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関平×星彩2

「ぐ、うぅ……ここは……」
 若き蜀将、関平はまぶたを上げた。頭が重く、身体の節々がこわばっている。実に気分の悪い目覚めだった。
 世界が突然融合し、異形の軍隊が蜀の地を蹂躙した。関平も当然武器を手に応戦したのだが……数も強さも、普段の戦とは段違いだった。乱戦の最中に力尽き、死を覚悟した。再び目が覚めたときにはこうして硬い寝台に寝かされていた。どこにいるのか見当もつかないが、おそらくは敵軍の城内だろう。
 起き上がろうとするが、手足が何かに引っ張られて動けない。手枷足枷をはめられ、鎖で繋がれているらしい。
 父・関羽は、主君・劉備は無事なのだろうか。それにもう一人……直前まで、自分に背中を預けて戦っていた彼女は……
「関平……そこにいるんでしょ」
 隣から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。まさに、今思いを巡らせていた少女の声。
「星彩! 星彩なのか!?」
 懸命に首を横に曲げる。その凛とした顔立ちは、まぎれもなく幼なじみの星彩だった。
「よかった、無事なんだね」
「……あまり見ないで……」
 星彩は相変わらず表情に乏しいが、頬が真っ赤に染まっている。首をぎこちなくめぐらせてみると、その理由がようやく分かった。
(ハ、ハダカ……!)
 星彩の瑞々しい素肌を、成熟しつつある滑らかな曲線を覆うものは何一つない。股間には、漆黒の草むらが立派に生え揃っていた。その裸体が、やはり寝台に縛り付けられている。
 自分も、やけにスースーする。首を曲げて前を見ると、下腹部に柔らかな陽物が乗っかっていた。彼らは揃って全裸の状態にされていたのだ。自分たちを襲った謎の敵に剥かれたのだろう。
 関平の心臓が大きく脈打ち、股間の肉槍が反射的にヒクついた。
「ご、ごめん!」
 彼も健全な男子である。星彩の肉体には興味津々だが、直視する度胸はまだない。とっさに目を伏せたが、横たわる女体は網膜にしっかり焼きついてしまっていた。

「二人ともお元気〜?」
 また、若い女の声がした。彼女の身は自由なのだろう。緊張感のなさがわざとらしく、聞く者の神経を逆撫でする。
「お前かっ! 拙者たちをこんな目に遭わせたのは」
 恥ずかしさも忘れ、関平は声を限りに怒鳴った。
「あ〜ら。大ケガしてたのを完璧に治してあげたんだから、少しは感謝してくれてもいいのに」
 真上からのぞき込むその顔は、女狐という言葉がぴったりくるようだった。肌は病的に白く、小馬鹿にしたような笑みを浮かべている。そして頭には赤い三日月を思わせる、奇妙な帽子をかぶっていた。そして身体に貼りついたような面積極小の服は、裸の方がまだ恥ずかしくないという代物だった。
「あぁ、まだ名乗ってなかったわね。私は妲己、この世界の支配者たる遠呂智様の軍師ってわけ」
「お前のような軍師がいるか!」
「その格好、理性があるようには見えないけど……」
 幼なじみ二人が、息の合ったツッコミを見せる。さすがに妲己もカチンと来たらしい。
「あなたたち……自分たちの立場は分かってるわよね? 今すぐ殺しちゃっても構わないのよ」
「く……」
 本気の感じられる声色に、二人とも口をつぐんでしまった。
「まったく、話の腰を折らないでよね。そうそう、どうしてあなたたちを殺さず生け捕りにしたか、気になるでしょ。答えは簡単、あなたたちが強いからよ」
 横たわる二人の間を行き来し、若い肉体をジロジロ眺めまわしながら、妲己は世間話のような気軽さで己のもくろみを語る。
「遠呂智様は強い人と戦うのが生きがいみたいだけど、私は味方にしちゃったほうが楽だと思うのよね」
「人質を取って、言うことを聞かせるつもりね」
 この屈辱的で絶体絶命な状況下でさえ、星彩は取り乱さない。声も上ずっていない。蜀漢の未来を背負って立つにふさわしいふるまいだった。
 だが、妲己のたくらみは星彩の予想を超えていた。
「違うんだなー、これが。これからあなたたちは、お人形さんになってもらうの。私の言うことを何でも聞く、肉人形にね♪」
 そう言うなり、妲己は関平の横たわる寝台に上がると無遠慮にも股間に顔を寄せた。
「なっ……!!」
