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阿国×貂蝉

 三國と戦国の世界が奇怪な融合を果たし、人類は未曽有の混乱と不安の中にあった。しかし、ごく少数ではあるが、心乱すことなく日々を過ごす者もいた。肝が据わっているのか、はたまた何も考えていないのか――

 魏の都・許昌。ようやく遠呂智からの独立を宣言した曹丕のもとに、珍客が訪れていた。自分が信じる神のため、踊り子が寄進を願い出ているのだ。父・曹操顔負けの合理主義者に対して。
「……ほう」
 彼は教義に感動したのではない。その者の舞を評価していた。謁見の間でも萎縮することなく、大輪の花が描かれた傘を軽やかに操る。一つ間違えれば宴会芸でしかないのに、一挙手一投足から彼女の想いが伝わってくる。
 出雲の阿国。千年の時を隔てても、彼女の舞が人の心をとらえることに変わりはない。
 やがて舞が終わり、阿国は傘をたたんで一礼した。玉座の曹丕はにこりともしない。
「貴様の神を信仰する気はないが、無聊を慰めてくれた礼だ。それ相応の物は、後でとらせよう」
 余計な感情表現をせず、最善の結論だけを伝える。対して阿国は破顔一笑。
「おおきに〜。冷たい方やと思ったけど、気前よろしゅうて嬉しいわぁ」
「それにしても、最近我が国には舞姫がよく来る。何か原因でもあるのか?」
「うちの他にも、どすか?」
 曹丕の言葉に、阿国は珍しく、いい男以外に多大な興味を覚えた。はるか古代の舞姫とは、どのような人物なのか。そして、どのように舞うのか。この目で確かめずにはいられない。
 その舞姫――貂蝉は、数日前に魏軍に救出されたばかりだという。教えられた居場所に、阿国は早速向かった。

「こないなところに、ほんまにおるんやろか……」
 曹丕がわざわざ保護したというのに、そこは人目を避けているかのような、質素な一軒家だった。
 軽く門扉を叩く。
「……どなたでしょうか」
 ややあって、柔らかな女の声が返ってきた。扉を開けた貂蝉は、これまた質素ないでたちをしていた。ほとんど、そこいらの町娘と変わらない。しかし、着飾らなくても美しいものは美しい。世の中にはどんなに着飾っても以下略。
「わあ……こりゃべっぴんさんやわ。うち、阿国いいます。曹丕様からご紹介されましたよって、よろしゅうに」
 阿国の言葉には、裏付けがあった。舞の礼として曹丕から下賜された財宝の中には、市中には出回っていないものも含まれていたのだ。
「貂蝉様もよう舞われなはると聞いとります。せやからうちに、その舞い、見せてくれまへんやろか」
 現状が現状だけに、貂蝉の警戒心は非常に強い。しかし、穏やかそうな阿国を見ていると心が揺れる。不安な気持ちに息を潜める毎日に、疲れ始めてもいた。
「これも何かのご縁……大したもてなしもできませんが、どうぞお入りください」
 結局、貂蝉は初対面の阿国を招き入れた。
 小さな庭、飾り気のない内装。それが、貂蝉の美しさをいっそう絶対的に見せる。世の中には、大きな家と派手な内装に囲まれているのに以下略。
 部屋の片隅に置かれていた一対の『錘』を、貂蝉は手に取った。短い棒の先端に球を付けた錘は、武器であると同時に舞いの道具でもある。
「では、参ります」
「よろしゅう、お願いしますえ」
 阿国はきちんと正座し、貂蝉をいつになく真剣に見つめる。そして、貂蝉は静かに舞い始めた。その仕草は流麗でありながら、時として武技を思わせるほどに鋭い。
「やっ!」
 彼女が錘を突き出すとき、その向こうに敵が見える気までした。そのたびに、阿国は思わず息をのむ。一人で舞わせるにはもったいない。無意識のうちに立ちあがり、傘を開いていた。
 貂蝉の錘を受けて立つように、阿国も舞う。貂蝉はさすがに驚いたが、すぐに舞いを修正した。思う存分、錘と傘を振る。どちらが上かを競うのではなく、共に新しいものを創り出すために。
 そして、二人はまったく同時にぴたりと静止した。誰も観客のいない、しかし互いに悔いなき舞台が終わった。

 二人は茶をすすりながら、語り合う。当然のように互いの技を褒め、やがて貂蝉が、ぽつりぽつりと身の上を語りだす。遠呂智の強さに心酔している呂布が心配で、その目を自ら覚まさせるべく彼のもとから離れたのだと。
「奉先様は、目を覚ましてくださるのでしょうか」
 不安げな貂蝉を、阿国は可愛い女性だと思う。同時に、彼女の決意は並大抵ではないと思い知る。
「男はんは、いくつになっても子供みたいなもんどす。『俺より強い奴に会いに行く』ゆうて、埒もない喧嘩三昧。だから、どこかできっちりお仕置きせな」
 彼女も、同じような経験をしているのだろう。冗談めかしてはいるが、阿国の言葉は温かい。貂蝉は久しぶりに笑顔を見せた。
「はい! 私、必ず奉先様にもう一度お会いします。そして、遠呂智のもとから引き離してみせます」
 阿国はうんうんとうなずく。うなずきながら、そっと貂蝉に近づいた。真っ白な貂蝉の手の甲に、己の掌を重ねる。
「え……」
「奉先様から離れて、やっぱり寂しいんとちゃいますか」
 その声には、優しいだけではない艶が含まれていた。
「あ、あの、お会いしたばかりなのに」
 戸惑う貂蝉に微笑みかけながら、阿国は指を絡める。唇を貂蝉の耳元に寄せ、かろうじて聞き取れる声で囁く。吐息が、くすぐったい。
「ここから先は、夢の中の話どす。世の中がごっちゃになった世界の、夢のまた夢の……」
 そっと、肩に手を回す。普通は馴れ馴れしいと思うところだが、天真爛漫な阿国に企みがあるようには思えない。人の心をつかむことにかけては天賦の才を有していた。
「阿国様……明日から強く生きていくために、今だけ甘えてもよろしいですか」
 阿国に否のあろうはずがない。ゆっくりと目を閉じ、艶やかな唇をそっと重ねていった。上品に紅を塗った唇は、チュッチュと二重唱を奏で始める。

