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曹操×くのいち

(注:現代日本では未成年の飲酒は禁止されています。お酒は二十歳になってから。)

 未曽有の混乱に遭っても、曹孟徳の覇道はとどまることを知らない。
 遠呂智が倒れて後、曹操は異世界の戦力を積極的に自軍に組み入れようとしていた。その中には、忍びと呼ばれる者たちも含まれていた。闇にまぎれての諜報・暗殺を得意とする忍者たちは、いわば覇道を影から切り開いていく存在となるに違いない。
 そして今回『唯才』を掲げる曹操が雇った忍びが一人――

 その夜曹操は、一人銅雀台にて酒盛りしながら、新たに雇った忍びの技を鑑賞していた。壁に立てかけられた的には、すでに四本の苦無が突き刺さっている。忍びと的の間はおよそ一間半(約2.7メートル)。忍びは五本目の苦無を指の間に挟むと、慎重に狙いを定め、苦無を投げつける。
 風を斬り、最後の一本は四本の苦無のさらに真ん中に突き立った。
「ま、ざっとこんなもんです♪」
「うむ、見事な技よ! これを取らそう」
 曹操は気前良く、忍びに杯を与えた。忍び――と呼ぶには、その格好はあまりにも忍んでいない。上半身の布地は胸の膨らみを覆うだけで、下は短袴というのがいちばん近いだろうか。きゅっと締まったヘソ周りも太腿も大胆に露出している。おまけに髪は可愛らしく上で束ねていた。そんな格好をした年端もいかぬ女忍者、くのいちを曹操は雇ったのだ。本名は知る由もない。
 くのいちはあどけない顔をして、たちまち杯を干した。酔いつぶされていては忍びはつとまらない。
「ごちそうさまでしたぁ。にゃはん♪」
 それでもわずかに赤らんだ頬が、少女に色香を添える。
「ささ、殿もどうぞどうぞ」
 片膝をついたくのいちに酌をされ、曹操も杯を満足げに干す。顔を上げてみると、空は月も星も隠れて一面の曇天であった。傍らのくのいちに視線を戻す。
「今宵はあいにく、月も出ておらぬ。こんな夜に、主命を果たすための技もあるだろう?」
「それをお見せしろとおっしゃるので?」
 相手が忍びであることを知らず、あるいは承知の上、くのいちに夜伽を命じる者は数知れない。彼女は仕事のため、ある時は適度にあしらい、またある時は容赦なく命を奪ってきた。
(曹操さんでもそういうこと言っちゃうんだね〜)
 少しだけ残念に思いながら、くのいちは腹を決めた。

「了解でーす。じゃあ物騒なものは外して、と」
 曹操から少し離れた所に立つ。
 まず苦無を床に捨てた。それから胸を覆う布を、背中の紐をほどいて外す。意外に育った胸が、外気にさらされた。さらに短袴を脱ぎ、手甲、脛当てと外していく。足指の形まで美しい。髪もほどいた。その間も、曹操は鼻の下を伸ばしたりはしない。文字通り一糸まとわぬ姿になるまで、どこに武器を隠しているか分かったものではないのだから。
 とうとうくのいちは、生まれたままの姿になった。しなやかな体の線に加え、股間の一本筋がいやでも目を引く。男根をくわえ込んできたようには見えない外見がかえって恐ろしい。恥ずかしくはないのだろうが、くのいちは胸と股を両手で隠し、身をよじってみせる。
「ほう。その美しさも立派な武器というわけか。では、始めてもらおう」
 曹操がゆっくりと歩み寄ってくる。頭の中はどうあれ、その歩みだけでも底知れぬ威圧感を放っていた。
「あうっ」
 王者の風を見て、くのいちは急に腰を抜かしてしまう。尻餅をつき、秘裂から菊門まであらわになってしまった。
「あ、いや待って曹操様。やっぱ心の準備が」
 曹操を押しとどめようとするかのように右手を前に出す。なんとも無様な格好であろうか。
 だがその瞬間。