「あらあら、あなた立派なモノ持ってるじゃない」
 舌なめずりして、妲己は関平の陽物を、滑らかなてのひらで包み込んだ。そして、ゆっくりと上下にしごき始めた。関平も健全な男子なら、自分でしごいたことも一度や二度ではない。しかし、他人にやられるとその恥ずかしさと快感は段違いだった。まして、相手は殷の紂王を骨抜きにした傾国の悪女である。快楽のツボは知り尽くしていた。
「お、う……うわああっ!! んあ、や、やめろおぉっ」
 星彩の前で恥ずかしい真似はできないと思っても、股間はたちまちそそり立ってくる。いつもよりはるかに雄々しく。
「ほぉら、身体は正直じゃない。これなら『作業』も苦労せずにすみそうね」
 妲己は関平の裏筋をさすりながら、何事か呟く。それは三國時代には失われていた、相手の人格を消去するための禁断の呪言。妲己の手と関平の男根が触れ合ったところから、術者の強烈な思念が注ぎ込まれる。関平の脳内で無数の火花が散り、男根は本能のまま雄々しい肉槍へと変貌していく。
「ご、おああ! に、人形になんてなってたまるかあぁっ」
「関平……耐えて……! 気をしっかり持って……」
 幼なじみの尋常でない様子に、星彩は何もできなくとも激励せずにはいられない。それに、他の女の手で悶える様子が、これほど不愉快だとは思わなかった。
 だが、意志の力で超古代の淫儀を止めることなどできない。妲己は呪文を唱えたまま、我慢汁滴る肉槍を口にくわえ込んだ。
「んふっ……ちゅばちゅばっ、れろおぉっ……」
 言霊が直接、関平の思考回路を犯していく。
『私に身を委ねれば、もっと強く、もっと気持ちよくなれるわ。だから今までのあなたはここで終わるの』
 妲己の声が、頭の中に甘く反響する。強さ、快楽といった誘惑を振り切るには、彼はまだ未熟に過ぎた。腰をカクカクと振り、妲己の喉奥まで男根を突き上げる。
「ひ! あ!? おふうぅっ、んはあ――!!」
「やめて……関平が苦しんでる……死んでしまう……!」
 このときばかりは、星彩の抗議は的外れもいいところだった。男の精神状態を、彼女は理解できていない。
 妲己の口唇愛撫はさらに熱を帯び、関平の反応はますます過激になる。そしてとうとう。
「ア、出る、出るよおぉ、あああっ――!!」
 関平の全身が、爆発した。いや、砕け散ったのではない。身体の内側から、膨大な熱と光が発せられたのだ。同時におびただしい量の精が、妲己の口内にぶちまけられる。
「んぶっ!? んぐ、んんん――っ♪」
 妲己は精を一滴残らず飲み干すと、ほくそ笑む。計画は見事成就した。
「ふう、濃いのがたくさん、ごちそうさま。そしてようこそ、私の世界へ♪」
「フゥーフゥー……!!」
 目は尋常でなく光が宿っている。明らかに、自我は失われていた。そして男根は射精したばかりだというのに、天を向いて突き上がっている。足ることを知らぬかのように。当然、身体の他の部分のように、煌々と輝いている。
「ほぉら、あんなに立派なモノがあなたの中をかき回してくれるのよ。素敵でしょ?」
 呼び覚まされた幼なじみの獣性を目の前に、星彩は背筋が寒くなった。
「凄すぎる……あんなの入れられたら、壊れてしまう……」
 その声色には、怯えがありありと浮かんでいた。すぐに妲己は察する。
「ひょっとして、あなたも男を知らないの? ふふ、童貞君と処女ちゃんの結合、最高の見せ物ね! さあ、カッコいいとこ見せてよ関平君」
 妲己に呼ばれると、関平、いや関平だった肉人形は自ら鉄の鎖を引きちぎり、立ち上がった。ゆっくり、しかし力強く星彩のそばに歩み寄る。
「関平、正気に戻って。こんなのは嫌……」
 星彩の歯がカチカチと鳴った。いやでも、覚醒を果たした関平の剛直が目に入る。前戯もなしにに男根を突っ込むなど、破壊行為以外の何物でもない。
 とうとう、関平が寝台に上がった。
「ああっ!」
 星彩の足の鎖を引きちぎり、足首をつかんで頭の方へと倒す。処女の肉扉も菊門も、関平の目にさらされてしまった。少々手入れ不足だが、清らかなたたずまいを見せている。普段の関平なら、目が釘付けになっていただろう。だが今の肉人形はまさに本能のおもむくまま、肉槍の切っ先を星彩の無垢なる姫割れにあてがった。
 無言で、関平は腰を突き出す。
「はぐううっ!!」
