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ついばむだけから、唇を舐め、真っ白な歯列を舐め、舌を深く絡めていく。もっとも、尚香は陸遜の真似をしているだけだったが。
（これが……口づけ……こんなことまでするんだ。なんだか、息苦しくなってくるよ……）
城内の喧騒とは無縁の自然界で、生まれたままの姿の男女が思いを確かめ合う。熱烈な接吻は続き、口の間からこぼれた唾液が泉に滴り落ちていた。
聡明なはずの丞相は、憧れの姫の肉体に徐々に溺れ始めた。あれもしたい、これもしたい。若者らしい欲望が、その手を尚香の無垢なる胸元へと動かさせる。
（唇の、次は……）
「ンア――アンッ！ あ、やぁ」
乳房に軽く触れられるだけで、尚香が鈴のような声で鳴く。憧れていた弓腰姫の水蜜桃を、陸遜は手の上で弾ませた。今まで抱いたどの女たちよりも瑞々しく、美しい半球形をしている。とても柔らかいのに張りもあって、きつめに指を食い込ませてもすぐに押し返す。
愛撫に反応し、少しずつ膨らんでいく桃色の尖りが、また可憐であった。たまらず、赤子のように顔を埋め、吸い上げる。肌の匂いは梅の花よりもかぐわしく、乳頭の味は美酒にも勝った。
「はふうっ……！ あぁ、あはぁっ」
「チュ……ちゅぱっ……気持ち、いいですか……チュウッ……姫」
途切れ途切れに、問いかけてみる。子供のようにこくこくとうなずく尚香が、陸遜は可愛くて仕方なかった。
水面に、波紋が立つ。尚香の脚が、震えている。立っているのも辛そうだ。
ほとんど押し倒すように、陸遜は尚香を泉の岸に座らせた。
「草が……チクチクする……」
それを聞いて、陸遜は脱ぎ捨てられていた衣を、尚香の下に敷いてあげた。そうするのを忘れるほど、今の彼は気がはやっていた。
陸遜が膝に手をかけると、尚香は恥じらいながらも脚を開いていく。その奥に、十数年大事に守ってきた、彼女の尊厳が息づいている。
茂みの面積は少ないものの、密度は濃い。しかし秘裂の上に来ると毛並みは急激に薄くなり、赤みを帯びた姫割れがほぼ無毛の状態で晒されていた。
陸遜はジロジロ見たりせず、軽く微笑みながら尚香に覆いかぶさった。乳輪を舐め上げつつ、下腹部に手をしのばせる。
「……！」
尚香のかんばせが一気に紅潮し、固く目をつぶった。男に触れられることへの恐怖が、本能的に生じる。
（嘘……上手……アーッ、ハァンッ）
だが陸遜の指は想像以上に優しく、自分で慰めるより心地よい。しばらく身を任せるうちに、そこはぬめり、クチュクチュと粘っこい音がしてきた。
しばらく姫割れと戯れた後、陸遜は尚香の目の前で、人差し指と中指を開閉してみせた。淫らな分泌物が糸を引く。
「ほら、もうこんなに溢れてます。私の指で、気持ちよくなってくれるんですね。嬉しいですよ」
「はぁ、はぁ……い、意地悪……ああぁ！？」
さらに嬌声が甲高くなる。肉豆の皮を剥き、つまんで、指の腹で転がしたのだ。自分で慰めるときでさえもしたことがなかった陰核露出責めに、尚香の腰がビクンビクンと跳ね上がる。こんこんと湧き出す女の露は、敷かれた衣に失禁のような染みを作っていった。
「はふぅ、ああっ……指、入ってる……入れられてるよぉ」
軽い絶頂を繰り返した尚香は、荒い息と共に、乳房をひっきりなしに上下させていた。陸遜の行為はさらに大胆になっていた。陰唇をくつろげ、暴かれた孔に指を入れ、入念に挿入の場所を確認する。そんな異物の侵入にも、尚香はおとなしくして拒まない。引き抜かれた指に付着した大量の蜜が、陸遜への信頼を物語っていた。
「そろそろ、ですね」
指一本受け入れてもらっただけでも、陸遜は舞い上がってしまいそうだった。しかし、やはり自分の象徴を受け入れて欲しい。陸遜は細身に似合わぬ青筋立った肉を握りしめ、尚香を見下ろした。先ほどの倍ほどにまで膨張、いや怒張している。
（お、巨（おお）きい……！ 私、アレで女にされるんだ）
恐怖と好奇心がない交ぜになったまま、呆然と眺めていた尚香だったが、不意にあることに気付く。
ずっと受け身ではないのかと。
（何もかも、陸遜にさせていいの？ 自分で決めた道なのに、他人任せなんて……やっぱり嫌！）
「ちょっと……待って！」
両腕を伸ばして、尚香が陸遜を押しとどめた。
怖くなったのかと、陸遜はいぶかる。そうではなかった。
「今度は陸遜が、ここに寝てくれる？」
まさかと思いつつ、陸遜は言うとおりにする。そのまさかだった。
天を向いてそびえる陽物を、尚香がまたいだ。指二本で、自身の二枚貝をそっと開く。無垢なる内部粘膜が顔をのぞかせると、陸遜といえどもそこに目が行ってしまった。その色合いから、陸遜は尚香がついた嘘をすぐに見抜いた。