 曹操の目つきがいつにも増して鋭くなった。
「キエ――――イッ!!」
 突然腰の剣を抜き、目の前の空間を切り払った。カアン、と高い音を立てて、何かが床に叩き落とされたらしい。しかし、まったく形が見えない。
「嘘……絶対分からないと思ったのに」
 曹操は床に落ちた何かを拾った。己の指先を凝視し、それから嘆息した。
「やはりな……」
 極細だが極めて鋭利な長針が、つままれている。
「目には見えないほど細い糸を指先に結び付け、弓の弦に見立てる。そこに同じく目には見えないほど透き通った針をつがえ、放つ。お主がわしに手のひらを向けたとき、そんな暗殺術があることををふと思い出したのだ」
「いやー、威嚇のつもりだったんですけどね、って今から言っても遅いわけで」
 当てるにしても大ケガにならないようにするつもりだった。そしてひるんだ相手に、いいようには扱えないと誇示するつもりだった。だがどうやら、目の前の男はそんな手も通用しないらしい。久しぶりに背筋が凍てつき、不快な尿意がこみ上げる。
 しかし曹操はにやりと笑って、剣を収めた。
「忍びと戯れるのは命がけよな。ああも威勢よく脱ぐとは思わなんだが、恥をかかせた非礼は詫びよう」

 曹操が頭を下げた。その隙にくのいちは服も着ずに駆け寄り――懐に飛び込んだ。彼の胸元に当たるは、柔らかく、思ったより小柄な女体の感触。
「むっ……いかんな」
 これには曹操も虚を突かれてしまった。ここからいかなる術を繰り出してくるのか。平静を装いながらも、全神経を集中させる。相手が暗殺者だと、たとえ裸の美少女でも気が抜けない。
 だがくのいちにもう敵意はなかった。
「あたしと命がけで遊んでくれるなんて、ドキドキしちゃった。ちょっと……おじさまに惚れちゃったかな」
「やれやれ。このわしをからかうものではないぞ」
 曹操はくのいちの顎に手を添え、上を向かせた。よくしゃべる割に、彼女の唇は小さい。瞳も、いくつもの修羅場をくぐってきたとは思えないほど綺麗に輝いていた。その瞳が閉じられると、曹操は静かに唇を奪った。

 それからしばらくして、曹操は独り、自室へと帰ってきていた。……独り?
「お邪魔しまーす……あれ、ここが曹操さんのお部屋だよね」
 虚空から突然、くのいちの裸体が出現する。術で姿を消し、ここまでやってきたのだ。突っ立ったまま、興味深そうに室内を眺め回す。
 魏王・曹操の寝室は一見意外に質素である。掃除の邪魔になるような、余計な飾り立てはしていない。寝台も、くのいちが想像していたような豪華絢爛さはなかった。
「心地よく眠れることが何より肝要であろう。それより、続けようではないか」
 曹操がくのいちの背後に回る。後姿も美しいと思いながら、抱きしめた。小ぶりな乳房を手のひらにすっぽりと収め、じっくりと揉みしだく。
「あんっ……」
(へえっ……すごく優しく揉んでくれるんだ……)
 手のひらになじませていくような触り方だった。それでいて、乳首は指の腹でねちっこく転がされ、たちまち屹立していく。その扱いに、余裕を感じさせる。
「んああっ……あむっ……」
 喘ぎ声を上げ始めたところで、また唇を奪われる。今度は舌まで絡め取られ、唾液を混ぜ合わされる。
「はぁうっ……息が続かないぃ……ひゃふう!?」
 いつしか下半身へと、曹操のもう片方の手が伸びていた。太腿を撫でてから、徐々になだらかな下腹部へ、そして無毛の股間へと。
「ふむ、滑らかな触り心地よの」
「ん! あぅっ、そこはちょっと弱っ」
 余計なものが生えていないからなのか、くのいちのそこはなかなかに感度良好らしい。曹操の指で一本筋をくつろげられ、こねられる。年の割には経験豊富でも、花弁の色つやは初々しさを失ってはいない。
「そ、曹操さまっ、はひっ!!」
 指が二本、柔肉の狭間に潜り込んだ。かき回された股間から立つ水音は、時がたつほどに粘度を増す。滲み出した体液は太腿をツツーッと伝い落ちてふくらはぎから踵にまで達してしまう。こんなに受け身になるとは、くのいちも予想していなかった。
「もうそんなに乱れてもらえるとは、男冥利に尽きるというもの。まずは一度、達するがいい」
「だ、駄目っ! まだ指だけなのにいぃ!?」
 曹操の指先はくのいちの小ぶりな肉豆をつまんだ。ごく軽く転がすだけで、全身がガクガクと震え、足に力が入らなくなってくる。視界にもやがかかり、息が苦しくなって――
「イグ……イ……クゥ!!」
 口の端から涎まで垂らして、普段男を翻弄しているはずの小悪魔はあっけなく崩れ落ちた。曹操はそんな彼女を後ろから抱きとめる。
「さっき言ったであろう。わしをからかうものではないと、な」
「はぁいぃ……でも予想以上だよぉ」
「さて、次はお主がわしにその才を示す番だ」