 星彩の深色の瞳がカッと見開かれ、口から舌が飛び出した。大事に守られてきた膜が、呆気なく散らされた。子宮口を貫くのではないかと思うほどの長大な逸物を、関平は根元までねじ込んだ。結合部からは、鮮やかな喪失の証が純白の寝台を染める。
「うぐ……あ……かはぁ……」
 二人の繋がった部分を間近で見つめながら、妲己は感極まったように身をくねらせた。
「あぁん……やっぱり初めての結合って、胸に迫る光景ね。どう? 幼なじみと結ばれた感想は。ま、すぐに何も考えられなくなるんだけどね」
「オウッ、オウッ」
「抜いて……こ、わ、れ、る……あああっ! ひぎゃああっ!!」
 猛然と腰を振る関平に組み敷かれ、星彩は悲鳴を上げ続けるしかない。だが凄まじい破瓜の苦痛が、不自然なほど早く快感に置換されていく。関平に注ぎ込まれた妲己の思念が、今度は星彩の膣内に流れ込んでいた。肉人形と交わった者もまた、肉人形と化す。恐るべき連鎖だった。
「あっあんっ!? そんな、初めてなのに、お、犯されてるのに……関平、関平、関平っっ」
 抵抗は無駄だと悟ったのか、星彩は何度も関平の名を呼び、両脚を彼の腰に巻き付けた。二人ともまともな精神状態ではないのに、肉体は悲しいほど深く繋がっている。
 瑞々しい処女襞が、関平を優しく包み込む。その心地よさに、覚醒したとはいえ童貞の関平が長く耐えられるはずもなかった。
「グ、オオォ……ウッ!!」
 関平の動きが一瞬止まる。そして脱力し、柔らかな双乳の上にゆっくり顔を埋めた。
「関……平……あうううんっ……逞しい……」
 星彩の膣内に、精液とともに禁断の力が流し込まれていく。星彩の裸体にも、すぐさま異変が生じた。碧色の宝石のように全身が透き通り、輝く。深い色だった瞳は爛々と輝き始めた。彼女も覚醒したのだ。生ける宝石が二体、荒く呼吸をして繋がっていた。だがその顔には、何の表情も浮かんでいなかった。何という悲劇だろう。愛を確かめあうはずの行為で、心を失ってしまうとは。
 そんな二人の一部始終を見物し終わると、妲己は子供のようにはしゃいで手を叩いた。
「あはははは! こういうのが見たかったの! これで素敵なお人形さんが私のものね♪」

 星彩を縛り付けていた手枷も、いかなる術によるものか腐食して崩れ落ちた。揺れる乳房も逸物も隠そうとせず、二人は妲己にうやうやしくひざまずく。そんな二人の様子に妲己は満足げにうなずくと、武器を二人の手に戻した。意のままに動く、強く美しい肉人形に……
「……え?」
 不意に、星彩に与えられた矛が妲己の頬をかすめた。一筋の鮮血が頬を伝い落ちる。妲己の目が、驚愕に見開かれた。
「そんな、あなたたちは私の忠実なしもべになったはず」
「あなたには感謝している。これで関平の隣で戦えるから」
 星彩のはっきりした口調は、以前と少しも変わっていなかった。
「関平さんって言ったわね、その娘殺して!」
 キンキンする金切り声で妲己は命令する。だが関平もまた、星彩を守るように刃を妲己に向けた。
「お前の思い通りにはならない。何一つ!」
「……いつから正気に戻ったの?」
「星彩と一つになったときからだ。結ばれてすぐに、拙者は彼女の呼ぶ声に気付いた」
「私の心にも、関平の声が響いてきたわ。だから正気を保っていられた」
 つまり、二人は肉人形の演技をしていたことになる。星彩はともかく、馬鹿正直な関平には難しい芸当だっただろう。
「行けるかい、星彩」
「二人なら大丈夫。たぶん」
「そうだな……さあ覚悟しろ、妲己!」
 二人はそれぞれの得物を大上段に構え、その場で全力で振り下ろす。生じた真空の渦は、妲己の脇をすり抜け壁に直撃した。重厚な煉瓦の壁が、豆腐でも積んでいたかのように砕け散る。脱出経路が、あっけなくできてしまった。
「ちょ……っと……」
 自分の与えた力のあまりの大きさに、妲己は言葉を失った。関平と星彩はうなずきあって、壁の穴へと駆け出す。
「待ちなさいよ、あなたたちっ」
 妲己は慌てて魔術の刃を放ったが、覚醒した二人をとらえることはまったくできなかった。紅と碧の流星が、城外へと消えていく。
「人形が愛の力で人間に戻る? 何、その都合のいい展開。はっきり言って萎えるんだけど!!」
 妲己のわめき声も、二人には聞こえていなかっただろう。

 それからしばらく後。二人は夜の森の中に身を隠していた。神々しい覚醒状態は解け、全裸の少年少女が肩を寄せ合い、草の上に腰をおろしている。
