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ねね×くのいち

 遠呂智降臨に伴う大混乱は、ねねと秀吉をも離れ離れにしてしまった。
 だが、いつまでもめそめそしている彼女ではない。伊賀・甲賀・風魔……遠呂智に抵抗するべく、流派を超えた忍者軍団を結成し、自らその頭に納まった。
 そこにどこで聞いたか、武田のくのいちもやってきた。しかし、ねねにはどうにも、彼女が本気には見えない。ならば軍団の長として、相手の力量を見極める務めがある。

 時空を越え、戦国時代の天守閣が三国時代の大地にめり込んでいた。その傾いた屋根に、二人は命綱も着けずに立つ。
 ねねの装束は身体の線がくっきり出ているのに対し、くのいちの露出は控えめだがへそ周りやふくらはぎの素肌が眩しい。こんなところにも、ふたりの美意識の違いが出ている。
「忍びなら、術であたしを認めさせてごらん!」
 厳しい顔をして、ねねはびしっとくのいちを指差した。
「お安いご用だぜぃ」
 くのいちはにやりと笑って、印を結び始める。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前……ぼわん!」
 一瞬にしてくのいちの姿が消えた。ねねも忍びなのだから、それくらいのことは予想がつく。問題は次に何をしてくるか、だ。
(どこから来るのかしら……上か、後ろか……)
 そのまま逃げるとは思えない。音や匂い、風の動きから、ねねは接近する気配を感じ取ろうとする。
「うぐっ!?」
 ねねは突然、胸部に強い圧迫感を覚えた。人の手の感触だと、すぐに分かる。
「取ったよ――ん♪」
 背後から聞こえる能天気な声は、あの少女のものだった。
「あいたた! そんな、いつの間に……っ」
 これだけ警戒していてなお背後を取れるくのいちの腕前に、ねねは驚嘆した。敵同士なら殺されていたかもしれない。
 しかし、今は果し合いではない。さっそくくのいちはふざけ始めた。10本の指が、忍装束の上を芋虫のように這い回る。
「おおー……この大きさ、柔らかさ。世の中は不公平ですなぁ」
「お、重いんだよね……あの人は喜ぶけど……」
 しかし同じ女として、羨ましいものは羨ましい。少々乱暴に、くのいちはねねの胸を揉みしだく。あらわになっている谷間が、さらに寄せられて深くなった。
 ねねはまったく気持ちよくない。ただひたすら痛かった。
「あぁん!じゅ、術を変なことに使わないの! お仕置きするよっ」
 ねねが眉間に皺を寄せ、何事かを強く念じる。すると、ねねがもう一人、真横に出現したではないか。
 いかなる原理であろうか。それは自分の意思を持つかのように動き、背後からくのいちを引き剥がそうとする。だが、分身がくのいちを取り押さえることはなかった。屋根瓦の上には、抜け殻のように脱ぎ捨てられた忍装束が残るだけ。
「空蝉……」
「じっゃあね〜ん」
 今度はねねの頭上からくのいちの声がした。後ろから上から、忙しいことである。当然、今のくのいちは一糸も纏っていない。任務のためなら服など使い捨てである。
 素足で踏んづけてやろうと、この小悪魔は頭上から蹴りを放った。引き締まった脚がまっすぐに伸び、ねねを狙う。が、当たった感触がない。ねねも瞬時に飛びのいていた。
 服だけ残して。
「それくらい、あたしだって朝飯前だよ!」
 立派な胸を張り得意げなねねだが、素っ裸では格好がつかない。大体、よけるだけなら脱がなくてもいいのに。
 かくして二人の女忍者が素っ裸で向き合うという、艶やかにして間抜けな光景が出現した。

 月光を浴びながら、二人の裸身が存分に躍動する。
「はっ!」
「せいっ」
 いつもの得物は使わず、純粋に体術を競っていた。素早い回し蹴りに、倒立しての開脚蹴り。蹴りを放つたび大きく脚は開かれ、その奥に潜んだ女の象徴がのぞく。
(乳なんて、飾りです……とは言うものの。やっぱ、不公平だよねぇ)
 戦いながらもくのいちは、ねねの乳房から目が離せない。相手だけが、動きに合わせて乳房を弾ませるのだから。
 ぶつかり合いはさらに激しさを増し、二人は柔肌から汗を飛び散らせる。白く吐き出した息が、闇に溶けていく。
「や、やるね! でも、そろそろ……決めさせてもらうよ!」
 ねねが一直線にくのいちの懐へと踏み込んだ。打撃技の応酬ではらちが明かないと判断したのだろう。組み付けば、彼女には豪快な投げ技がある。
「もらったぁ!」
 細い腰にねねはがっしりと組み付いた。だがくのいちも、そうはさせじと暴れる。
「なんの! 好きにはさせないんだからっ」
完全に捕捉するには至らなかった。二人の足がもつれ、急な勾配の屋根に倒れこむ。
「うわっ、わわわっ!」
「やばい、やばいってええぇぇ!?」
 もつれ合い屋根の上を転がり、裸の女忍者たちははるか眼下の芝生へと落下していった。