「あん……はあぁ……」
 互いの衣を乱しながら、二人は素肌に手を差し込んでいく。舞った直後の肌は適度に温かく、うっとりするほど手触りがよい。そうした芸術品に触れる喜びで、愛撫される快感もいっそう高まっていく。
 二人とも舞を売り物にしているだけに、その肢体は無駄肉などない。貂蝉のほうが細身で、阿国のほうが肉づきがよい。しかしもうほとんど好みの問題だろう。『どちらがいい』と決められる男がいたら、それは傲慢というものだ。
「んふ……」
 阿国が、貂蝉の衣の前を開いた。乳頭に口づけ、舌をねっとりと絡ませつつ吸い上げる。
「あっ、んぁ! お、阿国様っ」
「貂蝉様は、どこもかしこも綺麗やわ」
 貂蝉が珍しく、演技ではない嬌声を上げた。呂布は全力で彼女を愛してくれる。それはそれで嬉しいのだが、女同士にしか突けないツボを、阿国は丁寧に押さえている。じらしたり、一気に攻めたり。そのたびに、貂蝉は阿国の頭を抱えて悶えた。
「はぅ! あぁ……あぁ……」
 油断しきっていた裾の中にも、阿国の片手が忍び込む。すべすべの太腿を撫で上げながら、奥へ奥へ。ささやかな恥毛を指先に絡ませてから、女の泉へと指を滑らせた。
「ん! そ、そこは、はふうぅ……!」
 貂蝉の腰が、大きく浮かされた。火照った媚肉の中で、阿国が指をうごめかせるたび、室内には貂蝉の鳴き声が何度も響いた。

 さらに時がたち、二人の衣服ははしたなくも床一面に散乱していた。生まれたままの姿になった二人が、二つ巴のように互いの秘処に顔を埋める。
「ちゅばっ……阿国様のここ……しょっぱくて美味しい……」
「んふ……それは、お互い様どす……」
 舌を目いっぱい伸ばし、指で花弁をくつろげ、ふたりは目の前に広がる秘園を舐めまわす。同性ならではの優しい愛撫によって滴る蜜は、あとからあとから熱心に飲み下されていった。何度も裸体が小刻みに震え、軽い絶頂に達していることが分かる。
 もうここまで来たら、行けるところまで行きたい。二人は股間から顔を離し、のろのろと脚を絡めていく。互いの両脚が、胴を挟み込む――貝合わせの体勢をとった。成熟した花弁と花弁が、じわじわと近付いていく。
 くちゅり。
 下の唇が、口づけた。そのまま、腰を跳ね上げるようにして花弁を擦り合わせる。
「ああ……こんなになるのは、久しぶり……あはあ! す、素敵っ」
「ええわぁ……ええ男も好きやけど、かいらしい子も……」
 露と露が混ざり合い、糸を引く。美乳はフルフルと揺らされ、裸身には玉の汗が浮かび、輝く。
「ん!あ!」
 淫豆同士が擦れ合うと、とりわけ蜜の滴りが増す。床の上に、後から掃除するのが大変なほどの染みを作ってしまっていた。
「あかん、はふぅ、うち、もう……」
「わ、わたくしもっ、ですっ……んはああっ」
 嬌声の合間に、苦しそうな吐息が混じり合い、舞っているときとはまるで異なる色香を醸し出す。腰の振りは一層激しくなり、子宮からジンジンと駆け上る快電流はもう二人を何も考えられなくさせていた。
「んん――っ」
 とどめとばかりに、ふたりは上体を起こして固く抱き合う。唇と唇、乳房と乳房が密着し、ひとつになって蕩ける。
「んんん――――っ!!」
 二人の合作は、くぐもった嬌声とともに終幕を迎えるのだった。

 事が終わり、二人は手早く衣服を整える。これ以上の長居は迷惑と、阿国は後ろ髪をひかれつつも退出することにした。
 門の前で、貂蝉は阿国に頭を下げる。
「阿国様のおかげで、辛さも少しは軽くなりました。次にお会いするときは、平和の舞を共に……」
「うふふ、それは楽しみどすなあ。出雲の神様も、貂蝉様を見守っておりますえ」
 阿国も丁重に頭を下げ、貂蝉の隠れ家を後にした。
 貴重な邂逅を胸に刻み、舞姫たちは軽やかに、たくましく生き抜こうとしている。

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Written by◆17P/B1Dqzo