し、遠呂智に深々と頭を下げた。まるで、初夜を迎える新妻のように。
「遠呂智様……不束者ではございますが、稲のすべて、お納めくださいませ」
 魔王の、青紫色の唇がにたりと歪む。
「よかろう。貴様の言葉、我も嬉しいぞ」
 正気を失わせた上での申し出は、茶番としか言いようがない。
 遠呂智は稲に、直立不動の姿勢をとらせた。稲は陶然として魔王を見つめ、胸も股も隠そうとは
しない。陶器のような肌を土台に、桜色の乳輪と漆黒の原生林がひときわ目を引いた。
 八匹の蛇たちが一斉に伸び、稲の肢体を緊縛する。膣口や尿道口、肛門を長い舌でつつき、
贄としての価値を確かめていく。食事のための触診は、稲に新たな快楽を与えた。
「あっ……そんな、遠呂智様自らっ……はぁん、恐れ多いっ」
「ほう……言葉が見つからぬな。淫らに練り上げられた精気が、満ち満ちている」
 最も太い一匹が、足首に巻きつき、螺旋を描きながら脚を登って処女地へと迫る。最後の
意思確認をするように、ヌメーッヌメーッと姫割れが何度も舐められた。青い乳酪臭も、
じっくりと嗅がれている。
「あぁん、早く……稲を、遠呂智様の女に……」
 それでも、稲は抵抗を見せなかった。運命は、決まった。

「参るぞ」
 鼻先を、じりじりと押し込んでいく。異物の挿入に、稲の眉根が寄った。
「く……ぁ……」
 やがて、最も狭い部分をとらえる。日頃の激しい運動にもかかわらず、稲の処女膜はしっかりと
保たれていた。
 蛟が昇天するかのような勢いで、遠呂智は純潔の証を貫いた。
「うぅ! くぁあああぁ――っ!!」
 今日二人目の乙女の悲鳴が、古志城最深部に響き渡った。蛇はなおも動きを止めず、子宮口の
寸前まで頭を突っ込む。この瞬間、稲は遠呂智に身も心も支配された。
 脂汗を浮かべ、稲が苦悶する。耐え難い痛みは、戦の傷とはまた質が違う。
「くっ、こ、これは……つ、辛うございます……あ、痛ぁっ……んんんっ!?」
 その口を、やはり尚香が唇でふさいだ。少しでも苦痛を紛らそうと、しっかり
抱きしめながら口を吸う。険しかった稲の顔が、少しは和らいだ。
「はぁはぁ……尚香」
「大丈夫よ、私がついてる。苦しいときはいつも一緒でしょ」
 そう。二人は一緒だった。もう一つの処女喪失さえも。

 剥き卵のように白く滑らかな二人の臀(しり)を、また別の大蛇達が背後から狙っていた。
熱い谷間に滑り込むと、鼻先で菊座を軽くはたく。二人とも、何事かと振り向こうとした。
それより早く、蛇どもは侵入を開始する。
「え……そっちは、まだ……んはあああっ!?」
「いや、痛い、本当にダメ、裂けてしまう――!」
 出すところに、入れる。まさに焼け付くような拡張感が、稲と尚香に襲いかかった。しかし、
今の二人に蛇を抜くという考えは浮かばない。ただひたすら互いを慰めあい、耐えようとする。
 蛇たちの胴体が、まばゆく輝く。稲と尚香の尊い生命力の結晶・精気が遠呂智に流れ込んでいった。
「フ……分かる、分かるぞ、この感覚。稲、貴様を糧として我が力は魔王を越え……唯一
絶対の存在となる!」
 精気を取り込んだ遠呂智の肌が、鎧が、青紫から金色(こんじき)へと変わっていく。
稲こそは、最後の『鍵』だった。遠呂智が、神への扉を開くための。
「あ……あ……あ……あ……」
 人をはるかに超えた存在に抱かれ、稲は押し寄せる苦痛と快楽に押しつぶされていた。
思考することもなく、目を見開きうめくことしかできない。
「さあ、生まれ変わるがいい」
 稲の子宮と腸内で、遠呂智の分身たちが口をいっぱいに開けた。その喉の奥から、白濁の
毒液が噴き出す。粘膜から吸収された毒は肉体をより淫らにし、稲の人格を消し去っていく。
稲の脳裏に再び浮かんだ父の顔は、今度こそ完全に闇へと消えた。
 子宮が毒液で満たされ膣口から逆流するころには、強い眼光をたたえていた瞳には何も
映らなくなっていた。
「よく耐えたわね、稲。これであなたも、遠呂智様のモノよ」
「……遠呂智様の……嬉しい……」
 二体の肉人形は、輝くことのない瞳で見つめあい、空虚な微笑を交わした。

 いよいよ、遠呂智の野望が全貌を明らかにする。

稲姫編 完

←孫尚香編 妲己編→ 作品一覧に戻る

この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
弓姫二人
孫尚香×稲姫
直江兼続×稲姫

WEB拍手ボタン 感想・リクもどうぞ
お礼メッセージは総勢20名! 感想・リクもどうぞ

Written by◆17P/B1Dqzo