「はあ、はあ……」
 二人は並んで、芝の上に仰向けで横たわっていた。幸い、ケガ一つしていない。だが、口を酸欠の金魚みたいに開けたまま、立ち上がろうともしない。二人の胸が、呼吸に合わせて上下する。ねねのは大きく、くのいちのはささやかに。
 ねねは横目で、くのいちの未成熟な裸体を眺めていた。小ぶりな胸やツルツルの下腹部を眺めていると、無性に悪戯したくなる。
「ふふーん……勝負はまだ、これからだよ?」
 むくっと起き上がり、くのいちに覆いかぶさった。潤んだ瞳で、年下の忍びを見つめる。
「こっちの技じゃ、あたしが上だってことを教えてあげる……」
「こっちって、何の技……んっ、んむ〜!?」
 質問の続きは、口づけで止められた。瑞々しい女の唇同士が、重なる。
 逃げ出そうにも、巧みに手足が絡んでいて、身動き取れない。かといって、ねねの舌を噛んだりするのもためらわれた。
(旦那さんと離れ離れで寂しいのかな……だったら同じ土俵で勝負してあげますか)
 やがてくのいちも、この状況を楽しむことにした。唇をすり合わせ、時には浅く、時には深く舌を絡める。その動きの自然さは、年上の既婚者にも劣らない。
 口づけをほどくと、ねねは満足そうに唇を手で拭った。
「ふぅ。やっぱり、これ以上ケンカは良くないから、ね」
「あのー、そっちが売ってきた……んんっ」
 正しいツッコミはまた、唇でふさがれてしまった。

「ちっちゃいおっぱいだね。ちゃんと食べないと、大きくならないよ?」
 くのいちの上に乗ったまま、控えめな乳房を揉む……というほど大きくないのでさする。
「ひ、人が気にしていることを、んあ!」
 ねねに女同士で愛し合う趣味はないが、同性の快楽のツボくらい簡単に分かる。色薄く陥没気味なくのいちの乳頭も、口に含まれ転がされると、みるみる隆起してくる。
「お、お上手……信じられないぃ……」
 不思議と慈愛に満ちた舌遣いに、くのいちも甘い声を漏らしてしまう。
 そのまま、ねねはズルズルと身体を下へ下へとずらしていく。汗の浮かぶ素肌を優しく撫でながら、脇腹やヘソに舌を這わせ、ついには少女の核心に唇を寄せた。
 無毛の一本筋になっている。色素の沈着もなく、赤子の耳たぶを思わせる。男を寝所で殺すのもくのいちの仕事なのだが、意外とそういう趣味の男は多いのだろう。
「へえ、こういうのも綺麗。あたしもこんな年頃があったんだよねぇ」
 甘酸っぱい気持ちを味わうように、ねねは下の唇にも口づけた。生きている証拠の匂いを嗅ぎながら、チロチロと舐める。
「ああっ……いい……何だかあたし、はまっちゃいそう……」
 がっつくような男の舌とは違い、ねねはあくまでも優しく舐めてくれる。しかし、くのいちもやられっぱなしにはならない。
「ね、ねねさん、お尻こっちに向けて。あたしにも舐めさせて……」
「いいけど。その年で、やりかた知ってるの?」
「そりゃあ。あたしも、女の忍びですから」
 その言葉に納得したのだろう。ねねは肉付きよくも締まった尻を、くのいちの顔に向けた。ねねの割れ目は豊穣な茂みに覆われたうえ、肉厚の花びらがはみ出し、豪華に縁取っている。一方のくのいちは、無毛のうえ、花弁のはみ出しもまったくなかった。二人の局部は、いろんな意味で対照的だった。
 そんなお互いの股間に顔を埋め、口唇愛撫の競いあいが始まる。
「んぐうっ……ん、れろっ」
「じゅるっ……ちゅばちゅばっ」
 ただただ無心に、相手の方を先に達させるべく、二人は互いの局部を舐めすする。割れ目の上をなぞるだけだった舌が、淫豆を嬲り、さらには指で開かれた内部粘膜までしゃぶる。滲み出す露は、二人の唇をいやらしくてからせた。
 無人とはいえ城のど真ん中で、全裸の女二人が興じる様はこの世のものとも思えない。そんな状況もまた、二人の情欲をあおった。

「ふうぅ……やっぱり、決着は……」
「アレで……決めますか」
 会陰を舐め、菊門まで指で弄っても、結局二人は満たされなかった。もう、行き着くところまで行くしかない。
 はしたなく股を広げると、お互いの脚で相手の胴を挟み込んだ。無毛の一本筋と濃密な毛饅頭が、密着する。そして、踊るように腰を捻る。敏感な媚粘膜は、脳髄まで痺れるような快感を、すぐに送り込んできた。
「ああ、あなたのここ、凄く擦れていいよ!」
「ねねさんこそ、あ、あたし、こんなに上手い人初めて……」
 立ち上る二人の香りは夜風に溶け、溢れる淫水は伸び放題の芝をしとどに濡らしていく。
「も、ダメ……ね、いい子だから一緒に」
「はひいっ! ねねさん、ねねさぁん!」
 絶頂の予感に、女忍者たちはひしと抱き合い、むさぼるように唇を重ねる。
「アッ、アア――ッ!!」
 嬌声の二重唱が、闇に吸い込まれていった。

 意識が夢の世界から戻ってきても、二人はしばらく服を着ようともしない。余韻の残る裸身を寄せ合っている。
「うふふ、ガンバるんだよ。変な意味じゃなくてね。あっ、はあぁ……もうっ」
 乳房を吸われると、またおかしな声が出てしまう。ねねも苦笑いするしかなかった。
「は〜い。このおっぱいにかけて、頑張りま〜す……ちゅううっ」
 くのいちの髪を、ねねはまるで母のように優しく撫でてやる。いろんな意味で激しい一夜を経て、二人はようやく同志となったのだった。

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この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
石田三成×ねね
くのいち×徐晃
くのいち×小喬
遠呂智の淫謀 ねね編
遠呂智の淫謀 くのいち編

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Written by◆17P/B1Dqzo