『私、あまりこういうこと……な、慣れてないから』
（慣れてない、どころじゃないでしょうに）
何と言えばいいのか分からず、止める気にもなれず。陸遜はただただ、弓腰姫の無謀を唖然と眺めてしまう。
陸遜の象徴をぎゅっと握ると、尚香はいよいよ自身の処女孔にあてがった。
「い、行くわよ……ちゃんと見てなさい、よね……はぁ、はあ……」
わずかに、窪みに亀頭がはまる。執拗な愛撫で入り口こそ潤っていたが、そこから先が狭すぎることは、入れ始めてすぐに二人とも分かった。
「姫、体調がよろしくないのでしたら、あまりご無理は」
言葉を選んだ陸遜の諫めも、尚香は聞く耳持たない。
「い、いいから。目をそらさないでっ！ 私が自分で、道を選ぶところを」
意を決して、そろそろと腰を下ろしていく。少し進んだところで、一番狭いところに先端が触れる。思いは千々に乱れた。
（この先に、今までとは違う自分が……えぇい！）
一息に、腰を落とす。その結果は、自分の身体に即座に跳ね返ってきた。生涯ただ一度の、尊い痛みとして。
「くっ……ああぁ――っ！！」
最も悲痛で最も美しい叫びが、静謐な空気を切り裂いて響いた。
破瓜の鮮血が結合部から滲んで、陸遜の竿を伝い落ちる。大粒の涙をこぼしながら、それでも尚香は根元までしっかりとくわえ込んだ。
「……ううっ……ね、繋がったわよ」
「…………」
陸遜は言葉も出ない。快感より先に、言い知れぬ罪悪感がのしかかる。それでも、硬さの残る初々しい肉襞に包まれて、陸遜は萎えることを知らなかった。
その沈黙を、尚香は不満と取ってしまった。
「わ、分かったわ。あなたの言う『証拠』って、これじゃ足りないんでしょ？ なら、こ、これでえっ」
「そ、それは、あうっ！？ おやめくださいっ、無茶、ですっ、ほああっ」
痛みをこらえつつ、尚香が腰をぎこちなく上げ下げしだした。女になったばかりの肉襞で陸遜を悦ばせ、自分の中に放たせようとして。処女自らによる騎乗位奉仕の快感には、陸遜もたまらない。妙な声を上げながら、キツキツの処女肉に包まれ、ねぶられる。
一方の尚香は当然、さらなる苦痛に苛まれた。が、時を追うごとにそれは徐々に薄れてきた。代わりに、陸遜を受け入れたことへの充足感が結合部から伝わってくる。
「あぁん！ 陸遜のが、私の中で暴れてるよぉっ！ 気持ちいい？ 私の中は、陸遜っ！」
答えは一つしかない。
「は……はい……姫だから、こんなに気持ちいいんですね……」
健気で、それでいて乳房がタプタプ揺れ動く煽情的な姿を目の当たりにすると、陸遜は目論見を超えて応えたくなってくる。
「あと少し……こらえていただけますかっ……ふっ、おうっ」
少しでも早く、愛する女性を楽にしてやりたい。小刻みな律動と、奥まで貫く突き上げを交互に繰り返し、質の異なる心地よさに浸った。
もう、もちそうにない。二人がずっと待ち望んでいた瞬間が、訪れる。
「姫……受け止めて、ください――私の、すべてを！」
「うん、いい、わよ……出して、大丈夫だから、陸遜を全部うぅっ！！」
その言葉を聞いた瞬間、止めようのない生命の奔流が、一瞬にして睾丸から鈴口まで駆け抜け――噴き出した。神聖な女体の空洞に、白い波濤が繰り返し浴びせられる。
「くうううっ！ と、止まらないぃ……」
「ああ、凄いよぉ……私のお腹、陸遜でいっぱいになっちゃう……」
もう、孫家の姫には戻らない。体の一番奥まで陸遜に染められたことを実感しながら、尚香は陸遜の上に崩れ落ちた。
「ねえ、これからどうするの？」
「くぅ……うっ……今、聞かないでくださいよ……」
水中に腰から下を浸して、尚香は陸遜のモノに付いた汚れを丁寧に洗い落としている。それがまた心地よくて、陸遜は難しいことを考えられない。ちなみに彼女自身の秘め処はさすがに見られるのが恥ずかしくて、水中で洗っていた。
「そうですね……今すぐ孫権様と事を構えるのは、得策ではありません。しかし、備えは始めておかねば」
「……やっぱり本気で兄様と……？」
おてんばな手が止まる。
兄が憎いわけではない。最悪、兄と殺しあうことになるかもしれないと思うと、つい声が沈む。そんな尚香の肩に、陸遜は優しく両手を置き、微笑んだ。
「どちらかが破滅する前に、終わらせましょう。知恵を出し合えば、道は必ず開けます」
「……うん。私、信じてるから。どんなときも、あなたのことを」
その手を取って、尚香もまた、屈託のない笑顔を返すのだった。
完
この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
孫尚香×稲姫
陸遜×孫尚香2
遠呂智の淫謀 孫尚香編
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