 寝台に腰掛ける曹操の股間を、くのいちは服の上から撫でさする。そこは衣を突き破りそうなほどに硬くなっていた。くのいちは思わずニンマリする。
(んふふ、これで勃ってなかったら悔しすぎるものね)
 服を引き下ろす。先走りの染みがついた下帯の脇から、覇王の肉剣を丁重に取り出す。体格の割にはかなり立派な逸物に、くのいちも喉を鳴らしながら指先で弄ぶ。
「人並みでいいのだ、役目さえ果たせればな」
「そんなことないですよ。んじゃ、さっそく……こちょこちょっとね」
 限界で怒張してくれた方が、あとで気持ちいい。だからくのいちは、執拗に肉茎から袋まで撫で回す。常人よりはるかに自在に動かせる指先は、床の上では前戯のためにその機能を余すところなく発揮する。男の自慰は快楽を求めて一直線にしごくだけだが、そこが違う。全裸の小悪魔はわざと快楽のツボを外して焦らしたり、かと思えば苦痛を感じる寸前まで強くしごいたり。文字通り、男を手のひらの上で転がす。
 それで我を忘れる曹操でもないが、こういうときは馬鹿になることにしている。こみ上げる快感に抗わず、息を乱す。
「ふむうっ……! 末恐ろしい……娘よっ……!」
 視線を下に落とせば、形良い尻肉がもじもじと揺れている。その狭間に、尻尾でもついているように思えてならなかった。
「お次はお口、っと♪ あ――――んっ」
 大きく口を開けるが、まだ飲み込まない。舌をいっぱいに伸ばして、幹に這わせる。切っ先から玉袋まで、唾液で宝剣を清めていく。
「ふふ、飲み込んじゃっていい? いいよね?」
 返事を聞くこともなく、くのいちは小さな口の中に肉をほおばった。口内に、青い匂いが充満する。
「んむうっ! んあっ、んんっ!!」
 舌を貪欲に閃かせ、頬を思いきりすぼめて吸い立てる。チュバチュバ、ジュルルと、この上なく淫猥な音が股間から立つ。
「おお!! 見事、よ……わしのすべてが蕩けて吸い出されそうではないかっ」
 曹操も、くのいちの頭をついつい押し付けてしまう。喉が深々と串刺しになった。
「けほっ! んぐぐぅっっ」
「おお、すまん」
 さすがのくのいちも、曹操の太腿をぺしぺし叩いて苦痛を訴えた。曹操は手の力を緩め、少女の髪を撫でてあやす。くのいちの口唇愛撫は萎えるどころか、ますます熱を帯びていった。