「本当に、身一つで逃げ出してしまったな。これからどうしよう」
「蜀の皆を探し出し、合流するのが大事ね。だけど、この力を使いこなす訓練もした方がいいと思う」
「そ、その訓練って」
 この力は、男女の交わりによって与えられたもの。ということは。星彩は関平の手をそっと握る。
「たとえ世界の命運がかかっていても、好きでもない人にこんなことさせたくないから」
 ありふれた『好き』という言葉。しかし星彩の口から出てくると、関平にはとても尊いものに思えた。
「拙者も同じ気持ちだ。好きだ、星彩」
 二人は互いの肩を抱き寄せ、瞳を閉じた。ごく自然に顔が近づいていき……柔らかな唇が触れ合う。結合が先で接吻が後という奇妙なことになっていたが、二人に不満はなかった。
「んっ、んふ……」
 甘い声を漏らしながら、唇を擦り合わせる。それに飽き足りなくなるとおずおずと舌を出し、絡めあう。
「はふぅ……操られていたとはいえ、さっきはごめん……初めてがあんなことになって……」
「そう思うのなら、行動で示してほしい。もう後戻りはできないのだから」
 彼女の望むとおり、関平は最大限の優しさをもって星彩の肌に触れ、口づけた。覚醒したときの宝石のような肌も綺麗だったが、元のままの柔らかな肌が一番美しい。とりわけ美乳の桃色の頂が、舌先で勃起してくる様はどんな宝石でも表現できないだろう。彼本来の不器用だが優しい愛撫で、星彩も心の底から昂ってくる。
 星彩は我慢できなくなったのか、手近な樹にしがみついた。尻を突き出し、悩ましげに揺らす。
「ここも……よく見て。あなたが私と一つになった場所……」
一見、性に興味すらなさそうな幼なじみが、自分に素直になって関平を誘っている。それだけで、関平の喉はゴクリと鳴った。
「綺麗だ……」
 関平は恥蜜の匂いに誘われるように、星彩の股間に顔を埋め、舐め回していた。蜜というような甘いものではないが、身体の奥からこんこんと涌き出す女の味と匂いが、肉槍を再び硬直させる。
「あ、んぁ! 関平の舌、いやらしくて素敵……もっと奥まで見て、舐めてぇ……」
 普段の冷静な表情をかなぐり捨て、星彩は身を隠していることも忘れて嬌声を張り上げた。
「ああ……これ以上放っておかれたら……おかしく……」
「駄目だ、星彩。おかしくなるというのなら、拙者のこれでおかしくなってくれ……」
 関平は愛液まみれの顔を星彩の股間から離すと、引き締まった尻肉をつかみ、肉槍をあてがった。
 獣の交尾のように、後ろから体重をかけ、貫く。剥き卵を思わせる尻肉の狭間に、赤黒い肉槍がズブズブと埋没していった。
「あっはあああ……関平の熱くて、太い……はひっ、んはああっ、はおおっ」
 今度は星彩にも苦痛はない。蕩けた表情を浮かべながら、胎内を擦られる純粋な快感を味わっていた。
「まだまだ、拙者は逞しくなるっ」
 関平の全身が、灼熱の光に包まれた。覚醒した関平の逸物は一回りも太く、長くなる。エラの張り出しもえげつないものだ。
「あふうっ! わ、私も、あなたをもっと気持ちよくさせてあげる……」
 星彩の裸身も、碧色の燐光を放った。変わったのは外側だけではない。ただでさえ心地よい胎内は、さらに肉襞の数を増す。筋力が増したため、精を搾り取るための締めつけも激しくなっていた。
 再び生ける宝石と化した二人が、貪欲に交わる。だが今度は人格が崩壊してなどいない。妲己が完成させたと思った儀式は、真の覚醒のきっかけを作ったに過ぎなかった。自分に都合のいい手駒を作るはずが、強大な敵を生み出してしまったのだ。
 何より、極上の交わりで二人の心は分かちがたく結びついていた。
「星彩っ! どんな世界でも、どこまでも一緒に行こうっ!」
「イ……イク……あなたと一緒なら、もっと高くまで、飛んでいけるうっ……」
 これから二人はさらなる高みを求めていくに違いない。強さも悦楽も。

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この物語のヒロインたちは、以下の作品にも出ています
孫尚香×星彩×稲姫  司馬懿×星彩  関平×星彩  遠呂智の淫謀 星彩編

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Written by◆17P/B1Dqzo