「ふうう……もう後は、繋がって楽しむだけだよねっ」
 限界まで男根を可愛がったくのいちの頬は、酒のせいもあって真っ赤に染まっていた。
「曹操様、横になって」
 言われるまま寝転がった曹操の股間を、くのいちがまたぐ。自ら一本筋に指を添え、くつろげ、肉剣に密着させる。そして、一息に腰を沈めた。
「にゃはああんっ!! これすっごいよぉおっ……」
 ジュブジュブジュブっと、若々しい胎内が曹操に突き上げられる。挿入だけで、上体が大きくのけぞった。
「フ、どうした。よがっているだけでは、またわしにいいようにされてしまうぞ」
「そうはさせません、よ……っ!! ほらっ、ほらあっ」
 ここで男にいいようにされては、何のための閨の業なのか。くのいちは腰を振り立てながら、括約筋をきつく収縮させる。ただでさえ狭い膣内が締まる。それだけではない。前を向いていたくのいちが、腰を浮かせて肉茎を抜き取ったかと思うと、即座に背中、というより尻を向けた。そして再び、腰を下ろす。尻肉の狭間から、結合の様がはっきり見て取れる。しかも体勢が変わったことで、擦られ方まで変わった。
「ほほう、これは、これ……はっ」
「ふう! ねっ、気持ちいいでしょ。今度はまた前に戻って、と! んにゃあ!」
 また対面騎乗位に体勢を戻した。幼ささえ残る秘裂を、百戦錬磨の逸物が貫く。その様子が、曹操には一目瞭然となる。
 くのいちは息を乱し、汗だくになっている。確かに大した腰遣いではあるが、一生懸命さも感じられるところが曹操に好感を抱かせた。その好感は、怒張に正直に反映される。玉袋の中が、こらえようもないほどむず痒くなってくる。
「退けい。そろそろ、潮時ぞ」
 短い時間で、曹操はくのいちの内面をつかんでいた。彼女はまだ、安定した暮らしよりも戦の緊張感を選ぶだろう。この夜伽がきっかけで身重にでもさせたら、それもできなくなってしまう。
「は、はいっ! じゃあ、代わりに……んんんんっ!!」
 肉茎を急いで抜くと、くのいちは二人の体液に塗れるそれに顔を寄せた。曹操といえども人間、忍耐は無限ではなかった。
「ぬおおおうっ!!」
 咆哮とともに、爆ぜる。覇王の魂は、少女の顔面から胸元までをぐちゃぐちゃに塗り潰した。
「熱ぅい……」
 くのいちは恍惚とした表情で、その白濁を肌に塗りつけていた。

 銅雀台の湯を借りて身づくろいし――これも贅沢なことである――くのいちは再び曹操の前に戻って来た。忍装束も大胆だが、裸身の彼女を見た後ではずいぶんと重装備に見えてくるのがおかしなところだ。
「今宵は忍びの技、いろいろな意味で堪能させてもらった。今後もその才を見込んで、仕事を任せることになろう。頼むぞ」
「それは、夜のお仕事も込みで?」
「あれを仕事と呼ぶのは、無粋だとは思わぬか」
「ですよねー♪」
 くのいちは束ねた髪をぴょこんと揺らして微笑むと、寝室の窓を開け放った。窓枠に、猿のごとき身軽さで飛び乗る。この部屋は三階にあり、まともに落下すればよくて重傷だろう。
「お主は……そこから飛び下りても無傷だというのか?」
「もっちろん。また明日、お会いしますよ。じゃっあねーん♪」
 まるで勝手口から出ていくような感覚で、少女は室外へと身を翻した。曹操は思わず駆け寄るが、夜の闇の中に彼女の姿は消えていた。だが、不思議と心配にはならなかった。曹操はほくそ笑む。自分の目に狂いはなかったと。
「遠呂智よ。貴様が異なる世界を融合したことで、我が下にはさらなる才が集まりつつあるぞ。フフフ……」

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Written by◆17P/B1Dqzo